※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第191話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の190話では、恭弥がギャング組織セルパン・ブニムーのメンバーから爆弾C-4の存在を聞き出し、日本国内でのテロ計画が動き出していることが明らかになりました。
今回はその続きとして、2つの「見えない火種」が表に出始めます。
ひとつは、日本国内での爆破テロの可能性。そしてもうひとつは、恭弥の身体にまつわる秘密が海外へ漏れていたという新たなリスクです。
ラノックや黒川とのやり取りを通じて、登場人物たちの温度差や立場の違いも鮮明になり、物語はさらに複雑な局面へと進んでいきます。
見どころ1:姉が遺した“メモ”に込められた想いとは
杉田未央が語る姉の死の経緯は、見逃せない重さを持っていました。
彼女の姉は、清水グループの系列会社に就職した後、会長・周防の秘書に抜擢されます。そして、そのわずか一ヶ月後に命を落とすことになります。
杉田未央『お母さんと妹のために耐えるんだ。恐ろしいことを知ってしまった…そういう内容でした』
残されたメモの文面は、あまりにも切実でした。
誰にも言えない何かを抱えたまま、それでも家族のために耐えようとしていた彼女。その姿を思うと、胸の奥がきゅっと締め付けられます。

未央が「姉は絶対に自殺なんかしない」と言い切った気持ちが、嘘ではないと自然に伝わってきました。
一方、恭弥はこの話を聞きながら、姉の「童顔」だったという特徴に引っかかりを覚えます。
恭弥『キミみたいに童顔だったのかって聞いてるんだ』
過去の会話の中で、周防が小児性愛者であるという情報が明かされていました。
そう考えると、姉が秘書に選ばれた理由も、あまりにも嫌な形でつながってしまいます。

本人の能力や仕事ぶりとは関係のない、容姿だけを狙われた可能性が高い。それが彼女を追い詰めたのだとしたら、悲しすぎます。
恭弥はあえて真実を告げず、彼女を帰宅させますが、その言葉の一つひとつに優しさがにじんでいたように思います。
あの短いやりとりの中にも、彼なりの覚悟が見えていました。今後この事件がどう動くのか、目が離せません。
見どころ2:検体流出の余波と、すれ違う優先順位
今回の話では、恭弥とラノックの認識の違いが際立ちました。
恭弥が注視しているのは「C-4によるテロの危機」。それに対してラノックは、「恭弥=ブラックヘッドの関連情報がアメリカに漏れたこと」の方を問題視します。
ラノック『アメリカが知ったということはイギリスに知られるのも時間の問題だよ』
それって今言うべきこと?と突っ込みたくなりつつも、ラノックの立場を思えば理解できなくもありません。
外交や諜報の世界に身を置く彼にとって「情報の流出」は国家の力関係そのもの。

対して恭弥は、「テロで人が死ぬかもしれない」現実のほうを重く見ています。この温度差が浮き彫りになるやりとりでした。
そんな中、鍵を握っていたのが、なんと氷室先生。恭弥は過去に行った生体組織診断で、アメリカの研究所に検体が送られた可能性に思い当たります。
氷室仁『はい、ワシントンのサンプルトン研究所に送りました。世界で一番権威のある研究所なんです』
でもよく考えれば、氷室先生は恭弥が「転生者」だなんて知るよしもなく、ただ異常に早い回復力を「特異体質」として調べたかっただけなんですよね。
信頼できる機関に託す。それは医師として自然な判断だったのかもしれません。

とはいえ、恭弥にとってはこれがとんでもない導火線になってしまいました。この小さな行き違いが、今後どんな展開を呼ぶのか、思わず先が気になってしまいます。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第191話
未央の姉の死と、恭弥の検体流出――表と裏でまったく異なる火種が同時に動き出した回でした。
ラノックは国際問題を、恭弥は国内のテロリスクを重視しており、このすれ違いが今後の連携にも影響を与えそうです。
また、氷室が無意識に情報漏洩のきっかけを作っていた点も、今後の伏線として見逃せません。
次回、どちらの脅威が現実化するのかによって、物語の舵取りが大きく変わるかもしれませんね。
- 次回記事:192話:指揮継承に託された恭弥のもしもの備え
- 前回記事:190話:恭弥が暴いた周防の爆弾取引
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