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アクリルとポリエステルの違いとは?暖かさ・毛玉・静電気・選び方を比較

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アクリルとポリエステルの違いを表したアイキャッチ画像

アクリルとポリエステルは、どちらも衣類や毛布などでよく使われる合成繊維です。

似た場面で使われることも多いため、素材表示を見て「どちらの方が暖かい?」「毛玉や静電気は?」「セーターやマフラーならどちらを選べばいい?」と迷うこともあるでしょう。

大まかにいえば、アクリルはふっくらとした風合いや暖かさを生かした製品に使われやすく、ポリエステルは丈夫さや乾きやすさを生かした製品に向いています。

ただし、アクリルなら必ず暖かい、ポリエステルなら毛玉ができない、といった単純な違いではありません。

実際の着心地や暖かさ、毛玉のできやすさなどは、素材だけでなく、糸や生地の構造、厚み、起毛、使用される繊維の割合、加工などによっても変わります。

この記事では、アクリルとポリエステルの基本的な違いから、暖かさ・肌触り・毛玉・静電気・乾きやすさ・丈夫さまで比較します。

さらに、セーター・マフラー・毛布などを選ぶときに、どちらを候補にすればよいのかも見ていきましょう。

目次

アクリルとポリエステルの違いを比較

アクリルとポリエステルはどちらも合成繊維ですが、それぞれ得意とする特徴が異なります。

まずは主な違いを比較してみましょう。

比較アクリルポリエステル
種類合成繊維合成繊維
風合いふっくらしたウール風加工で多様な風合い
暖かさ暖かさを重視する製品に使われやすい生地の厚みや構造などによって変わる
毛玉できることがあるできることがある
静電気起こることがある起こることがある
速乾性比較的乾きやすい乾きやすさに優れる
丈夫さ比較的丈夫丈夫さに優れる
主な用途セーター、毛布、毛糸など衣類・スポーツウェア・寝具など

大まかな選び方としては、ふっくらした風合いや冬物らしい暖かさを重視するならアクリル、丈夫さや乾きやすさを重視するならポリエステルが候補になります。

ただし、完成した製品の性能は素材名だけでは決まりません。

たとえば毛布なら、アクリルかポリエステルかだけでなく、生地の厚みや起毛の仕方などによっても暖かさは変わります。

素材の特徴は選ぶときの目安として考え、実際の商品では生地の作りや素材の割合なども合わせて確認するとよいでしょう。

アクリルとは

アクリルは、アクリロニトリルを主成分とする合成繊維です。

合成繊維の中でもウールに似た風合いを出しやすく、ふっくらとかさ高くできるのが特徴です。

そのため、セーターなどの衣類だけでなく、毛布や寝具、毛糸といった、柔らかさや暖かさが求められる製品にも使われています。

一方で、製品によっては毛玉や静電気が気になることもあります。

ポリエステルとは

ポリエステルも代表的な合成繊維の一つで、衣類から寝具まで非常に幅広く使われています。

一般的には丈夫で型崩れしにくく、水分を含みにくいため乾きやすいことが特徴です。

また、繊維の細さや形、加工方法などによって風合いや機能を変えやすいため、普段着だけでなくスポーツウェアなどにも多く使われています。

アクリルと比べると丈夫さや乾きやすさを生かしやすい素材ですが、毛玉や静電気が起こらないわけではありません。

出典:日本化学繊維協会「化学繊維の種類」

ここからは、実際に素材を選ぶときに気になりやすいポイントを詳しく比較していきます。

暖かさ・肌触り・毛玉など6つの違い

アクリルとポリエステルでは、暖かさや肌触りだけでなく、毛玉・静電気・乾きやすさ・丈夫さにも違いがあります。

ただし、どの項目も素材名だけで完全に決まるわけではありません。

特に毛玉や静電気は、糸や生地の作り方、着合わせ、使用環境などにも左右されます。

暖かいのはどっち?

