※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第192話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回の第191話では、恭弥がセルパン・ブニムーから爆弾テロ計画の情報を引き出し、黒川たちと協力して対応の準備を進める様子が描かれました。
加えて、アメリカが恭弥の存在に注目し始めたという不穏な動きも明かされています。
そして今回、第192話では国際会議を前に、いよいよ本格的な警備体制の打ち合わせが始まります。
100人を超える武装要員が集う会場を前に、恭弥が何を引き受け、どう指揮を執るのか。そして、彼自身の「転生」が国際的な陰謀とどう関わってくるのか。
静かに進む会話の中に、じわじわと火種が積み重なっていくような緊張が漂う一話でした。
見どころ1:100人の武装要員と非公式会合、恭弥が背負う重圧
国際会議に向けた警備打ち合わせの場面で、恭弥は黒川たちと極めてシビアな話を交わします。
今回の舞台となる「国際ビルと国際ホテル」には、各国の情報機関から100人以上の武装要員が集結する予定とのこと。
恭弥『要員の大多数が銃を所持しているので、最悪の状況も仮定しておいた方がいいのでは?』
単なる発表会のはずが、一歩間違えば銃撃戦が起こってもおかしくないという恐ろしい状況。しかも「非公式な会合」が多く予定されており、どこで火種が飛ぶかもわかりません。
恭弥のこの問いかけには、場を支配する緊張を見抜いた上での覚悟と責任がにじんでいました。

正直なところ、会場のセッティングにも不安が残るんですよね。黒川も「本当なら別の会場を使いたかった」と話していて、その場しのぎ感が否めません。
それでも恭弥は「なら自分が現場で統制をとる」と申し出ます。
恭弥『フランスとロリアムの友の5ヵ国の要員はオレが統制し、もし銃撃戦が起こった場合はオレが鎮圧してみて、それでもダメなら協力を要請します』
このセリフ、一見さらっと言っているようでいて、状況を的確に読みながら踏み込むタイミングを見極めているのが伝わってきます。

しかもそのうえで、「自分が倒れたらダエル、次はルイに指揮権を渡す」という流れまで考えてあるんです。まるで将棋の布陣のように先を読んでいるのがわかります。
見どころ2:アメリカとイギリスが動き出す中、転生の謎が再び浮かび上がる
恭弥とダエルが車の中で交わしたやり取りは、たった数分の会話ながら、作品全体の根幹に触れるような深さがありました。
ラノックから聞かされた情報をダエルに共有しながら、恭弥はある不安を吐き出します。
恭弥『オレとオマエが生まれ変わったことと何か関係がありそうだ』
この一言、冗談めかして言っているようで、内心ではかなり引っかかっているように思いました。
今までは「死んだ後に高校生として生き返った」という事実を、恭弥もダエルもどこか受け入れたまま、日常と非日常の狭間で動いてきたわけです。

しかし、ここにきてその現象が世界の大きな流れとつながりを持ち始めている。
アメリカとイギリス、そして「ブラックヘッド」。
一体どこでどう繋がっているのか。まだはっきりしたことは何も見えていません。けれど、傍観者でいられる段階はとうに過ぎているようです。
そして、ダエルの反応もまた、印象に残りました。
ダエル『うーん…考えてもわかんねぇっす!とりあえず、今は明日のことに集中しましょう』
率直に「わからない」と言えるのが、ダエルらしさだと思います。

難しい理屈は苦手だし、正直、深く考えるのはあまり得意じゃない。だからこそ、「今できることに集中しよう」と切り替えたのも自然な反応に見えました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド 第192話
国際会議の裏で蠢く複数の思惑と、恭弥が背負うことになった新たな役割、第192話は、戦いの準備段階でありながらも、物語の地盤がぐっと引き締まるような展開でした。
とくに恭弥が「自分が倒れたときのための指揮継承」を提案する場面には、覚悟というより「任せておけ」という信頼のようなものも感じました。
一方で、転生の謎が国際レベルの陰謀と関係しているかもしれないという流れも浮上し、読後にはじんわりと不安が残るような余韻がありました。
個人の人生と国家レベルの動きが交差する中で、恭弥たちがどう行動するのか、次回も目が離せません。
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