※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第159話のネタバレが含まれます。
ラノックとの極秘会談を経て、恭弥はついに動き出します。
第159話では、作戦前夜に各キャラクターがどのような「立ち位置」をとるかが丁寧に描かれ、恭弥自身も、戦いに備えて人間関係に一つずつ区切りをつけていきます。
いよいよ現地入り目前。今後を左右する作戦に向けて、準備がされていく。
本記事では、そんな159話の見どころを3つに分けて振り返っていきます。
見どころ1:恭弥が去ったあとの、ラノックの「覚悟」と「賭け」
恭弥が部屋を去ったあとのラノックは、誰もいない場所で自らの決断と向き合っていた。彼の口から語られたのは、後悔しない覚悟と、最悪の事態を想定した冷徹な準備だった。
- 「結果がどうなろうと後悔はない」と断言するラノック
- 身元不明の遺体を用意しろという、極めてシビアな指示
- 「あの目を持つ人間は流れを変える」という直感的信頼
- そして「彼が自国民でないのが惜しい」と漏らす本音
これまでのラノックは、策士であり交渉人であり、信念と計算を両立させる存在だった。しかし今回の描写では、その背後にある個人的な信頼感と賭けの意志がはっきりと浮かび上がった。
「君も機会があれば彼の目を見てみるといい」
©Kakao piccoma Corp.
この一言が、すべてを物語っている。合理の仮面を被りながら、実は一人の青年に未来を賭けている。その姿はまるで、政治家という立場を超えた人間的な矛盾を抱えた人物に見えた。
見どころ2:信頼ゆえの別行動――京極との対話と、ダエルとの出発前夜
恭弥はモンゴルでの作戦に向け、信頼するふたりと出発前夜に会っていた。
ひとりは、長年の恩人である京極。もうひとりは、傭兵時代からの戦友・ダエルだ。
まず、京極には任務の内容を伏せたまま、自分の両親の護衛を頼む。
- 京極は恭弥の表情から事態の深刻さを察する
- 同行を申し出るが、恭弥は「ここにいてほしい」と伝え、説得
- 最終的に京極は「今回だけだぞ」と了承する

私はここに「戦力として頼られていない」のではなく「支えとして信頼されている」京極の役割を感じました。
恭弥は表には出さずとも、社長が後方にいてくれることで精神的に安定できるとわかっていたのでしょう。
その後、ダエルが登場。恭弥は包み隠さず、作戦の失敗と仲間が捕虜になった事実を伝える。
- ダエルは驚きつつも、「ラノックの支援で外人部隊と共に出発」と聞かされる
- 一瞬「家族の顔が浮かぶ」とためらうが、すぐに参戦を決意
- 「3時に集合、2時にコーヒーを」と軽い調子で別れる

このやり取りには、死と隣り合わせの状況でも「いつも通り」を保とうとする二人の強さが表れていました。
冗談めいた約束の裏に、深い信頼関係が築かれています。
恭弥は、この二人には「伝えるべきこと」と「伝えないでおくこと」を分けて接していました。
信頼しているからこそ、守ってほしい場所と共に進む場所を選び分けている。その判断が、彼の人間性を最もよく表していた気がします。
見どころ3:白井との再会、そして“声を聞きたい二人”の存在
任務直前、恭弥は久々に白井へ連絡を取り、深夜のマンション前で再会します。白井は突然の呼び出しに驚きながらも、明るく応じます。
- 恭弥は「ふと会いたくなっただけ」と言う
- 白井は「初めて自分から連絡くれた」と、彼の変化を受け止める
- 次の日から地方に行くと聞かされ、不安を募らせる白井
- 恭弥は須賀先生の仕事とごまかし、行き先や詳細は伏せる
恭弥が作戦前に会っておきたかった人物は白井美紅だった
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死ぬような作戦を前に、会いたい人間がいるから会っておくという行動をするのは恭弥の転生後の変化がうかがえます。
また注目すべきは、彼が自宅に戻る直前に抱いたこの内心です。
「家に帰る前に、声を聞きたい人が二人いる」
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ここでの「二人」とは、私がパッと思いついたのは白井とミシェルでした。彼にとって最も心を預けられる存在です。

白井との会話そのものは淡々としていても、その裏には「生きて帰って来られるかわからない作戦」の前だとうのがギャップとしてあります。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第159話
159話では、恭弥がモンゴル行きを目前に控え、必要な人間関係に整理をつけていきます。
ラノックは責任を自ら背負う形で恭弥に託し、京極やダエルとのやり取りでは、それぞれの立場で「残ること」を選ばせました。
白井との再会では、「声を聞きたい人が二人いる」という独白が印象に残ります。
私はそこに、戦いを前にした恭弥の決意とつながりの確認があったと感じました。
- 次回記事:160話:絶対に生きて帰ってこようと決意する恭弥
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