※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第179話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第178話では、鳥山から渡された資料が偽物であることが発覚し、恭弥が自宅でその事実に気づくシーンが描かれました。
一方で、恭弥の家族を守るために警護体制が強化され、ダエルとの再会も果たすなど、一時的な安堵も見られました。
今回の179話では、スミセンの中間報告から始まり、物語はふたたび裏社会と政治の暗闘へと戻っていきます。
敵である周防側の動きが本格化し、緊張感が高まっていくなかで、誰が次に動くのかが気になる展開となっています。
見どころ1:スミセンの中間報告と恭弥&ダエルのリアクション
スミセンからの中間報告は、少し肩透かしな内容でした。恭弥が「何か収穫があったのか?」と尋ねたところ、返ってきたのは女性関係の自慢話です。
スミセン「周坊の女と一通り会って、そのうちの一人とは最後まで」
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この時点で、任務に関する報告ではないと察した読者も多いと思います。
私としては、こうしたスミセンの軽さは場面の緊張を和らげる効果もあると感じました。
むしろ今回は、スミセンというキャラクターをあえて登場させたことで、今後何かが起こる前触れのようにも思えました。

読者に彼の存在を思い出させるための伏線なのかもしれません。
一方、恭弥とダエルの反応は見ていて爽快でした。恭弥は怒りを露わにし、ダエルもあきれていました。
西恭弥「あのヤロウ任務そっちのけで相当浮かれてやがった!」
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このセリフからも、恭弥の苛立ちがはっきり伝わってきます。
そのうえでダエルが「救いようのねぇクソ野郎っすね」と言い放つ場面には思わず笑ってしまいました。

しかし、彼の軽率な行動がどんな影響を及ぼすのか少し不安もあります。
見どころ2:周防裕三と角田の会話劇から見える“裏の政治戦”
清水グループの会長・周防裕三が激怒する場面から始まるこのシーンでは、政治と裏社会が深く絡み合っていることが伝わってきました。
鳥山が重傷を負った件について、佐古田側の対応に不満を爆発させます。
周防裕三「清水グループの秘書室長があんな目に遭ったんだぞ! それも彼の個人オフィスで!!」
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このセリフから、彼が自分の組織のメンツを何よりも重視していることがわかります。
私はこの場面で、周防という人物がどれだけ権力に執着し、自分の思い通りにならないと怒り狂う性格かを再認識しました。

その一方で、怒鳴れば全てが動くと思っているところが、むしろ小物感を強く印象づけていたようにも思います。
後半では、角田が中国との裏取引や総理大臣の動きなど、極秘情報を淡々と語ります。
沢村総理がモンゴルに特殊部隊を送ったことで、中国と進めていた計画が失敗したことが明らかになります。
角田「中国側の高位幹部と極秘に進めていたこちらの計画が失敗に終わったと…」
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こうした発言から、表向きには見えない水面下の政治工作がいかに複雑かを思い知らされました。
私はこの部分を読んで、ただの復讐劇ではなく、国家や大企業が絡んだ巨大な陰謀が動いていることを実感しました。
さらにラストでは、周防が「若い女性社員を部屋に寄こせ」と言い出し、その異常性が一層際立ちました。

この人物が単なる敵では済まされない、深い闇を持った存在であることを強く印象づける終わり方だったと思います。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド 第179話
第179話では、スミセンの軽妙な登場から始まり、後半では周防裕三と政治勢力との駆け引きが描かれました。
今回とくに印象に残ったのは、感情的に怒りをぶつける周防と、それを静かに受け流しつつも冷酷に計画を進める角田の対比です。
また、恭弥たちが動きを止めている一方で、敵側が着々と反撃の準備を進めていることも明らかになり、次回への不安を感じさせる内容でした。
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