暖かさを重視する製品では、アクリルが使われることが多いです。

アクリルは軽く、ふっくらとかさ高くしやすい繊維で、ウールに似た風合いを出しやすいため、セーターや毛布などの冬物にもよく使われています。

ただし、アクリル製品なら必ずポリエステル製品より暖かいわけではありません。

衣類や毛布の暖かさには、繊維の間にどれだけ空気を含められるかも関係します。

そのため、生地の厚み・編み方・織り方・起毛の有無などによっても保温性は変わります。

ポリエステルでも、厚手にしたり起毛させたりすることで暖かい製品を作ることは可能です。

アクリルとポリエステルの暖かさは素材だけでなく厚みや起毛などでも変わることを示した図

素材だけで判断するならアクリルが暖かさを重視した製品の候補になりやすいものの、実際の商品では生地の厚みや構造まで確認するとよいでしょう。

出典:
ボーケン「アクリル、モダクリルについて」
ボーケン「保温性(JIS L 1096/サーモラボⅡ試験機を用いた方法)」

肌触りはどう違う?

アクリルは、ふっくらとして柔らかく、ウールに似た風合いを出しやすいのが特徴です。

そのため、セーター・マフラー・毛布など、柔らかな触り心地を生かした製品によく使われています。

一方のポリエステルは、製造方法や繊維の細さ、加工によって風合いを大きく変えられる素材です。

さらっとしたスポーツウェアもあれば、フリースのように柔らかく起毛した製品もあります。

そのため、「肌触りなら必ずアクリルの方がよい」とは限りません。

アクリルはふっくらした風合いを得意とする一方、ポリエステルは製品による違いが大きいと考えると分かりやすいでしょう。

毛玉ができやすいのはどっち?

毛玉はアクリルで気になることが多いものの、ポリエステルにもできます。

毛玉は、生地の表面が摩擦によって毛羽立ち、その繊維同士が絡み合うことで発生します。

アクリルはセーターなどのニット製品にも多く使われているため、着用中の摩擦によって毛玉が目立つことがあります。

一方、ポリエステルも毛玉ができない素材ではありません。

ポリエステルやアクリルなどの合成繊維は繊維が比較的強いため、できた毛玉がちぎれず、生地表面に残る場合があります。

また、毛玉のできやすさは素材だけでなく、糸の作り方・編み方・ほかの繊維との組み合わせ・摩擦の強さなどにも左右されます。

そのため、「アクリルだから毛玉ができる」「ポリエステルなら毛玉ができない」と素材名だけで判断しない方がよいでしょう。

出典:ボーケン「ピリング試験(JIS L 1076)」

静電気が起きやすいのはどっち?

アクリルとポリエステルは、どちらも静電気が気になることのある素材です。

静電気は、異なる素材同士が触れたり擦れたりしたときに発生します。

また、空気が乾燥しているほど電気が逃げにくくなるため、冬場は特に起こりやすくなります。

そのため、「アクリルとポリエステルのどちらが必ず静電気を起こしやすい」と単純に決めるのは適切ではありません。

実際には、

  • 一緒に着る衣類の素材
  • 空気の湿度
  • 生地表面の状態
  • 帯電防止加工の有無

などでも変わります。

静電気が気になる場合は、素材名だけを見るのではなく、重ね着する衣類との組み合わせや帯電防止加工なども確認するとよいでしょう。

出典:ニッセンケン「第68回:テキスタイルと静電気に関する性質」

乾きやすいのはどっち?

乾きやすさでは、一般にポリエステルが得意です。

ポリエステルは繊維自体が水分を抱え込みにくいため、洗濯後や汗をかいた後でも比較的乾きやすく、スポーツウェアなどにも広く使われています。

アクリルも吸湿性が高い繊維ではないため比較的乾きやすい素材ですが、乾きやすさを重視するならポリエステルが候補になりやすいでしょう。

ここで注意したいのが、「吸湿」「吸水」「速乾」は同じ意味ではないことです。

吸湿・吸水・速乾の違い
  • 吸湿:空気中の湿気を取り込む性質
  • 吸水:液体の水を取り込む性質
  • 速乾:含んだ水分が乾く速さ

ポリエステルには、繊維の形や生地構造を工夫して汗などの水分を吸い上げ、乾きやすくした製品もあります。

そのため、実際の衣類では「ポリエステルだから水をまったく吸わない」と考えるのではなく、製品の加工や機能も合わせて見るのが適切です。

出典:
ニッセンケン「第90回:『繊維編』その1」
QTEC「吸水性(JIS L 1907)」
QTEC「速乾性(ISO 17617 A-1法/A-2法/拡散性残留水分率)」

丈夫なのはどっち?

