※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第164話のネタバレを含みます。
前回までの第163話では、黒川が敵に捕まり、激しい拷問を受けている様子が描かれました。一方で恭弥たち外人部隊は森を進み、敵地の目前にまで迫ります。
そして第164話では、ついに作戦が始動。
当初は夜間奇襲を想定していましたが、拷問の悲鳴をきっかけに、恭弥は突入を前倒しする決断を下します。
さらに、部隊内の人間関係にも変化が見られ、ジェラールの内面の成長と覚悟がにじむ場面も印象的でした。
この記事では、そんな第164話の見どころを2つに絞って振り返っていきます。
見どころ1:夜間の奇襲を想定した慎重な作戦計画
敵拠点を前にした恭弥たちは、まず「夜の突入」を前提とした奇襲作戦を立てることになります。
双眼鏡で偵察した恭弥は、基地の構造がしっかりしていることを確認します。
- 建物はコンクリート製で5つ存在
- 見張りの視界を避けて侵入するには、後方の20メートルの崖を降りる以外に道はない
- 正面突破は不可能と判断
このように、状況を的確に把握した恭弥は、「日没まで待ってから崖を降りる」というプランを策定します。

この判断の背景には、夜間行動により敵からの視認リスクを最小化するという冷静な分析がありました。
少人数での成功率を高めるというよりも、あくまで敵から見つかりにくい時間帯を選ぶことに意味がある、という考え方が垣間見えます。
また、通信兵に対しては「衛星電話はなるべく使うな」と即座に指示を出すなど、敵に位置を知られる危険を徹底的に避ける配慮も印象的でした。

ここまでは徹底してリスクを排除しようとする恭弥の立ち回りが印象的です。
狙撃班の配置、通信手段の使用条件、そして突入順序まで明確に整理されたこの場面は、恭弥の指揮官としての力量がよく表れた一幕だったと思います。
見どころ2:計画を覆す突入決断と、ジェラールの変化
作戦の前倒しは、敵地から響いてきた拷問の悲鳴が引き金でした。
恭弥は当初、日が沈んでからの奇襲作戦を立てていましたが、人質の命が失われる危険を前にして、「死体を回収しに来たわけじゃない」と声を上げ、即時突入を決断します。
西恭弥「全てのリスクを背負ったうえで、今から作戦を開始する」
©Kakao piccoma Corp.
その一言に恭弥の覚悟がにじんでいました。

これまで慎重に計画を立てていたにもかかわらず、人命を最優先する判断に切り替えたことで、彼が本当に守りたいものが見えてきます。
そしてここで、意外な人物の変化も描かれます。
ジェラールが「自分も一緒に行く」と強く主張し、恭弥の静止を振り切って先発隊に加わる展開です。
- 昔、自分を認めなかった上官に対し、ジェラールは悔しさを抱えてきた
- その「上官」と似ている存在が、今の恭弥である
- 「今度こそ守りたい」と願うのは、傭兵時代の後悔もあるからだろう

このように、ジェラールの行動には過去と現在が交差する複雑な心情が表れていたように感じました。
それゆえに、ジェラールが作戦を失敗しないか心配にもなります。
- 突入するのは恭弥・ダエル・ジェラールの3人
- 新入りは崖を降りるだけで中には入らない
- 狙撃手には連射を禁止し、各自の判断で単発射撃を許可
このような指示の一つひとつに、指揮官としての判断力と、人を死なせたくないという恭弥の思いが込められているように思います。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第164話
救出を最優先に突入を決断した恭弥と、過去の後悔を背負って進むジェラールの姿が印象的な回でした。
慎重な作戦立案から一転、命を救うためにリスクを取る恭弥の判断には、指揮官としての責任と人間的な優しさの両面が見えました。
ジェラールの「一緒に行く」という申し出にも、過去の償いと恭弥への信頼が込められていたように感じます。
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