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『ゴッドオブブラックフィールド』第189話ネタバレ感想|ラノックが明かすフランス市民への誘い

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『ゴッドオブブラックフィールド』第189話ネタバレ感想|ラノックが明かすフランス市民への誘い

※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第189話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。

前回第188話では、ラノックとの会談が進む中で、恭弥が「ユニコーン発表会」の統制役を任されるという重大な展開が描かれました。

さらにラノックからは、周防への対応についても密かな協力を持ちかけられる場面がありました。

そして迎えた第189話では、フランスギャングの影がついに日本国内に現れます。

ホテルのロビーで異変を察知した恭弥は、身を引く間もなく行動を開始。

偶然その場に居合わせた杉田未央と「ある過去の事件」が思わぬ形で繋がっていきます。一見何気ない出来事に見えて、実は複数の伏線が同時に動き出している――そんな一話でした。

目次

見どころ1:恭弥、再びフランス情報局への誘いを断る

ラノックが改めて恭弥にフランス市民になる意思を尋ねたのは、唐突なようでいて、どこか切実でもありました。

『ゴッドオブブラックフィールド』第189話ネタバレ感想|ラノック『フランス市民になる気は本当にないか?』

ラノック『フランス市民になる気は本当にないか?』

その問いかけには、過去の実績や信頼だけではない、もっと私的で個人的な思いがにじんでいたように思います。

なかやす

恭弥という人物を、政治的な駒としてではなく、未来を託せる人間として本気で見ているのではないかと感じました。

恭弥は、そんな申し出に対してきっぱりと答えます。

恭弥『ありがとうございます。ですがすみません』

この返事がすごく彼らしいな、と思いました。ラノックの厚意も、自分に与えられた大きな可能性も、ちゃんと受け取ったうえで、自分の道を選ぶ。そこに迷いは見えませんでした。

なかやす

でも逆に言えば、彼には「上を目指そう」という野望がないのかもしれませんね。

ただ私は、ラノックの意図は単なる「スカウト」ではなく、自身の後継者探しなんじゃないかと思っています。

彼はもう「フランスを支える次の柱」を本気で見つけなければならない立場にある。そして、その候補がフランス国内には見当たらなかったからこそ、恭弥に視線を向けた……そんな気がしてならないのです。

それでも恭弥は、現状の自分に満足している。というより、「必要とされるから動く」タイプなのでしょう。だから、立場や権力に魅力を感じない。

彼の選択は不器用で、でも正直で、何だかすごく人間らしかったです。

見どころ2:ギャングの尾行を察知した恭弥、杉田未央を即保護

ネクサスホテルのロビーで恭弥が違和感を覚えたのは、一人の男の存在でした。

スーツ姿ながらも、ただならぬ雰囲気をまとい、ホテルの空気からわずかに浮いている。何気ないそぶりの中で、彼の視線は鋭く、そして不自然でした。

恭弥(あのマークは…セルパン・ブニムー!?)

男の左手首に刻まれた蛇の刺青。それが、フランスのギャング組織セルパン・ブニムーの印だと気づいた時、恭弥の警戒は一気に高まります。

とはいえ、男が誰を狙っているのかは、まだはっきりとはわかっていない。

そんな中、上司に叱られていた杉田未央がホテルを後にします。そして数秒後、その男もまるで何かを追うかのように後をつけて外へ――。

この時点で、恭弥はようやく状況の糸口をつかみます。

恭弥(何だ?…まさか彼女を?…片思い?――なわけねぇよな)

ここで恭弥はついに「未央が狙われている」可能性に気づきます。

そして即座に彼女へ声をかけ、自然な会話の流れを装いながら、状況を観察していきます。

未央の様子はどこか不安げで、顔色も悪い。しかも「これから新宿に行く」と口にしたことで、恭弥はさらに踏み込みます。

杉田未央『姉の無念を晴らすために抗議活動をしに行くんです』

このセリフで、全てがつながります。清水グループの社員が自殺したというニュース、現地で声を上げていた遺族、そして今ここにいる杉田未央。彼女は、あのときの「遺族の一人」だったのです。

その上で、恭弥はこう伝えます。

恭弥『オレがキミの力になれるかもしれない。少しでいい時間をくれ、頼む』

この一言は、ただの同情や親切心ではありません。彼女が何も知らぬままギャングに狙われているかもしれないという危機、そして姉の死の背後にあるものに対して、恭弥が向き合おうとした証です。

なかやす

私はこの場面、恭弥の鋭さよりも「踏み込み方の丁寧さ」に注目しました。いきなり「助けます」とは言わず、まずは話を聞く。そして納得させた上で、彼女を守る。信頼を置いてもらうために、自分の行動で示していく。

その積み重ねがあるからこそ、読者としても安心して見ていられるんですよね。小さなやりとりの中にも、恭弥という人間の器の大きさがにじんでいた気がします。

まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第189話

今回、ラノックが再び恭弥にフランス市民権を提案した背景には、単なる好意ではなく「後継者探し」という政治的な意図も感じられました。

また、杉田未央を通じて清水グループの裏側に再びスポットが当たり、ギャング組織の動きが国内の事件と交差し始めています。

未央がターゲットとなった理由や、セルパン・ブニムーが何を目的に動いているのか。表と裏で進む筋書きがどう繋がるのか、次回の展開次第で見え方が大きく変わってきそうです。

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