丈夫さでは、一般にポリエステルが得意です。

ポリエステルは強度や摩耗への耐性に優れ、濡れても強度が低下しにくく、形が安定しやすい素材として幅広い衣類に使われています。

アクリルも衣類や寝具として十分に使える耐久性がありますが、比較すると、丈夫さや形の安定性を重視する用途ではポリエステルが候補になりやすいでしょう。

ただし、ここでも素材名だけで製品の寿命が決まるわけではありません。

生地の厚みや編み方、縫製、使用頻度などによっても傷み方は変わるため、「ポリエステルなら必ずアクリルより長持ちする」とまではいえません。

大まかには、暖かさやふっくらした風合いならアクリル、乾きやすさや丈夫さならポリエステルが得意と覚えておくと、素材を選ぶときの目安になります。

出典:ニッセンケン「第90回:『繊維編』その1」

セーター・マフラー・毛布ならどちらを選ぶ?

アクリルとポリエステルのどちらが向いているかは、何に使うかによって変わります。

同じ衣類や寝具でも、暖かさを優先するのか、乾きやすさや丈夫さを優先するのかで選び方が変わるためです。

ここでは、セーター・マフラー・毛布・毛糸を例に見ていきます。

セーターなら

セーターでは、ふっくらした風合いや冬物らしい暖かさを重視するなら、アクリルが候補になりやすいです。

アクリルはウールに似た風合いを出しやすく、ニット製品にも多く使われています。

セーターとカーディガン自体の違いや、ニットとの関係については、「セーターとカーディガンの違い」でも詳しく紹介しています。

一方、丈夫さや乾きやすさ、形の安定性を重視する場合は、ポリエステルが使われている製品も選択肢になります。

実際のセーターではアクリル100%やポリエステル100%だけでなく、ほかの繊維と組み合わせたものも少なくありません。

そのため、素材名だけで決めるのではなく、風合い・厚み・素材の割合なども合わせて確認すると選びやすくなります。

マフラーなら

マフラーでは、暖かさだけでなく、首に触れたときの肌触りも重要です。

ふっくらとした柔らかい風合いを求めるなら、アクリルを使った製品が候補になります。

ただし、マフラーは衣類と擦れやすいため、毛玉や静電気も気になるポイントです。

ポリエステルを使った製品でも柔らかな風合いに加工されたものがあるため、素材表示だけで肌触りを決めつける必要はありません。

マフラーを選ぶときは、

  • 暖かさ
  • 肌触り
  • 毛玉のできにくさ
  • 静電気対策

などを合わせて確認するとよいでしょう。

特に肌に直接触れるものは、可能であれば実際の触り心地も確認した方が選びやすくなります。

毛布なら

毛布では、アクリルが暖かさを生かした製品に使われることがあります。

ただし、「アクリル毛布ならポリエステル毛布より必ず暖かい」とは限りません。

毛布の暖かさには、素材だけでなく、

  • 生地の厚み
  • 毛足の長さ
  • 起毛の仕方
  • 生地の密度
  • 毛布全体の構造

なども関係します。

一方、ポリエステルは乾きやすく、丈夫さを生かした毛布にも向いています。

そのため、暖かさやふっくらした風合いを重視するならアクリルを一つの目安にしつつ、洗濯後の乾きやすさを重視するならポリエステルも有力な選択肢になります。

毛布では、素材表示だけでなく厚みや起毛の状態まで見て選ぶとよいでしょう。

毛糸なら

毛糸でも、アクリルとポリエステルの両方が使われています。

アクリル毛糸は、軽くてふっくらした風合いを出しやすいため、セーター・マフラー・帽子などの編み物にも使われています。

一方、ポリエステルを使った毛糸には、丈夫さを生かしたものや、加工によって独特の風合いを持たせたものもあります。

どちらを選ぶかは、素材名だけではなく、作りたいものに合った、

  • 柔らかさ
  • 太さ
  • 毛羽立ち
  • 丈夫さ
  • 洗いやすさ

などを確認して決めるとよいでしょう。

アクリル○%・ポリエステル○%の表示はどう見ればいい?

