※この先は『ゴッドオブブラックフィールド』第169話のネタバレを含みますので、ご注意ください。
前回、第168話では恭弥たちの決死の突入作戦がついに完了し、人質の全員が無事に救出されました。
ジェラールの負傷という代償はあったものの、敵は全滅し、作戦は事実上の大成功に終わります。
そして今回の第169話では、その結果が国内外にどう受け止められたのかが描かれます。
フランス大使館、日本の首相官邸、そして帰還する部隊の中で交わされる言葉たち。
その一方で、恭弥の正体に迫るジェラールとの対話にも注目です。
「名前を名乗っても信じてもらえない」――
そんな不思議な距離感の中で、それでも敬意だけはしっかりと伝わってくる…
静かに心を揺さぶるエピソードが詰まった回になっていました。
見どころ1:作戦成功を聞いたラノックや日本政府の反応
第169話の前半では、作戦終了後の政治サイドの動きが描かれました。
特に印象的だったのは、結果を聞いて驚いたラノックが、すぐに頭を切り替えて次の指示を出すシーンです。
- 敵は全滅
- 人質は全員救出
- 死者ゼロで全員帰還
という報告に、ラノックは一瞬驚きと嬉しさの様子を見せます。
ですがすぐに冷静さを取り戻し、アメリカや中国の動きまで確認する判断力を見せました。
ラノック「どこも下手に動けないようだな。少なくとも特殊作戦においては、日本が優位にあると理解したんだろう」
©Kakao piccoma Corp.
このセリフから、一つの作戦結果が国際バランスに与える影響の大きさがうかがえます。

驚いたあとすぐに情報局や褒賞の話をするラノックは、やっぱり只者じゃないと感じました。
一歩間違えば冷酷にも見えるけど、指導者としては理想的な判断力です。
一方、日本の首相官邸でも同じタイミングで報告が届き、総理と官房長官が静かにその成果を噛みしめます。
- フランス情報局とのホットライン設置が現実味を帯びる
- 総理が「就任以来初めてすがすがしい気分だ」と語る
- 恭弥に直接会いたいが、それは控えるという判断も
このやりとりが、恭弥の存在がいかに政治の枠外にあるかを示していました。
表に出せないけど、確実に国家の動きを左右する人物というのが、静かに描かれていて興味深かったです。

恭弥の影響力がとてつもなく大きくなっている一方で、その姿を誰にも見せられないのが恭弥自身を難しい存在にしている。
全体として、「政治」と「現場」が見事につながった回だったと思います。
見どころ2:ジェラールとの再会と正体バレ未遂のやりとり
第169話の後半では、ジェラールと恭弥の関係がぐっと近づく会話シーンが描かれました。
任務後、日本に戻ってきた隊員たちの前に、怪我で戦線を離れるジェラールが現れます。
彼は、「次の作戦は3ヶ月後にしてくれ」と冗談のように頼みますが、恭弥は冷たく突っぱねます。
西恭弥「次なんてねぇよ。もしあったとしても作戦中に勝手に行動して足手まといになるようなオマエとは御免だ」
©Kakao piccoma Corp.
最初は完全な拒絶モードでしたが、ジェラールは諦めずに、恭弥の正体に迫る言葉を重ねていきます。
- 連射禁止の命令
- 隊員への配慮
- 日本語の悪態
- 射撃の狙い方
- そして「顔つきと態度」
ジェラールは、細かい共通点を挙げて追い詰めます。

ここまで言われてるのに、正体を明かさない恭弥…もどかしい!
ついに恭弥は名乗ります。
「西恭弥」
©Kakao piccoma Corp.
でも当然、ジェラールは信じません。
「ふざけるな!!」
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「それをどう信じろって言うんだよ!?」
このやりとりが本当にリアルで、過去を知ってるからこそ信じられないという葛藤が伝わってきました。
その後のライターの話や、持ち物のことなどを通して、「死んだと思っていた人間が目の前にいる」という奇妙な距離感が続きます。
この問いとセリフの応酬が、どちらも“気づいてるけど認めきれない”苦しさを表していました。
そして、別れ際。
ジェラールが去ったあと、後ろから声が響きます。
「ゴッド・オブ・ブラックフィールド!!」
©Kakao piccoma Corp.
振り返ると、ジェラールを含めた隊員全員が恭弥に敬礼しています。
これがすべてを物語っていました。

信じる信じないはともかく、みんな心では「彼がリーダー」だと認めた瞬間でした。
恭弥も、しぶしぶながら敬礼を返します。
この瞬間に、「言葉じゃなく、行動で信頼が返ってきた」ような余韻を感じました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第169話
第169話は、作戦の成功が国際政治にまで波紋を広げる展開と、仲間との再会で揺れる恭弥の人間味が描かれた回でした。
特に印象に残ったのは、ラノックの即時の判断力と、日本政府の冷静な受け止め方です。恭弥の名前は表に出なくても、その働きが国家にまで届いていることがよく伝わりました。
また、ジェラールとのやりとりでは、正体に気づきつつも信じきれないジレンマと、言葉にできない信頼のかたちがとても印象的でした。
「敬礼」で心を通わせる演出は、静かだけど強い余韻を残していたと感じました。
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