※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第190話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回のラストでは、恭弥がネクサスホテルでセルパン・ブニムーの構成員を発見する。杉田未央を狙う理由を探る中、驚くべき陰謀の気配が明らかになりつつありました。
今回の190話では、その謎の核心に一歩踏み込みます。爆薬C-4、1,300万ユーロ、そして「姉の死」。話が進んでいるように見えて、その実、背後では国家規模の計画が蠢いていました。
恭弥がその情報をどうさばき、どう動くのか。読むほどに、不穏な現実が顔を出してくる回です。
見どころ1:交渉材料としての「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」
ネクサスホテルのロビー。恭弥は、かつての因縁あるフランス系ギャング「セルパン・ブニムー」の男に真っ向から接触します。
そのとき彼が切った一手が、過去の約束。つまり、自分の名――かつて傭兵時代に名乗った「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」を提示して、相手に行動を強要するのです。
恭弥『オレの名前を言えば何でも頼みを一つ聞いてくれるとテメェらのボスが前に言っていた。ボスに連絡しろ』
©Kakao piccoma Corp.
このセリフ、かなり痺れました。かつて交わした言葉を、ここぞという場面で淡々と差し出す。
本人にとってはただの手段なのかもしれませんが、聞いているこちらとしては「そんなカードをここで切るとは…」と意外性を感じました。

名を名乗っただけで場の流れを変えるあたり、やはり只者じゃないですね。
そして当然というか、相手も素直には従いません。立ち上がると見せかけて、不意打ちを仕掛けてくるフィリップ。
しかし恭弥はそれを読みきっていて一瞬のうちに喉輪からの腹への一撃で、相手を完封してしまいます。
相手をまるで「ただの酔っぱらい」かのように扱いながら、そのまま部屋へ運んでしまう恭弥の動きには、手慣れたものがありました。

敵意や緊張を、冷静さで上書きしてしまうあの余裕。見慣れているはずなのに、やっぱり毎回スゴイと思わされます。
見どころ2:爆弾100ポンドと「姉の死」がつながる瞬間
セルパン・ブニムーのボスとの通話で明かされたのは、想像以上に重い内容でした。
周防がフランスのギャングに支払った金額は、なんと1,300万ユーロ。その見返りとして渡されたのがC-4爆薬100ポンド、日本円にして20億円以上、そして爆薬の量は約45キロ。
こんな規模の取り引きが、国内で密かに動いていたとは。
恭弥『まさかオマエたちが殺したのか?』
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この問いに対する返答もまた、重たさの極みでした。セルパン・ブニムーの関係者が現地に着いたときには、杉田未央の姉はすでに亡くなっていたというのです。
つまり、直接手を下したのは彼らではない。ここらへんは周坊自身が殺してしまった可能性も考えられます。
未央が語っていた「姉の無念」は、身内の不運なんかじゃなく、明確な力によって「消された」のではないかと。そして、その背景に動いていたのが、国家レベルでのテロ計画だったとすれば、抗議活動なんて本当に小さな、でも精いっぱいの抵抗だったのかもしれません。
さらに気になったのは、ボスがわざわざ「責任を問わないこと」を条件に情報を開示してきた点です。
セルパン・ブニムーのボス『今回の件に関して私たちに一切責任を問わないと約束してくれ』
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この言い回し、逃げの一手というより「逃げ道の確保」に見えました。

つまり、この件はまだ終わっていない。少なくとも彼らの中では、完全に処理しきれていない案件として残っている。恭弥にとっては、すでに時限爆弾を抱えた状態なんじゃないかと、そんな気がしてなりません。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第190話
今回明らかになったのは、杉田未央の姉の死と、周防が仕掛ける爆弾テロ計画の繋がりです。
セルパン・ブニムーとの関係も含め、事態はもはや個人の復讐では済まされない段階に入りつつあります。恭弥がこの状況をどこまで掌握し、先手を打てるかが今後の鍵となるでしょう。
情報戦と現場の両立を迫られる中で、誰が次の一手を打つのか、次回の展開次第で、大きく局面が動くかもしれません。
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