衣類や毛布では、「アクリル70%・ポリエステル30%」のように、複数の繊維が使われている製品もあります。

この割合を見ると、「アクリルが70%なら、暖かさも70%くらいアクリルの特徴が出るのでは?」と考えるかもしれません。

しかし、素材表示の割合は、そのまま性能の割合を表しているわけではありません。

表示されている混用率は、製品に使われている各繊維の質量割合を示したものです。

たとえば、

アクリル70%・ポリエステル30%

と表示されている場合は、使われている繊維の質量に占める割合が、アクリル70%・ポリエステル30%という意味です。

「暖かさが70%アクリル寄り」「丈夫さが30%ポリエステル寄り」といった性能の配分を示しているわけではありません。

アクリル70%・ポリエステル30%という表示は性能割合ではなく繊維の質量割合であることを示した図

割合が多い素材の特徴だけで決めない

アクリルの割合が多ければ、アクリルらしい風合いが製品に表れやすい場合はあります。

同様に、ポリエステルを組み合わせることで、丈夫さや扱いやすさなどを生かした製品も作れます。

ただし、完成した製品の特徴には混用率だけでなく、

  • 糸の太さや作り方
  • 編み方・織り方
  • 生地の厚み
  • 起毛の有無
  • 繊維や生地への加工

なども関係します。

そのため、同じ「アクリル70%・ポリエステル30%」でも、すべての製品が同じ暖かさや肌触りになるわけではありません。

素材表示は、その製品がどのような繊維で作られているかを知るための重要な手掛かりですが、性能をそのまま数値化したものではないと考えておきましょう。

特にセーターやマフラー、毛布のように暖かさや肌触りが重要な製品では、素材の割合だけでなく、厚みや風合い、起毛、商品の機能表示なども合わせて確認することが大切です。

出典:
消費者庁「繊維製品の表示について」
日本化学繊維協会「化学繊維の種類」

アクリルとポリエステルは結局どちらがおすすめ?

アクリルとポリエステルのどちらがおすすめかは、何を重視するかによって変わります。

ふっくらした風合いや冬物らしい暖かさを重視するならアクリル、丈夫さや乾きやすさを重視するならポリエステルが候補になりやすいと考えると分かりやすいでしょう。

アクリルが向いている人

アクリルは、次のような人に向いています。

  • ふっくらとした柔らかい風合いを重視したい
  • セーターやマフラーなど冬物を選びたい
  • 毛布などで暖かさを重視したい
  • ウールに似た風合いの素材を選びたい

毛玉や静電気が気になる場合は、素材だけでなく生地の作りや加工なども確認するとよいでしょう。

ポリエステルが向いている人

ポリエステルは、次のような人に向いています。

  • 丈夫さを重視したい
  • 洗濯後の乾きやすさを重視したい
  • 形が安定しやすいものを選びたい
  • 普段着やスポーツウェアなど、扱いやすさを重視したい

ただし、ポリエステルでも毛玉や静電気が起こることはあります。

また、ポリエステル製品でも、起毛や生地構造によって暖かいものはあります。

そのため、「暖かさならアクリル」「丈夫さならポリエステル」というのは大まかな目安であり、絶対的なルールではありません。

実際の商品では、素材の混用率、生地の厚み、起毛の有無、肌触り、機能表示なども合わせて確認しましょう。

どちらが優れているかを決めるよりも、自分が重視する性能に合った素材や製品を選ぶことが大切です。

まとめ

アクリルとポリエステルは、どちらも衣類や寝具などに広く使われている合成繊維ですが、得意とする特徴が異なります。

主な違いをまとめると、次のとおりです。

  • アクリルは、ふっくらした風合いや暖かさを生かした製品に使われやすい
  • ポリエステルは、丈夫さや乾きやすさを生かした製品に向いている
  • 毛玉はアクリルだけでなく、ポリエステルにもできる
  • 静電気はどちらにも起こることがあり、湿度や着合わせにも左右される
  • 実際の暖かさや肌触りは、生地の厚み・起毛・編み方などでも変わる
  • 素材表示の混用率は質量割合であり、そのまま性能の割合を表すものではない

そのため、アクリルとポリエステルのどちらが優れているかではなく、何を重視するかで選ぶことが大切です。

ふっくらした風合いや冬物らしい暖かさを重視するならアクリル、丈夫さや乾きやすさを重視するならポリエステルを一つの目安にしつつ、実際の商品では生地の厚みや起毛、肌触りなども合わせて確認してみてください。

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