※本記事には『ゴッドオブブラックフィールド』第172話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第171話では、財団設立の現場に日本の総理大臣が登場し、西夫妻の立場が一気に変化する様子が描かれました。
また、ラノックの手から渡されたUSBには、周防裕三に関する新たな情報が記録されているようで、今後の展開を示唆する形で締めくくられました。
そして迎えた第172話では、ようやく日常に戻ったかと思われた矢先、裏で蠢く新たな敵勢力の存在が明らかになります。
恭弥とダエルの平穏な時間が描かれる一方で、再び緊張感の高まる展開が待っていました。
見どころ1:ユニコーン計画の裏で動く“敵の気配”
西夫妻の元に総理が訪れた直後、物語の視点は一転し、ユニコーン計画の妨害を目論む敵対勢力に切り替わります。舞台はオフィスの一室。そこでは、花恋や恭弥に関する情報収集が冷徹に進められていました。
敵の室長が花恋の写真を見て口にしたのは、冗談とも本気ともつかない不気味な言葉でした。
室長「西花恋は近いうち不幸に見舞われそうな人相をしているな。なんだか偶然…致命的な事故に遭いそうだ」
©Kakao piccoma Corp.

この台詞は明らかに「事故に見せかけて花恋を殺せ」という指示を出しているように感じられました。
その「言い回し」からして、この人物がこうした指示に慣れていることが伝わってきました。殺意を柔らかく包んで伝える、その異様さが印象に残りました。
さらに、部下が報告する中で、総理の名を口にした瞬間、室長はこう言います。
室長「…総理?誰のことを言ってるんだ?」
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「沢村」と呼び捨てに訂正させる場面からは、日本の総理大臣を「日本のトップとして扱わない」という傲慢さが滲み出ていました。
国家権力さえ軽んじる態度に、ただの反対派ではなく、政治の裏を動かしているような重い存在感を感じました。
見どころ2:死から生へ、そして日常へ──恭弥とダエルの“生きてる実感”
モンゴルでの苛烈な戦いから生還した恭弥とダエルは、ようやく平穏な時間を取り戻します。
ふたりが向かった先は、まさかのサウナ。灼熱の中で意地を張り合いながらも、互いの無事を笑い合う空気がそこにはありました。
命を懸けた戦場の記憶を引きずりながらも、軽口を交わせるのは、恭弥とダエルが「死」をくぐり抜けてきた戦友だからこそ。
サウナを出たあとは、辛さが刺激的な料理を堪能。ここでも死と生が軽妙な会話に溶け込んでいきます。
ダエル「でもこうして生き返ったじゃないっすか!!」
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実際に「死んで生き返った」ふたりだからこそ言える冗談。それがただのギャグにならず、「今この瞬間を生きている」ことの実感として響きました。

ふざけたやりとりの中に、互いの安堵と信頼がにじんでいました。
そして恭弥が自宅に戻ったとき、彼はふと、妙な違和感を覚えます。
恭弥(ん?何だ?なんだか妙に嫌な予感がする…まさか両親に何かあったんじゃ!?)
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私はここに、西恭弥というキャラクターの「超能力的な直感」が表れていると感じました。
敵の悪意を嗅ぎ取る力とも言えるこの感覚は、決して偶然ではありません。実際、敵側は花恋を狙って動き始めており、彼の予感は見事に的中していました。
静かな夜の描写の中にも、次なる危機がひそんでいる――そんな不穏な余韻が漂っていました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド 第172話
第172話では、モンゴルでの作戦を終えた恭弥とダエルが日常へと戻る一方で、ユニコーン計画に絡む新たな敵勢力の動きが明らかになりました。
謎の室長が語る「事故」という言葉の裏に込められた殺意、そして花恋を狙う具体的な指示――この組織の冷酷さがはっきりと描かれた回でした。
恭弥の直感が働いた場面も印象的で、彼の危機察知能力がまた一つの伏線となっているように思えました。
戦場から戻ったとはいえ、恭弥たちの闘いはまだ終わっていない。新たな火種が、すぐそこまで迫っていると感じさせるエピソードでした。
- 次回記事:173話:USBの真相と敵幹部・大熊との対峙
- 前回記事:171話:母を守るのは恭弥の“人脈”だった
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