※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第186話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第185話では、ユニコーンプロジェクトの影響が日本国内にも波及し始める中、ダエルが突如として不動産購入を決意する場面がありました。一方で、恭弥はヨーロッパ関係者との接点が増え始め、外交的な役割を担い始めています。
そして今話では、社会の裏側で進む出来事に対し、恭弥がどう立ち回るかが一つの焦点となりました。周防の関与を疑わせるような抗議活動、そして土地を巡る不穏なやり取り。
表の世界と裏の世界が交錯するこの展開に、恭弥はどこまで冷静さを保てるのか注目したい一話です。
見どころ1:清水グループ女性社員の死と、抗議する遺族の姿
タクシーでの移動中、恭弥とダエルが目にしたのは、清水グループ本社の前で叫ぶ一人の男性の姿でした。
まるで日常に突然ねじ込まれた異物のような光景で、ダエルは彼が「娘を返せ」と訴えている遺族だと説明します。

ダエルの説明を聞いてすぐに、背景には周防がいると推測できました。事件として扱われないまま終わりそうな展開に、嫌な予感が募ります。
恭弥「周防が関わるとロクなことがねえな」
©Kakao piccoma Corp.
恭弥のこの一言が、すべてを物語っています。過去の経験から導かれた結論であり、彼の中で警戒心や怒りが確実に積み上がってきているのを感じました。
翌日、恭弥がそのニュースを検索しても、記事は一件も見つかりませんでした。検索結果がゼロという状況が逆に不自然で、何かの力が働いていることを想像させます。
恭弥「どうせ周防がその記事を下げさせたに違いねぇ」
©Kakao piccoma Corp.
報道を制御できる立場の人物が関与していれば、こういう情報のもみ消しは不可能ではない。ここでの恭弥の冷静さが逆に怖いんですよね。
感情的に叫ぶでもなく、ただ事実として理解して受け止める姿に「これは何かやる気だ」と感じました。全体としては静かなシーンなんですが、裏で何かが動いている予感が強く残る場面でした。
見どころ2:ダエルの土地購入が詐欺まがい!?暴力団と直接対面
ダエルが購入した土地を見に行くという流れで、恭弥と2人で現地へ向かった日曜日の朝。現地に到着してすぐ、土地には見慣れない旗がはためいていました。
そこに書かれていたのは「留置権 行使中」の文字。嫌な予感しかしない状況に、ダエルが慌てて業者に電話をかけます。
ダエル「もしもし!昨日、契約した須賀っすけど!! 留置権行使ってどういうことっすか?そんな話聞いてないっすよ!! こんなの詐欺だ!!」
©Kakao piccoma Corp.

この場面、ダエルが完全に引っかかってしまった感が強くて、思わず苦笑してしまいました。土地の現物確認をせず契約を進めた時点でかなり危うかったのですが、ここに来て一気に問題が噴き出しました。
普段は陽気なダエルが本気で焦っている様子から、事態の深刻さが伝わってきます。
さらに、プレハブ小屋から出てきたのは、見た目からしていかにもな強面の男たち。言葉遣いも明らかに普通ではなく、建築費2億円を払えと一方的に迫ってきます。
暴力団関係者であることをほのめかす中、場が荒れそうな空気の中で一番冷静だったのは恭弥でした。
恭弥「金なら腐るほどあるから一千万くらいどうってことねぇよ。ありがたく思うことだな。コイツが1千万に執着してたら、オマエら今日ここで死んでたぞ」
©Kakao piccoma Corp.
この発言が本当に印象的でした。威嚇ではなく、事実を淡々と突きつけるだけ。彼が戦闘でどれほどの実力を持っているか知っているからこそ、この言葉が虚勢ではないと感じられます。
そして今回はあえて手を出さずに退いたというのも意外でした。これまでの恭弥なら真っ向から制圧していてもおかしくない場面だったので、仲裁という役割を自ら選んだことに少し驚きました。

単にトラブルを回避しただけではなく「関わる価値すらない相手」と判断した上での撤退。この判断の早さと冷静さに、戦場帰りの感覚がまだ完全には抜けていないことを実感しました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第186話
第186話では、清水グループに関する不穏な噂と、ダエルが巻き込まれた不動産トラブルという、異なる方向からの緊張感が描かれていました。
特に恭弥の行動には、かつての傭兵としての視点と、現在の「日常に適応しようとする意識」の両方が見て取れます。
前半では、社会的に大きな力を持つ周防が、情報すら抑え込んでいる可能性に気づいた恭弥が、静かに警戒心を強めていきました。ここには、力を持つ者がやろうと思えば何でも隠せる構造があることへの暗黙の批判が読み取れます。
後半では、行き過ぎた楽観主義で突っ走るダエルと、事態を俯瞰して即時撤退を選んだ恭弥の対比が印象的でした。
戦闘能力だけでなく「手を引くタイミングを見極める判断力」こそが恭弥の強さであり、今回の一件でそれが改めて浮き彫りになったように感じます。
- 次回記事:187話:制服に別れを告げて
- 前回記事:185話:フランスルートでユニコーン会合に参加決定
- 総リンク:『ゴッドオブブラックフィールド』全ての感想記事リンク一覧
- 用語記事:登場人物・主要キャラ・用語まとめ