『相棒20』17話のあらすじ
鉄道愛好家として、ある路線を訪れた米沢は、線路脇で遺体を発見。連絡を受けた右京は、亘と共に臨場する。遺体や凶器が沿線で見つかったことから、そこに何らかのメッセージがあると思われた。捜査から浮かび上がってきたのは、廃線の噂がある『星川鉄道』。米沢によると、廃線を進めたい運営会社と、沿線住民が立ち上げた“復活させる会”の間に軋轢が生じているという。
© tv asahi:相棒20
『相棒20』17話の見どころ・ネタバレ
1.米沢守からの事件の通報
杉下右京の電話に、米沢守から線路沿いで遺体を発見したという通報がくる。
遺体の付近には凶器がなく、財布やスマホもないことがわかる。
右京は遺体が線路脇に置かれていたことに、何かメッセージ性を感じているようであった。
4年ぶりの米沢守の登場ということもあり、彼が趣味としている「鉄道」を中心とした事件となっている。
© tv asahi:4年ぶりの登場となる元鑑識課の米沢守
今では、警察学校で教官をしており、一線からは退いてはいるが、特命係や捜査一課との人脈は今でも生きている。
2.遺留品はオリオン座に見立てて捨てられていた
被害者の吾妻元彦の財布やスマホが線路沿いで見つかったことから、捜査一課は凶器もこの線路上にあるのでは?と見て捜索を始める。
それに対して、特命係は右京の考えによって、特定の場所を調べる。その結果、特命係が遺留品をすべて発見するのであった。
遺留品は「星川鉄道のロゴマークに使われているオリオン座」に見立てられて捨てられていたことがわかる。
このことから、犯人は「廃線間近の星川鉄道」に何かしら関係がある人物なのではないか?と予想がなされるのであった。
右京自身は、犯人が星川市の住人であり、かつ最初にわかっていた遺留品の位置関係がオリオン座の中心に酷似していたから、場所の特定を思いついたようである。
3.撮り鉄が捕まり一課から取り調べを受ける
遺体が発見された路線の付近で、線路に入ろうとして捕まった撮り鉄がいたのだが、これがどうやら捜査一課の取り調べを受けているらしいと右京に連絡が入る。
どうやらその撮り鉄・今泉悟志は、遺留品が捨てられていた付近を歩いていたという証拠があがっており、それで捜査一課から目をつけられたそうだ。
証拠不十分で釈放されることになるのだが、冠城亘は彼のことが気になるようで、身辺の調査を始めるのであった。
右京と長年、相棒として連れ添ってきた亘が「細かいことが気になり」始めたようである(今泉の右手の側面にある黒い跡が気になる)。冠城亘役の反町隆史も今シーズンで卒業ということなので、長年連れ添ってきたことが強調されてる演出は大変よく見える。
4.今泉が再度捕まる
亘が今泉のことを調べた結果、今泉が取り調べ中に言った証言に矛盾があることがわかる。
そのことを突きつけに、亘は今泉の家に入るのだが、その中で「撮り鉄なのに写真が1つもない」という違和感に気づく。そのタイミングで、捜査一課が今泉家に乗り込んできて、再度、今泉を逮捕するのであった。
米沢守の指摘で、今泉が撮り鉄ではなく、時刻表を愛するスジ鉄であると判明する。
捜査一課は、今泉が言い逃れできない証拠を集めて、再度、今泉と捕まえて取り調べを始めるのであった。
状況証拠はすべて集まっており、少なくとも死体遺棄と遺留品をばら撒いたのは今泉であることは確定している。しかし、なかなか口を割らない今泉に誰かをかばっているのではないかという、疑念が湧いてくる。
5.自白した理由
自白した今泉はその直後に倒れて病院に運ばれてしまう。今泉は実は、一昨年の6月に悪性腫瘍があると診断を受けており、それでクビになったという経緯があったようだ。
今泉は、鉄道復活の過激派・白川洋一郎が吾妻を殺したと思っており、鉄道復活を望み、かつ余命も少ない今泉が犯行を肩代わりしようと思ったようだ。そこで、遺体の場所を変えて、遺留品をばらまき、わざと撮り鉄として逮捕されて、捜査一課に目をつけられるような行動をしたわけである。
しかし、実際には白川は殺人はしておらず、しかも白川は廃線を望むスターリバースホールディングスのスパイとして、星川鉄道復活の会に忍び込んでいた人物であったのだ。
これは実にやるせないと言うか、悲しい勘違いであった。熱意のある彼ならばという思いで殺人を肩代わりしたのに、実は相手のスパイであったとは。
だが、サボタージュマニュアルという、過剰に相手の意見に賛同して、人々を分断させ、組織を弱体化させて、組織解散に追い込むという手法があるとは思わなかった。一件、味方しているようで、実は組織を崩壊させるための常套手段を実行していたわけだ。
6.吾妻さんを殺した犯人
今泉の犯行現場の証言、そしてその現場を元鑑識の米沢守が捜査をしたことで、真犯人が特定されるのであった。
犯人はスターリバースの鉄道事業部本部長、松原玲子であった。白川を金でスパイとして雇い、分裂工作をしていたことが吾妻にバレて、このままでは世間に公表されると恐れた松原が殺害に及んだ形であった。
結局、白川が殺人を起こしていたという今泉の予想は外れていたのだが、結果として今泉の熱意は白川に届き、それが星川鉄道を復活させるための助けになりそうである。
右京と亘は、もしかしたら今泉はこうなることがわかっていて、殺人の肩代わりをしていたのでは?と思いにふけるのであった。
確かに、白川としてはどう転んでもいいから、「鉄道が復活」できればいいという思いで行動をしていたに違いない。
『相棒20』17話の感想・考察
今回は4年ぶりとなる米沢守の登場となった。事件の内容は、米沢守の趣味である「鉄道」が中心として描かれ、最後には、米沢の本来の仕事である鑑識作業をするという形で綺麗に話がまとまった。
本来、今泉が遺体を移動させなければ、すんなりと解決した事件だったろうが、今泉が行動したおかげで、廃線危機の星川鉄道にスポットが当たり、星川鉄道復活の一助になっていた。
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