※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第299話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥とラノックの仲裁により、中国側が許克を処刑し、黒川がその場に立ち会う形で事態が収束しました。あわせてラノックが恭弥の後見人を名乗り出るなど、表向きは整理されたように見える流れでした。
そして今回は、その処理を受けて日本政府内での判断が描かれます。敵勢力をまとめて排除できる可能性が浮上する中で、首相はあえてその道を選ばず、恭弥の動向を含めて慎重に次の判断を探っていく回となっています。
見どころ1:一網打尽を拒んだ首相の判断
黒川の目の前で許克(シュー・クー)の処刑が行われた後、楊帆(ヤン・ファン)は日本に対して何らかの「提案」を用意していると言います。
黒川は自らに決定権がないことを理由に即答を避け、大使館を出るとすぐ政府へ連絡し、予想外の展開になったことを報告します。
一方、国会議事堂にいる国会議長・佐古田崇(さこた たけし)は、中国が自分を全面的に支援していると信じ切ったまま、計画を進めようとします。
西恭弥が謝罪を拒否したという報告を受けても方針は変わらず、中国の動きを好意的に受け取り、自身を中心にした勢力が優位に立つ未来を疑っていません。
楠木は、中国側の動きと佐古田崇の認識のズレを利用し、相手が事態に気づかないうちに佐古田崇率いる勢力を罠にはめ、一網打尽にするべきだと主張します。
しかし沢村首相は、そのやり方に強い懸念を示します。
たとえ敵勢力であっても、罠にかけて失脚させる手段そのものが問題であり、さらにその引き金が中国の提案であった場合、国会議長が「中国の罠に落ちた」という形で逮捕されることになります。
それは政局上の勝利である以前に、国民の誇りや国家の体面に深刻な影響を与えかねないと、沢村は重く受け止めていました。
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沢村首相は、政権運営よりも国家としての在り方を優先する判断を下し、西恭弥の動向を確認しながら、次の一手を見極めようとするのでした。
この一連の流れで印象に残るのは、沢村首相が「勝てる可能性」よりも「やり方」を強く意識している点です。
楠木の考えは合理的で、佐古田崇が状況を誤認している今こそ動くべきだという判断にも一理あります。
ただ、沢村はそれを「政敵を倒す好機」として割り切ることができず、国家として踏み越えてはいけない線を意識しているように見えました。。
このタイミングで首相が西恭弥の所在を確認したことも意味深です。
すぐに結論を出さず、最終判断の前に恭弥の考えを聞こうとしている姿勢からは、彼を単なる戦力ではなく、判断材料の一つとして重く見ている様子が伝わってきました。
見どころ2:納得しきれない恭弥の直感
昼のネクサスホテルのロビーで、恭弥とダエルは許克がすでに処刑されたという事実を共有します。
黒川が中国大使館まで足を運んだ経緯から考えても、その結末は避けられなかったものだと、恭弥は冷静に受け止めていました。
一件は片付いたように見えますが、恭弥の中では素直に納得できない感覚が残っています。
特に引っかかっているのは、中国側の不可解な動きと、ラノックが突然後見人を名乗り出た点です。
状況は落ち着いたはずなのに、裏では別の力が動いているのではないかという違和感が、恭弥の思考を離れません。
恭弥「ああ、ひとまず片付いたがオレの知らない何かがある気がしてならねぇ。ラノックが急にオレの後見人を名乗り出たのも引っかかる・・・」
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一方のダエルは、許克が殺されたことで恭弥自身の手を汚さずに済んだ点を前向きに捉え、深く考えすぎないよう声をかけます。
そんな中、黒川から恭弥に電話が入ります。中国大使館での件を踏まえたうえで、黒川は恭弥に対し、今すぐ事務所まで来てほしいと要請します。
特に予定がなかった恭弥はその呼び出しを受け入れ、ダエルと共に席を立ちます。
物事が収束したように見えた直後に、次の局面へと話が進み始めた場面でした。
このシーンで印象的なのは、許克の件が一応の決着を迎えたにもかかわらず、恭弥の中でまったく区切りがついていない点です。結果だけを見れば事態は収束していますが、彼はその裏にある力の動きや意図を無視できず、納得しきれないまま違和感を抱え続けています。
このやり取りからは、恭弥が状況を「終わった出来事」として処理していないことが伝わってきます。
中国側の動きや、ラノックが後見人を名乗り出たタイミングを結びつけて考えている様子から、表に出ていない話がまだ残っていると感じ取っているように見えました。
このタイミングで黒川から即座に呼び出しが入る展開も意味深です。
事務所に向かうという流れはこれまで通りで自然ですが、話の流れから実は首相が事務所で待ってそうだ思ってしまいます。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第299話
- 中国側は許克処刑後、日本に対して何か提案がある様子を見せる
- 黒川は即断を避け、想定外の事態として政府に報告する
- 佐古田崇は状況を誤認したまま、中国の全面支援を信じて動き続けている
- 楠木はその認識のズレを利用し、敵勢力を一気に排除しようと考える
- 沢村首相は、罠にかける手法そのものが国の在り方を損なうと判断した
- 首相は最終決断を急がず、西恭弥の考えを確認しようとしている
- 恭弥は許克の件に決着がついたにもかかわらず、強い違和感を抱え続けている
- 黒川からの呼び出しによって、物語は次の局面へと進み始めた
- 前回記事:298話:中国が許克を切り捨てた理由
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