※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第244話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、ラノックがスミセンを襲った犯人がイギリスSASであると明かし、その背後に国会議長の佐古田崇と弟・佐古田匠が関与していると伝えました。さらに次の行動として二人を排除する必要性を示し、恭弥は新たな標的を胸に刻みます。
そして今回は、ラノックが恭弥の「野生の勘」を評価しつつ、フランス傭兵の貸与を了承。二人の間で未来を託す約束が交わされ、恭弥の揺るがぬ信念が鮮明になります。
見どころ1:恭弥が貫く「誰も死なせない」信念
ラノックは次の標的として、国会議長の佐古田崇とその弟・佐古田匠の名を挙げます。彼らの計画はこれまで阻止してきたものの、依然として敵勢力は健在です。
さらにラノックは、科学では説明できない恭弥の「野生の勘」を大切にするよう助言します。
少し考え込んだ恭弥は、ラノックに「フランス傭兵を借りられるか」をたずねます。ラノックはその言葉を「戦う意志の表明」だと判断し、傭兵を貸すことの了承と、茶封筒に入った報告書を渡します。
そこには佐古田兄弟が現在、中国に滞在し、一週間以内に帰国する見込みであることが記されていました。
ラノックは冗談交じりに恭弥の影響力の大きさを語り、やがて話題は未来の約束へと移ります。ラノックは、自身に何かあった際には家族と祖国を守り、フランスで人材を育ててほしいと依頼します。
恭弥「約束します。ですが、その約束を果たす日は来ないでしょう。オレがいる限り大使が死ぬことはありませんから…絶対に」
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この力強い言葉にラノックは笑顔を見せます。そして別れ際、恭弥は逆に「大使の身に危険が迫った時は真っ先に自分を頼る」という約束を求め、ラノックもそれを受け入れました。

この場面で強く印象に残るのは、恭弥の「誰も死なせない」という揺るぎない信念です。
ラノックから未来の約束を求められた際、彼は即座に承諾しつつも、その約束が実行される状況を自ら否定しました。これは単なる自信や虚勢ではなく、自分の存在によって仲間や大切な人の命を守り抜くという覚悟の表れです。
実際に、恭弥はこれにまでに何度も似た言動を繰り返しています(勝つのはオレたちだし、誰も死なせない)。最近では、安西たちにもそのような思想を語りました(238話参照)。
さらに注目したいのは、ラノックに対して「危険な時は自分を頼る」と逆に約束を求めた点です。

自分が守りたい、そして守り切る自信があるからこそ「自分が全く関与しないままラノックが死ぬ」のが嫌だったのだと感じました。
見どころ2:安西たちの迷いなき参加表明
ネクサスホテルを後にしようとした恭弥の前に、神代光輝と松田が現れます。神代は食事に誘い、二人は人目につかない「みどり食堂」へ向かいました。
席に着くと、神代は意識が戻った五十嵐の件について切り出します。五十嵐は自分を襲ったのは外国人だと語っており、山本組の関与ではない可能性が浮上しました。
恭弥はその話から、以前倒したフランス人シャフランの件を思い出しますが、五十嵐とのつながりには疑問を抱きます。神代は背後に別の組織が関わっているかもしれないと恭弥に忠告するのでした。
その夜、恭弥は安西に連絡を取り、合流します。迎えに来た車には宇野と井川も同乗していました。
恭弥はこれから行う作戦の概要を説明し、敵地でのゲリラ戦になること、フランスからの支援はあるものの政府は公に認めないため、命の保証はないことを告げます。そして、参加は任意であることを強調する恭弥でしたが、安西は即座に返答します。
安西「ありがとうございます。命をかけて戦います」
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安西に続いて、宇野と井川も参加を申し出ます。すると恭弥は、まず全員にテストを受けてもらい、その結果しだいでは訓練組に回ってもらうと条件を伝えるのでした。

この場面で注目したいのは、五十嵐襲撃事件の犯人像が「外国人」である可能性が示された点です。
これまで山本組が関与していると考えられていた流れが一転し、背後に別の組織が潜んでいることをほのめかしています。
シャフランの件を知る恭弥にとっても、思い当たる節がありながらもなぜ襲撃されたのか確信には至れません。この小さな伏線が、今後どのような形で真相が明らかになるのか、気になるところです。
一方、作戦説明の場面では、安西たちの迷いのない即答が印象的でした。
これまでの言動を振り返れば、危険を伴う場面でも恭弥に従ってきた彼らにとって、この反応はある意味当然とも言えます。

むしろ、再び恭弥と肩を並べて戦いたいという強い気持ちが、その即答を自然に引き出したのかもしれません。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第244話
- ラノックが次の標的として佐古田兄弟の名を挙げる
- ラノックから「野生の勘」を大切にするよう助言を受ける
- フランス傭兵の貸与を求め戦う意思を示す恭弥
- 報告書で佐古田兄弟の中国滞在と帰国予定が判明
- ラノックが将来の守護と人材育成を恭弥に依頼する
- 恭弥は「誰も死なせない」信念を改めて示す
- 五十嵐襲撃犯が外国人である可能性が浮上する
- 安西たちが即答で作戦参加を申し出る姿が印象的