※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第255話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が隊員たちに実弾を用いた過酷な訓練を示し、参加するかどうかを選ばせました。西郷は危険性を懸念しつつも、最終的には恭弥の方針を受け入れる姿を見せました。
そして今回は、志願した隊員たちを前に恭弥が改めて覚悟を語り、攻撃班と防衛班に分かれた実戦形式の訓練が本格的に始まります。どのような仲間が残るのか、その第一歩が描かれる回となっています。
見どころ1:仲間を死なせないという揺るがぬポリシー
恭弥は隊員たちの前で、仲間に求める資質を語りました。そして、志願する者は一歩前へ出るよう促します。最初にダエルが進み出て、その後に安西や宇野、井上が続きます。岩田も渋々ながら加わり、さらに京極も興味を示して参加を表明しました。
恭弥は、命を懸けてまで訓練を受けるべきかと疑問を抱く者がいることを理解していました。しかし、それでも生還できる兵になるためには必要だと語ります。成瀬は「この訓練を乗り越えれば恭弥のようになれるか」と問いかけましたが、恭弥はそれを否定しました。
ただし代わりに「オレ以外の誰にも負けなくなる」と断言します。その答えに隊員たちは息をのみ、決意をします。その後、恭弥は仲間に向けて自らの覚悟を言葉にしました。
恭弥「それからオレはいつだってオマエらの味方だ。だからオマエらは死なない。どこでいつ誰と戦おうが・・・勝つのはオレたちだ」
©Kakao piccoma Corp.
この宣言に影響を受け、成瀬を皮切りに隊員たちは次々と志願の意思を示しました。勢いに押された西郷は、銃や防弾装備の用意を命じ、さらに医療チームの待機まで指示しました。そして隊員たちに「誰も死ぬな」と強く言い聞かせ、実弾訓練に挑む準備を整えたのでした。

このシーンで印象的なのは、恭弥が仲間に向けて「必ず生きて帰る」という強い信念を示した点です。
彼は自分の力を誇示するのではなく、仲間を守り抜くことを前提に話しています。だからこそ、その言葉には説得力があり、隊員たちの心を奮い立たせたのだと思います。
また、訓練に挑む隊員たちは不安を抱えながらも、恭弥の断言に支えられて一歩を踏み出しました。厳しい環境でも「共に生き残る」という方針が示されることで、恐怖心が次第に団結心へと変わっていく様子が伝わってきます。
仲間を死なせないという恭弥の姿勢は、この作品を通じて一貫している恭弥のポリシーとなっています。
見どころ2:選抜から育成へ変わる視点
午前中、訓練場のグラウンドに隊員たちが迷彩服と実弾銃を持って整列しました。恭弥は班を分け、自分とダエルが率いる攻撃班と、京極や岩田が指揮する防衛班に振り分けます。攻撃班の目標は防衛班の全滅、防衛班は攻撃班を阻止することとされました。
京極からは時間制限を設けてはどうかという提案がありました。しかし、恭弥は「訓練の目的上、時間制限は設けない」とし、その代わりに「生存者が12人になった時点で終了」と定めます。
さらに一発も撃たなかった者は脱落とし、戦闘に参加しない姿勢を厳しく排除しました。その後、防衛班が先に移動し、攻撃班は短い休憩に入ります。
休憩中、ダエルがコーヒーを差し出し、恭弥はそれを受け取りました。傭兵時代を思い出すようなやり取りを交わすなかで、恭弥は固まった様子の隊員たちを見渡し、仲間となるための条件を告げました。
恭弥「他のヤツより早く恐怖に打ち勝ち、実戦に適応できたヤツだけが最終的にオレたちの仲間になるだろう」
©Kakao piccoma Corp.
その一言は、これから始まる実弾訓練の厳しさと、仲間に求められる覚悟をはっきりと示すものとなっていました。

この場面から伝わるのは、恭弥の考え方が単なる「選抜」だけにとどまらなくなっている点です。
本来は過酷な訓練を通じて一緒に戦う人間を見極めるのが目的だったはずですが、今では訓練そのものによって隊員たちを育てる意識が強くなっているように見えます。
また、恭弥の基準に達している人間は現状ではいないと言えます。しかし、彼はその厳しい現実を受け入れつつも、今回の訓練を経ることで何人かが変わる可能性に期待しているようでした。
仲間を「すでに備わっている力」で選ぶのではなく、「訓練を通じて成長し得る存在」として見る姿勢は、転生前の傭兵時代に新兵を鍛えてきた経験が今も生きているのだと感じます。その経験があるからこそ、恭弥は隊員たちの可能性を信じ、厳しい環境に放つことができるのでしょう。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第255話
- ダエルが一番に訓練参加を表明し、やっぱり頼れる相棒って感じだった
- 成瀬の素直な質問に恭弥が答えて、みんなの覚悟が引き出された
- 「仲間を死なせない」っていう信念がこの回でもしっかり伝わった
- 西郷が医療班まで準備して、本気度の高さがうかがえた
- 攻撃班と防衛班に分かれて、いよいよ模擬戦が始まるワクワク感があった
- 一発も撃たないと脱落という、実弾使用ゆえの厳しいルールが追加された
- 恭弥の「恐怖を超えてこそ仲間」っていう言葉に可能性が見えた
- 次回記事:256話:時間も場所も支配する恭弥
- 前回記事:254話:実弾を使う攻防訓練を宣言する恭弥の方針
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