今回(ロード・エルメロイII世の事件簿 特別編)のあらすじ
ロード・エルメロイⅡ世の元に届いた一通の手紙――それは、かつての時計塔の同窓会の報せだった。
だが開催日が近づくある朝、ロード・エルメロイⅡ世は、鏡に映る自分の姿に驚愕する。
身体が10年前のウェイバー・ベルベットの姿に戻っていたのだった…
© 三田誠・TYPE-MOON / LEMPC:ロード・エルメロイII世の事件簿 特別編
今回(ロード・エルメロイII世の事件簿 特別編)の見どころ
1.10年前の過去回想
まだ、ウェイバーが学生だった頃の回想から始まる。当然、ケイネス・エルメロイは存命で、ウェイバーも聖杯戦争には行っていない。
ここの過去回想が、話の中では案外重要で、カミュ・ペリゴールがなんとなくウェイバーに対して好意を持っているのではないかと予想できるシーンが多々ある。(好意まではいかなくでも、気になっていることぐらいまではわかる)
当時のウェイバーは血統が劣っていることもあり、クラスメイトからかなりバカにされていたことがわかる。ケイネス・エルメロイも純然たる事実として、血統や才能によって魔術師としての格がほぼ決まると指摘している(実際、Fateの世界はそうである)。
ウェイバーも血統がすべてではないと証明したかったが、10年経った今でもそれを証明できないでいる。ウェイバーはロード・エルメロイ二世という称号や、優秀な教師として台頭しているが、過去の自分が証明したかったことを証明できないでいる負い目はあるのだろう。
2.旧友との再会
マリスビリーに解析のアイデアを進言した帰りに、旧友のカミュ・ペリゴールとアムレス・ヴォータンと再会する。
アムレスの外郭投影がある程度、形になったという話がでてくる。作中、「投影、写真、アバター」という共通のワードがたくさん出てくるが、今回の話では重要なワードとなる。
アムレスとカミュはゆくゆくは「地球そのものを投影する」と言っていたが、これはFGOの「地球環境モデル・カルデアス」と考えていいだろうか?このあと、誰かが研究を次いで投影魔術を完成させたか。
この「ロード・エルメロイ二世の事件簿」はFateよりかは、FGOの世界に近い話が多い。
3.若返るウェイバー
旧友との再会後、一夜明けるとウェイバーは10年前の学生時代の体に若返っていた。
© 三田誠・TYPE-MOON / LEMPC:学生時代まで若返るウェイバー
ウェイバー自身が若返ったのではなく、高度な幻術によって、ウェイバーが若返ったように見せられている(認識させられている)。
ウェイバーはタイミング的に、犯人はカミュとアムレスであることはすぐにわかっていたようだ。投影によって、ウェイバーが若返ったように見せている。
若返っていいじゃん!と思うところだが、肉体に人格が引っ張られるので、長い間若いままだと今の人格が消え去って10年前の自分になってしまう、という時間制限が設けられる。
4.魔術師の同窓会
アムレスが再会したときに指摘したように、同窓会の中で一番の出世を果たしたのはウェイバーであった。(というよりも、周りの同級生はほとんど落ちぶれていて、魔術師として大成している人がいない)
ここで、ウェイバーは自分を若返らせた犯人はアムレスとカミュであることを指摘し、さらに黒幕であるカミュの目的を暴露した。(10年前の世界を投影し、そこに永遠に閉じ込める)
カミュは10年前の時点で、魔術回路が破壊されていたので、術式を用意したのは「蒼崎橙子」となる。ウェイバーとは、イゼルマで出会っており、その事件も小説にされている。
5.10年前の投影
カミュと蒼崎橙子の魔術によって、10年前の世界が投影される。ウェイバーはこのことを読んでおり、自分の意識も10年前の状態にならないように対策を講じていた。
フラットとルシアンのコンビにより、蒼崎橙子の術式にハッキングをかけてグレイを投影世界に送り込む。それだけ、二人の才能はずば抜けていることが演出されている(実際、フラットは相当な天才)。
一応、推理小説というかミステリーのテイをしている作品ではあるが、「魔術でどうにでもできてしまう」世界なので犯行の推理は重要ではなく、「ホワイダニット(どうしてやったか)」の推理が重要になってくる。
これは10年前の回想、そして10年前の投影でも表現されていたがカミュのウェイバーへの好意からした犯行であった。ウェイバーへの好意があり、魔術回路が奪われ、時計塔から追われる前の幸せだった頃の自分を投影し続けたかったのだろう。
6.用語解説:マリスビリー
マリスビリー・アニムスフィア
オルガマリーとウェイバーの話に出てきた「マリスビリー」という人物は、オルガマリーの父親であり、人理継続保障機関フィニス・カルデアの創設者でもある。時計塔の天文学科を束ねていたロードでもあり、まごうことなき天才。
今回(ロード・エルメロイII世の事件簿 特別編)の感想・考察
ウェイバーはイスカンダルの影響もあって、いまだにゲーム好きであるというシーンがみられた。ゲームの「アバター作り(自身の投影)」が今回の話のテーマであるので、形を変えて何度も登場する。
しかし、ここで蒼崎橙子が登場するとは予想していなかった(よく見たらHPの画像に載ってるし)。蒼崎橙子はTYPE-MOONの作品にほとんど出ているので、ロード・エルメロイ二世の事件簿に出てきてもおかしくはない(魔法使いの夜、空の境界、Fateでも何かしら出てくる)。
カミュがどうやって魔術回路を奪われたのかは明確化されていないが、夢の感じからアムレスの使い魔に襲われて奪われたと考えてよいのだろうか?でも、魔術回路奪った相手から協力を仰ぐとか、アムレスの頭は相当なお花畑だったと考えられる(それだけ資金難だったのだろうが)。
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