※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第259話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、京極が策を練って防衛班を追い詰めようとしましたが、ダエルの機転によって作戦は見抜かれ、激しい銃撃戦の末に京極たちは追い詰められてしまいました。最後はダエルが京極に銃を突きつけ、勝敗が決したところで訓練終了のサイレンが鳴り響きます。
そして今回は、訓練を終えた恭弥が隊員の疲労を考慮して中断を決断し、指揮官としての冷静さを示します。その後、ラノックから緊急の連絡が入り、フランスとイギリスを巡る大きな戦いへと展開していく流れとなりました。
見どころ1:死と隣り合わせの訓練に見るバランス感覚
午前中の訓練では、攻撃班のダエルが引き金を引こうとした瞬間にサイレンが鳴り、演習の終了が告げられました。
直前まで張り詰めていた緊張感が解け、京極や岩田とのやり取りが続く中、ダエルがくしゃみに苦しむ姿が描かれます。圧倒的なカリスマを示していた直後に見せた人間らしい一面は、周囲に大きな落差を感じさせる印象的な場面でした。
兵舎前に戻ると、訓練が中断された理由が明かされます。
恭弥「はい、隊員たちの疲れが限界に達したようだったので、体力的にも精神的にも・・・2時間ほどこのまま続けたら死者が出ると判断し休憩を挟むことにしたんです」
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恭弥は隊員たちの疲労が限界に達していることを察知し、続行すれば死者が出る危険があると判断して休憩を挟んだのです。その判断に対し、京極は「いい判断だ」と評価します。
そこへ西郷が現れ、死者は出ていないものの負傷者が多いことを報告します。その言葉に京極は表情を曇らせますが、恭弥は休憩後に訓練を再開し、どちらかが勝つまで続ける意志を示しました。
実戦の多くは夜間に行われるため、暗闇での戦闘を想定する必要があるという恭弥の考えには説得力がありました。最後に、西郷が「腹が減っては戦はできない」と食事を提案し、一行は次の戦いに備えて移動する流れとなったのでした。

この場面で目を引いたのは、恭弥の判断に表れた独特のバランス感覚です。
実弾を使った訓練は常に危険が伴いますが、死者が出そうな状況に至ったときには無理をさせず休憩を入れるという冷静さを見せました。
しかし一方で、訓練を完全に終わらせるのではなく、夜間を想定した再開を選びます。暗闇での戦闘はさらにリスクが高まりますが、それでも実戦を意識した鍛錬が必要だと考えたのです。
危険を避けるだけではなく、必要な場面ではあえて困難に挑ませる。この両面を持つ姿勢に、恭弥らしい判断のバランス感覚が見えました。
見どころ2:実戦経験を積ませるための挑戦
食事に向かう途中、恭弥のスマホにラノックからの電話が入ります。午前中連絡が取れなかったことを気にかけたラノックは、続けて重大な情報を告げました。
それはイギリスが奇襲を準備しているというもので、フランス外人部隊による先制攻撃の指揮を恭弥に依頼したのです。出発は二日後の明け方に迫っており、失敗すればフランスは甚大な被害を受けると警告されました。
恭弥は依頼を受ける代わりに、自らも条件を提示します。前回のモンゴル作戦で受けた恩を返すため、自分たちの部隊も参戦させたいと伝えました。
恭弥「今回の作戦の後方支援にうちの特殊部隊を連れて行くことを許可してください」
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ラノックは危険性を理由に強く反対しましたが、恭弥の真剣な思いに折れ、最終的には武器や輸送機の手配を約束しました。
電話を終えた恭弥は西郷と京極に午後の訓練の中止を伝え、隊員の中から8人を選抜して作戦に同行させると宣言します。突然の展開に西郷は驚きを隠せませんでしたが、京極は政府が黙認するだろうと冷静に判断するのでした。

この場面で注目したいのは、恭弥が依頼を受けると同時に「仲間を連れて行くこと」を条件にした点です。
フランス外人部隊の指揮を任されるというのは非常に大きな責任であり、同時に命の危険が一層増す決断でもあります。恭弥がこの条件を出した背景には、隊員たちに唯一欠けている実戦経験を積ませたいという強い思いがありました。
この作戦を生き抜いた者は、確かな実力を得て、将来的に恭弥たちの背中を預けられる存在へと近づくはずです。その一方で、死者が出る可能性も高く、危険と成長の両方を孕んだ選択となりました。
仲間を鍛え、共に戦う未来を見据える恭弥の思惑が見えました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第259話
- 死者を出さないための休憩判断にリーダーらしさが見えた
- 夜間を想定した訓練再開に実戦意識の高さが表れていた
- 西郷の報告で訓練の厳しさと現実感が強調されていた
- ラノックからの電話で国際的な展開が急に動き出した
- 仲間を連れて行く条件提示に恭弥の責任感がにじんでいた
- 隊員に実戦経験を積ませ未来の戦友へ育てたい思いがあった
- 次回記事:260話:成瀬が隊員選抜を一任され覚悟を決める
- 前回記事:258話:ダエルが敵の退却に潜む違和感を見抜く
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