※本記事は第162話までのネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
『ゴッドオブブラックフィールド』第162話では、恭弥が率いる外人部隊の降下作戦がいよいよ開始されました。
今回は降下前のヘリ内指揮シーンと、地上降下後の潜入パートという二段構成で描かれ、緊張と不穏さがじわじわと高まっていく回となっています。
アフリカでの死の記憶を思い出しながらも、恭弥は前へと進む――その姿に、戦場に戻った男の覚悟が滲んでいました。
見どころ1:降下直前――恭弥の指揮とジェラールとの対話
モンゴル上空を飛ぶ軍用ヘリの中で、恭弥は冷静に地図を開き、部隊への指示を開始しました。
彼がまず伝えたのは、戦闘ではなく「非常時の退避方法」。「アルファ」「ベータ」と名付け、万が一のときはそのどちらかに逃げれば助けに行くと全員に告げます。
- 明確な退避ルートの共有
- 新人を気遣い、ジェラールにフォローを命じる
- 「命が最優先」「必ず生きて帰る」と言い切る
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この時点で恭弥の指揮方針が明確になりました。作戦の成功だけでなく、仲間の命を何よりも大切にする姿勢が伝わってきます。
「隊員全員…必ず生きて帰るんだ」――この言葉には、覚悟と責任が滲んでいました。
そしてこの場面で、恭弥はうっかり「ダエルがアルジェリア人であること」を漏らしてしまいます。
- 明らかに日本人のダエルを「アルジェリア人」と言われて驚くジェラール
- 「今は命が最優先」と切り替える恭弥

このやり取りは、恭弥とダエルがすでに戦場の感覚に戻っていたことの証でもあります。
あまりにも二人が傭兵時代の感覚を取り戻しており「何を言ってはいけないか」を失念していたのだと思われます。
見どころ2:降下後の森――戦場の空気と高まる違和感
降下命令が下されると、ジェラールを先頭に次々と隊員たちが地上へと降下していきました。恭弥の指示は明確でした――着地と同時に700m先の茂みに全力で走り、姿を隠せと。
- 降下地点が「開けた平地」なので恭弥は不利な地形と判断する
- 周囲の警戒ではなく「移動こそ最優先」と全員に告げる
- 緊張で息が乱れる新人に対し、「死にてぇのか」と喝を入れる恭弥
このシーンでは、恭弥の判断力と戦場感覚の鋭さが際立っていました。
敵にとって格好の的になりうる地形での降下に、一瞬のためらいも見せず指揮を取る冷静さが光ります。
茂みへ潜んだ後も、隊員たちの緊張は緩むことなく続いていきます。
呼吸音ひとつにも神経を研ぎ澄ませる状況の中、新人はうっかりジェラールの名前を呼んでしまい、注意されます。
「呼吸音は自分だけに聞こえるようにしろ。それができなきゃ、もう敵に聞かれてる」
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このジェラールの一言には、戦場における命の重みと緊張感が凝縮されていました。
そして、その言葉の背景には、彼がかつて恭弥に教わった過去がにじんでいました。
森の中を進む一行の前に、やがて物音が響きます。恭弥はすぐに銃を構え、わずかに遅れてダエルとジェラールも構えます。
その反応速度の差に、ジェラールは改めて恭弥の実力を思い知るのでした。
結果として姿を現したのは「鹿」でしたが、チームの緊張感と統率の完成度が浮き彫りになった場面でした。
そして、決定的な不穏さはその直後に訪れます。恭弥はわずかな火薬の匂いを嗅ぎ取り、「総員、戦闘準備」と命じました。
- ここは敵の駐屯地ではない=本来、武装兵がいるはずのない場所
- それでも火薬の匂いがする=何者かが意図的に待ち構えている可能性
- 恭弥の脳裏に「アフリカでの死」の記憶がよぎる
「…今回もあの時みたいに?」
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このひとことに、恭弥の中にある根深い疑念と過去へのトラウマが滲み出ていました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第162話
降下直前の冷静な指揮と、降下後の張り詰めた緊張。第162話では、戦場に戻った恭弥の「判断」と「覚悟」が全面に描かれていました。
特に印象的だったのは、「全員を生きて帰らせる」という指揮官としての決意と、過去の死を思い出しながらも進軍を止めない恭弥の姿です。
火薬の匂いが漂うなか、敵か味方かも分からない存在に囲まれつつある彼ら。ここからどんな展開になるのか、嫌な予感が拭えませんでした。
- 次回記事:163話:猟師をやり過ごし、作戦は慎重に進行中
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