※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第181話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第180話では、白井との進路の話や、ラノックからの突然の連絡、そしてホテルでの軽いハプニングなど、比較的穏やかな展開が続いていました。
しかし今回は、恭弥の置かれている状況が一気に「国際問題」へとシフトしていきます。
恭弥がいつも通りに振る舞っていても、その周囲では確実に大きな渦が巻き起こり始めている――。第181話は、その「変化の予兆」をはっきりと感じ取れる回でした。
見どころ1:研修生・杉田未央との偶然の出会いと、恭弥の優しさ
ネクサスホテルに到着した恭弥は、ラノックとの待ち合わせまでの時間をロビーで過ごしていました。
そこへ女性スタッフがコーヒーを持ってきたのですが、手元が狂い、彼の服にコーヒーをこぼしてしまいます。名札には「研修生 杉田未央」とあり、入って間もないことがわかります。
杉田未央「も…申し訳ございません!!」
私はこの場面を読んでいて、まるで現実に起こりそうな事故だからこそ、恭弥の対応が際立って見えました。

研修生を怒鳴るでもなく、むしろかばうような態度には、強さだけでなく柔らかさもあるのだと感じました。
周囲のスタッフが騒ぎ立て、男性スタッフが未央に謝罪を強要しようとしたとき、恭弥はきっぱりと制止します。
恭弥「こんなことで大騒ぎするならもう来ませんよ」
この言葉は、場をなだめるだけでなく、理不尽な空気を断ち切る強さがありました。恭弥にとっては「どうでもいいことで大事にされる」のは我慢ならなかったのでしょう。

未央にとっても、忘れられない出来事になったのではないでしょうか。相手に配慮しながらも、自分の意志をはっきりと伝える力を持っているのだと、改めて思いました。
見どころ2:ユニコーン計画の公表と、中国との国際問題
ネクサスホテルの1701号室でラノックと対面した恭弥は、まず悪い知らせを聞かされます。
それは、前回の作戦で死亡した特殊部隊員の遺体を中国が確保しており、彼らの写真を公開することで日本に抗議しようとしているというものでした。
ラノック「中国は彼らの身元がわかる写真を近いうちに大々的に報道し、日本政府に正式に抗議してくるだろう」

私はこの話を聞いたとき、思わず背筋が冷たくなるような感覚を覚えました。戦争の被害を外交の道具にするやり方に、強い違和感を感じました。
一方でラノックは、ヨーロッパ各国の支援を得て「ユニコーンプロジェクト」を日本で発表する計画を語ります。
それは、中国の報道を封じるための政治的な布石でもあり、恭弥にはその橋渡し役を任せたいという意向も示されました。
ラノック「各国の大物が集まる場所には当然、情報機関の担当者も集まる。そして彼らは日本の内閣情報調査室に協力を仰ぐはずだ。私はその前線に君を立たせたい」
この発言には、単なる協力依頼を超えて、恭弥に政治の最前線へ踏み込ませようとする強い意図があると感じました。

ラノックが信頼しているのは間違いありませんが、その分、恭弥の立場はますます複雑になっていくように思えました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド 第181話
第181話では、恭弥が研修生との小さな接触から、大使との大きな国際的な交渉まで幅広い場面に登場しました。
一見日常的なやりとりの裏側に、少しずつ緊張感が積み上がっていく展開が印象的でした。
私が特に印象に残ったのは、コーヒーをこぼした新人スタッフをかばう恭弥の姿です。
一方で、ラノックとの会話では、恭弥の立場が明確に「外交の駒」になりつつあることを強く感じさせられました。
自分の意志とは別のところで物事が動き出しているような流れに、不安を覚えた人も多いのではないでしょうか。
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