『リターン~ある外科医の逆襲~』59話、60話の見どころ・ネタバレ
1.春馬の狂気
お金を稼ぐために医者になったという五十嵐徹に対し、それなら俺が金をやるから医者をやめろと二階堂春馬が言う。冗談にしてもたちが悪い言葉に、徹は怒りをあらわにする。
一部始終を見ていた美穂は、春馬に対してこれ以上徹にちょっかいを出すなら「二度と表に出られないようにする」と忠告をする。美穂は兄・智章の死も春馬が関わっていると確信しているらしく、必ず証拠を見つけ出すと息巻く。
そんな挑発をする美穂に、春馬は力で美穂をねじ伏せ、いつでもお前を殺せると脅すのであった。
徹は春馬のことを「友人」だと思っているが、春馬は「倒すべき相手」と思っている。春馬のこのスタンスは高校時代から変わっていないようだ。それほど、春馬が高校時代に負けたのが屈辱だったのがわかる。
美穂は二階堂一族の中では、春馬よりも立場が上らしくいつでも本家の力を使って春馬を消せるようだ。しかし、春馬の狂気はそんな脅しでは止まる様子がない。どうやってやったのかは不明だが、智章を殺したのも十中八九、春馬だろう。
2.美穂と明日香の鉢合わせ
徹の評判の良さは海外まで轟いているらしく、病気持ちのアラブの王子が飛行機移動の付き添いの医者として徹を指名する。徹も短期間でかなりの報酬がもらえることから快くその依頼を受ける。
徹のアシスタント役として医者は美穂、看護師は明日香が現れて、気まずい雰囲気になる。美穂の不機嫌な状態は続くも、アラブの王子の移送自体は無事に終わる。
©Kakao piccoma Corp.:徹のアシスタント役として合流する美穂
今回のことで、明日香は「美穂の徹への好意」を見抜き、宣戦布告する。しかし、美穂はというと、一歩引いたスタンスを取り、徹が明日香と付き合っても良いという考えをするのであった。
徹に好意を寄せる美穂と明日香がとうとう鉢合うことになる。鈍感キャラの徹はいまだにふたりの好意に気づいていないが、明日香はすぐに美穂の気持ちに気づく。比較的好戦的な明日香に対し、美穂は気分が落ち込んでる事もあってか、受け身な姿勢になっていた。
大前提として、徹がふたりの気持ちに気づかない限り、戦いが始まりもしないのでさっさと感づいて欲しいところである。
『リターン~ある外科医の逆襲~』59話、60話の感想・考察
春馬の狂気が徐々に徹や美穂に対して溢れ始める。特に、徹に対してはスタンスがおかしく「倒したい」と思う一方で「邪魔だからいなくなって欲しい」という感情が入り混じっている。
美穂に対しては、その狂気を隠すつもりはなく、自分の中に殺意が渦巻いていることを披露する。本来、殺意の対象がすべての元凶である父・宗利に行ってもおかしくないのだろうが、そうならないあたりに感情の歪みが見える(父親が苦しんでいる様子を見たいという感情があるのかも)。