※本記事は『機動戦士ガンダム ジークアクス』第3話の内容に触れています。未視聴の方はネタバレにご注意ください。
第3話では、物語の主軸が「クランバトル」へとシフトしました。
ジオンによる政治的な駆け引き、アマテとシュウジの再会、そして初めてのクランバトル――「マヴとは何か?」という問いを形にするように進行していきます。
そして今話、彼女はクランバトルを通じて「マチュ」としての第一歩を踏み出します。
今回は、第3話の見どころを4つのパートに分けて振り返ります。
見どころ1:奪われたジークアクスとエグザべ解放をめぐる駆け引き
第3話冒頭では、ジークアクスを奪われたジオン軍・ソドンのクルーたちの緊迫した会話が描かれます。
焦点はパイロットであるエグザべの身柄よりも、「ジークアクスの回収」に集まっていました。
- ジークアクスには、ジオン軍の最新鋭試作MSであること。
- そのため、軍としても「なるべく公にせず穏便に処理したい」という事情が透けて見える。
- あと「オメガ・サイコミュ」を使おうとして出撃されていたので本国にもバレたくない
こうした状況の中、シャリア・ブル中佐が採ったのは「無抵抗のままソドンで突入する」という強硬策でした。
イズマ・コロニーに強行突入する強襲揚陸艦ソドン
© 創通・サンライズ
- 一見すると無謀な軍事行動ですが、彼はすでにサイド6の首席補佐官・カムランと信頼関係がある。
- さらに、昨日付の「入国許可証」を提示し、エグザべの違法性を帳消しにしてしまう政治力も見る。
- その結果、お互いに顔を潰さずに決着するという現実的な落とし所へと着地。

まさに「現場で物を言うのは書類一枚」。
…なのに、その一枚を準備できる人脈を持つシャリアは、ただの軍人ではないのかもしれません。
この一連の描写には、「戦後の平和を壊したくない」という双方の本音も垣間見えます。
- いくら軍人でも、戦争が終わった世界で再び火種を生むのは避けたい。
- だからこそ、ジオン側は「バレずに回収」を最優先し、エグザべの問題には政治的処理で臨んだのではないでしょうか。
見どころ2:アマテと赤いガンダムのパイロット・シュウジの再会
「昨日見た“キラキラ”が、ここにもある」そう確信したアマテは、橋の下のらくがきまで走ります。
これはただの偶然ではなく、ニュータイプ的直感を描く象徴的なシーンとして機能しています。
- 感覚的な映像と視覚的な記憶を通じて、らくがきのことを思い出す。
- あえてセリフで説明せず、アマテがニュータイプであることを表現している。
そんな中、突如現れたシュウジが取った行動がまた強烈でした。
なんと、アマテの髪の匂いを嗅ぐという登場。
出会っていきなりシュウジに髪の毛の匂いを嗅がれるアマテ
© 創通・サンライズ
実はこの行為、ニャアンにもしていたので、シュウジにとっての「識別手段」か「癖」なのかもしれません。
ただの変人で済ませるには不気味すぎるし、明確な目的があってやっているようにも見えるのが絶妙なところ。

正直、「誰かを探している」ようにも見えましたね。…誰かの「記憶」の匂いをなぞってる、とでも言うような。
さらに印象的だったのは、アマテがとっさに名乗った「マチュ」という名前。
- 幼少期のあだ名を咄嗟に出してしまった混乱ともとれる。
- しかし「クランバトルで使う偽名の自然な導入」のための前フリだと感じた。
この時点では、シュウジが赤いガンダムのパイロットである確証はまだありません。
しかしアマテの中には、すでに「この人と一緒なら戦える」という直感が芽生えています。
- そもそも彼女はクランバトルに乗り気ではなかった。
- にもかかわらず、「一緒に出よう」とシュウジを誘ったのは、あのキラキラをまた感じたかったからから
見どころ3:クランバトルと“マチュ”の覚醒
アマテはふたたびガンダム・ジークアクスに搭乗し、非合法な戦闘競技「クランバトル」のステージへと向かいます。
ここでオメガ・サイコミュが起動したことで、ジークアクスが「ガンダムの形」に変形します。
- この瞬間まで、カネバン有限公司のメンバーですら「ガンダム」だとはおもっていなかった。
- 機体の正体が「ガンダム」だと判明するのは、適性ある者が乗ったときに限られます。
バトル開始直後、アマテは完全に押され気味で、敵の閃光弾によって視界すら失ってしまうという窮地に立たされます。
そんな彼女を救うのは再びシュウジとなりました。
シュウジと再度、交信しキラキラの感覚を思い出すことで、アマテのニュータイプの感覚が研ぎ澄まされます。
映像では「目が見えないなか、ヒート・ホークの位置を感知する」というのが強調されています。
しかし、その途中で「敵MSの位置や赤いガンダムの位置も把握してる」こともわかります。
細かい部分だが、手前のヒート・ホークだけじゃなく、モビルスーツの位置もちゃんと把握している
© 創通・サンライズ

このおかげで敵MSの頭部にヒート・ホークを直撃させるという戦い方を実現できたのでしょう
見どころ4:勝利に導く“マヴ”の真価と赤いガンダムの援護
そして迎えた終盤、隙ができたアマテをシュウジが援護する形で残り1機の敵MSの頭部をヒート・ホークで切り飛ばし、見事にクランバトルを制します。
- この戦い方は、まさに「マヴ戦術(2機一組戦術)」そのもの。
- シャリアが説明したように、「隙を補い合う」戦術を無意識に実行していた二人。
だからこそ、戦いを見ていたエグザべは「これが…本物のマヴ」と呟いたのです。
- 教本通りのマヴを、まったく訓練していないはずの民間人が体現している。
- しかも、ニュータイプの感覚で完全に連動しているような戦い。
- これは「本物」としか言いようがない。
また、印象的だったのはシャリアの一言――
シャリア「大佐がマヴの先陣を他人に譲るわけがない」
© 創通・サンライズ
- 彼は第1話から、赤いガンダムのパイロットがシャアではないと断言していました。
- 実際の戦い方まで見て、シャリアが確信を深めたのには説得力がありました。
第3話まとめ:“マヴ”とは何か?
第3話では、政治的な駆け引きやクランバトルでの実戦がメインの話となりました。
特に印象的だったのは、以下の3点です:
- シャリアによる大胆な行動と政治的駆け引きによりエグザベを取り戻す
- ニュータイプの感覚の導きによって、赤いガンダムのパイロットと再会する
- クランバトルでの実戦を通じて説明される、「マヴ」という戦術概念