※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第249話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、訓練場での理不尽な扱いを受けた恭弥が一度は部隊を離れますが、煉谷や黒川らの行動に心を動かされ、戻る決意をしました。そして、自らの力を正面から証明することにします。
そして今回は、恭弥が提示した条件をもとに模擬戦の舞台が整い、ついに実戦さながらの訓練が始まろうとします。果たして彼の狙いはどこにあるのか、注目の展開へと進んでいきます。
見どころ1:恭弥が「後ろ盾」を拒む理由
海鮮鍋の店では、恭弥を中心に煉谷、黒川、京極らが同席していました。恭弥は仲間たちの行動に心を動かされた結果、再び部隊に戻り恭弥の実力を示す決意を伝えます。
ただしその条件として、負傷している煉谷と黒川に病院で治療を受けるよう求めました。煉谷は自分も同行したいと主張しますが、後ろ盾を借りて戻ったと見られることを避けたいと恭弥は考え、同行には断りをいれます。
そのうえで恭弥は「分隊の連携を示すために腕の立つ戦闘員を追加してほしい」と依頼しました。この要望に対して、京極が岩田の合流を提案し、話はまとまりました。
そして、黒川も病院に帰ることを受け入れますが、去る前に西郷へ連絡を入れると申し出ます。
黒川「模擬戦が円滑に進むようにひとこと言うだけですよ」
©Kakao piccoma Corp.
恭弥は一度は反対しますが、煉谷の後押しもあり、しぶしぶ了承するのでした。

このシーンで際立つのは、恭弥の「後ろ盾を嫌う」姿勢です。
煉谷や黒川のような実力者を背後に置けば、その存在だけで恭弥の立場は強まります。ところが恭弥は、それを受け入れませんでした。なぜなら、他人の力を借りて戻ったと思われることを強く嫌ったからです。
彼は周囲からの信頼を当てにせず、あくまで自分の力だけで挑もうとしました。それだけ自分の実力に自信があったとも言えるでしょう。
一方で注目すべきなのは黒川の判断です。彼は恭弥の意志を尊重しながらも、相手に不要な誤解を与えないよう配慮しました。そのために事前に西郷へ一報を入ると申し出ます。
ここでは、正面から挑もうとする恭弥と、それを支える黒川の姿が対照的に描かれています。恭弥のやり方は実力に裏打ちされているため、結果的に成功に結びつく可能性が高いでしょう。しかし、そのままでは周囲との摩擦を生む恐れがあります。
だからこそ、黒川が前もって動くことで角を立てずに済むのです。恭弥が前進する姿勢と、黒川の冷静なサポート。この二つがかみ合うことで、場面全体がより現実的で説得力のあるものになっています。
見どころ2:教育としての模擬戦、恭弥の狙い
午後、訓練場の駐車場に岩田が到着し、恭弥たちと合流しました。その後、野戦指揮所から西郷が姿を現し、黒川から事情を聞いていると告げます。恭弥はその態度に不快感を覚えながらも、模擬戦の条件を提示します。
西郷は当初、7人同士での対戦を提案しました。しかし恭弥は部隊全員を相手にすることを望み、結果として52人を敵に回す形になります。戦場は市街地を模した訓練施設に決まり、ミッションは要人暗殺として設定されました。
さらに、西郷が要人役を引き受け、1時間以内に暗殺が成功すれば攻撃側の勝利、逆に要人が生き残れば防衛側の勝利という条件が整えられました。恭弥は不利を承知のうえで挑戦を受け入れます。
夕方になると、兵舎で恭弥たちは迷彩服に着替え、装備を整えました。京極から訓練用装備「バトラー」の説明を受けたのち、作戦の確認が始まります。
恭弥「ただ勝つだけでは物足りません。ですので、1階の正面玄関から侵入し、一人残らず全滅させます」
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本来は暗殺を目的とする任務ですが、恭弥はあえて正面からの殲滅戦を選びました。そして仲間たちもその方針を受け入れます。
こうして準備が整い、やがて訓練開始の合図が鳴り響き、模擬戦が始まろうとしていました。

このシーンで注目すべきは、恭弥があえて圧倒的不利な条件を選んだことです。
相手の人数は52人、自分たちはわずか7人。さらに勝利条件も攻撃側にとって厳しく設定されています。それでも恭弥は不利を承知のうえで、模擬戦をしようとします。
この提案には、ただ勝てばいいという発想ではなく、圧倒的な力を示すことで相手に実力差を刻みつける狙いが感じられます。
一方で、この選択は戦術的というより教育的な側面が強いとも言えます。新兵たちの生意気な態度を正すと同時に、「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」と呼ばれた自らの戦いを見せつけることで、部隊全体に本物の実力とは何かを理解させる狙いがあるように見えます。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第249話
- 恭弥は仲間の行動に心を動かされ再び部隊へ戻る決意を固めた
- 条件として煉谷と黒川には病院で治療をするようお願いする
- 煉谷は同行を望んだが恭弥は後ろ盾は不要という意志を伝える
- 黒川は恭弥を尊重しつつも、西郷へ連絡して誤解が起きないようにした
- 正面から挑む恭弥と調整役の黒川が対照的に描かれた
- 訓練場で西郷が模擬戦の条件を提示し、恭弥は全員参加を要求した
- 「7人 対 52人」という圧倒的不利な条件を恭弥は選んだ
- ただの勝利よりも圧勝を目的に「G・O・B」の戦い方を示そうとした
- 前回記事:248話:黒川が隊員無視の責任を追及する
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