※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第167話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第166話では、外人部隊が敵の基地に潜入し、ジェラール・ダエルとともに恭弥が先発隊として突入を開始。
ついに建物内部への接触が始まり、緊張感が一気に高まる展開となりました。
そして第167話では、ジェラールの被弾、敵リーダーとの激しい一騎打ちが描かれ、作戦は大きな山場を迎えます。
見どころ1:ジェラールの負傷と感情を抑えたプロの冷徹さ
ジェラールが負傷した場面では、恭弥の冷静さが際立っていました。
感情に揺さぶられながらも、戦場の中で隙を見せなかった行動には、彼の経験と覚悟がにじんでいたと思います。
なぜならば、仲間の安否に動揺してしまえば、それが命取りになる状況だったからです。
恭弥にとっては、叫びたい気持ちを抑えるよりも、まず敵を排除することのほうが優先事項でした。
このとき恭弥は、背後から襲いかかってきた敵兵たちをすぐさま銃撃し、さらに手榴弾でとどめを刺しています。

ジェラールの安否を確認するのはその後です。つまり、戦場では「心よりも先に体が動く」ように訓練されているのだと感じました。
このような判断は、場数を踏んだ傭兵にしかできない冷静な対応です。
たとえ仲間が倒れていても、全体の戦況を最優先に判断する姿勢こそ、歴戦の兵士の証と言えるでしょう。
このように考えると、恭弥は単に強いだけでなく、「感情を制御できる強さ」も持っていることがわかります。
西恭弥「区隊長!!」
©Kakao piccoma Corp.
私には、「区隊長!!」と叫びながらも、即座に戦闘に入ったその切り替えの早さに、数多くの修羅場をくぐり抜けてきた者だけが持つ経験の重みを感じました。
見どころ2:油断を許さない恭弥の勘──敵リーダーの奇襲を未然に防ぐ
恭弥の慎重な判断が、敵の反撃を未然に防ぎました。
一度敵兵をすべて倒したあとでも、恭弥は「まだ誰かが隠れているかもしれない」と警戒を緩めなかったのです。
このように言うと過剰な警戒のようにも思えるかもしれませんが、敵の裏をかくのも戦場の一部です。
油断すれば次の瞬間に命を落とす。その危険を知っているからこそ、恭弥は一瞬たりとも気を抜きませんでした。
実際、建物内にいたもう一人の敵兵は、扉の裏に身をひそめて拳銃を構えていました。
恭弥が注意深く部屋を確認していたおかげで、不意打ちを受けずに済んでいます。その敵兵は、仲間たちを拷問していたリーダー格の存在でした。

このような行動は、単なる警戒心ではなく、実戦で身についた戦場感覚によるものだと思います。
ここで強調したいのは、恭弥が「見えていないもの」への対処を常に考えていた点です。
相手の配置や動きを読みながら、あらゆる可能性に備えていたからこそ、待ち伏せにも引っかからずに生き残れたのだと感じました。
見どころ3:仲間のために怒りを燃やす恭弥──拷問犯への強烈な一撃
リーダー格の敵兵が黒川を拷問していた張本人だと知ったとき、恭弥の中で何かがはっきりと切り替わりました。
これまでは冷静さを保っていた彼が、怒りを力に変えて戦う姿が印象的でした。
このような怒りは、本来であれば判断を鈍らせる原因にもなり得ます。
しかし、恭弥の場合は違いました。怒りを爆発させるのではなく、戦闘力として制御しながら相手を追い詰めていったのです。
敵リーダーとの戦いは接近戦に移り、ナイフによる鍔迫り合いに発展します。
恭弥は力で押し切り、リーダーに傷を負わせ、さらに拳で顔面を殴りつけました。この流れには、恭弥の「絶対に許さない」という強い意志が見てとれます。
私はこの場面に、仲間を大切にする恭弥の一面が表れていたと思います。
感情的になっても戦闘スタイルを崩さないあたりに、怒りすらもコントロールできる力があるのだと感じました。
見どころ4:勝負の決着はナイフ一閃──見破りと誘導の心理戦
敵のリーダー格は一瞬の隙を突いて姿を消します。
恭弥は周囲の空気を研ぎ澄ませ、息遣いや気配を探っていました。
一見静まり返った建物内ですが、彼は「あるはずのない息遣い」に気づきます。

このように考えると、恭弥は視覚や音に頼るだけでなく、「違和感」に敏感なタイプだとわかります。
それは、これまでの戦場で身につけてきた勘のようなものかもしれません。
実際、無人だったはずの部屋からかすかな息遣いが聞こえたことで、敵が待ち伏せていることを察知します。
しかし、すぐに突入するような無謀な行動は取りません。
あえて気づいていないふりをして通り過ぎ、背後を取らせた上で逆に仕留めるという作戦に出ます。
次の瞬間、恭弥は振り向きざまにナイフを投げ、敵の喉元に命中させました。この一撃で、戦いは終わります。

この場面での焦点は、ただ勝つことではなく、「どうすれば勝てる可能性を最大限に引き上げられるか」に置かれていたように感じます。
力や速さだけでなく、相手の心理を見透かし、それを逆手に取った一手だったからです。
私はこの場面に、恭弥の知略と冷徹さが凝縮されていたと感じました。
派手なアクションよりも、こうした一瞬の判断力にこそ、彼の本質が表れているように思います。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第167話
167話では、ジェラールの負傷や敵リーダーとの激闘が描かれました。

特に印象的だったのは、ジェラールが負傷した際の恭弥の行動です。
仲間を想う感情と、戦場での冷静さの両立は、誰にでもできることではありません。
また、敵の潜伏をいち早く察知した判断力や、心理戦でリーダー格を仕留めた戦術も見応えがありました。
恭弥という人物の強さは、単なる身体能力だけではなく、経験・勘・感情のコントロールすべてを兼ね備えている点にあると、あらためて感じました。
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