※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第158話のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
前話では、恭弥が周防の愛人たちに接触する新たな情報収集作戦をスミセンに託しつつ、かつて敵対していた不良生徒たちとの関係にも小さな変化が見え始めていました。
そんな中、ラノックからの一報が入り、黒川の作戦の「結果が出た」とわかったところで物語は次の段階へ。
そして迎えた第158話――。
恭弥たちが待ち続けた「結果」が明らかになり、仲間を想う者たちの焦燥、そして動き出す覚悟が交差します。
見どころ1:仲間を想う者たちの焦燥と忠義
トレーニングルームで再会した恭弥とダエル。本来、出勤日でもないにもかかわらず現れたダエルは、落ち着かない様子に見えた。
- 黒川たちの安否が気になって仕方がなかった
- 何かしていないと不安で、自らを落ち着かせようとしていた

恭弥も同じように身体を動かしていたことから、これはかつての傭兵時代の名残と見るべきだろう。
「同じやり方で不安を紛らわしている」という行動が、彼らのつながりを感じさせた。
夜になり、恭弥はネクサスホテルへ向かう。ラノックが待つ部屋に向かう途中に、神代から電話がかかってくる。
「俺を除け者にしないでくれ。盾にでもなるから」
©Kakao piccoma Corp.
この言葉には、切実な思いがにじんでいた。
- 自分の実力が足りないことは分かっている
- それでも、仲間として何か役に立ちたいという必死さがある
- 取り残される不安、恭弥への信頼、それが交錯している
とはいえ、恭弥は人を盾にするような真似はしない。「何かわかったら連絡する」とだけ答えたのは、突き放しではなく、線を引きながらも誠意を残す恭弥らしさが表れていたと感じる。

仮に足でまといになるような戦いが始まったら、恭弥はその場で断りそうだ
そう感じさせる冷静さもまた、彼の特質だろう。
見どころ2:恭弥に託された責任と“覚悟”の共有
救出作戦が失敗に終わったことを知らされた恭弥。
それでも彼は即座に「一人でも行く」と言い切る。この瞬間、彼の中にあったのは戦況の分析ではなく、「仲間を見捨てない」という行動原理だった。
- 生還者はゼロ
- 救出の可能性は未知
- それでも行動しないという選択肢はなかった

「自分が行かなければ誰も助からない」そんな思いが、恭弥を突き動かしているのだろう。
一方、ラノックは「それは許可できない」と命じたかと思いきや、その裏で支援体制を整えていた。
恭弥の作戦には反対せず、万全のバックアップを用意していたラノック
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- 輸送機の手配
- 外人部隊12名の投入
- 装備一式を含めた支援物資の準備
この行動には二重の意図があるように思えた。まず、恭弥の性格を熟知していたからこそ、止めても意味がないと理解していた。

そのうえで、「どうせ行くなら、命を懸けて支える」そういう決意の現れだったのではないかと私は感じた。
ラノックにとってもこれは、単なる局地戦ではなく、政治生命を賭けた一手だったのだろう。
そしてさらに重要なのが、「アンヌのことをこうして守ってくれるというのなら君の力になろう」というラノックの台詞だ。
- 一見、感情的な父親としての発言に見えるが同時に、恭弥との信頼関係の再確認でもあった
- 今後起こるかもしれないアンヌのピンチにも、ラノックは支援を惜しまないと示唆していた

このやり取り全体からは、「命を懸ける覚悟」と「その覚悟を支える覚悟」が交差する、強い信頼の連鎖を感じた。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第158話
第158話では、作戦失敗の報せを受けた恭弥が、仲間たちを救出するために動き出す展開が描かれました。
ラノックの支援や神代の決意も含め、個々が持つ信念と忠義が交錯しながら、「誰が動くか」ではなく「誰が動かずにいられるか」が問われる回だったと感じます。
- 次回記事:159話:モンゴルに行く前に話しておきたい人物たち
- 前回記事:157話:恭弥、黒川の作戦を信じて待つ
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