※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第218話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が仲間たちとともにホテルで最終打ち合わせを行い、周防邸への突入作戦を決行しました。
煉谷の提案により、正面から堂々と敷地内へ足を踏み入れると、まるで迎え入れるように門が開き、広大すぎる周防邸の全貌が明らかになります。
そして今回は、周防とついに直接対峙。豪邸に集まった警護の中で、恭弥は一切ひるむことなく言葉を投げかけ、互いの駆け引きが始まります。
見どころ1:「アメリカ市民」を盾にする周防
恭弥たちは周防裕三の邸宅に足を踏み入れ、ついに直接対面します。
しかし、周防はどこまでも余裕の態度を崩さず、恭弥を挑発するような言葉を次々と浴びせかけました。
やがて、周防の傍にいた外国人の男が口を開きます。
彼はアメリカ大使館所属のフランクと名乗り、周防をアメリカ市民として扱い、強硬な態度でその場にいる全員を牽制しました。
フランク「あなたたちは今…アメリカ市民を脅迫しているのですよ」
©Kakao piccoma Corp.
この一言で場の空気が一変し、煉谷はようやく周防がここまで余裕の態度を崩さなかった理由に思い至ります。
一方、黒川は目前の状況を打開する方法が見つからず、歯がゆさと無力感に苛まれていました。
行動を起こせないまま、場は膠着状態へと進んでいきます。
この場面の最大の見どころは、周防が「アメリカ国籍」という強力なカードを切ってきた点にあります。

単なる暴力や恫喝ではなく、国際的な立場と外交的圧力を利用して恭弥たちを抑え込もうとする手口には、これまでの敵との違いが感じられました。
周防の余裕ぶった態度は、ただの自信家というよりも、最初から自分の力ではなく“後ろ盾”に頼るつもりだったことが透けて見えます。
実力で対抗するのではなく、立場や肩書きで相手を封じ込めようとするやり口に、ずる賢さを感じました。
見どころ2:銃で場を制圧、交渉へ繋ぐ一手
フランクが「アメリカ市民を脅迫している」と圧力をかけるも、恭弥はひるむことなく、フランクの動きに先んじてダエルと共に銃を構えます。
その行動により場の主導権は一気に逆転し、フランクは銃を取り出す隙を失いました。銃口がこちらを向いている以上、相手側も迂闊に動けず、張り詰めた静寂が漂います。
その緊迫した空気の中、恭弥は冷静に新たな一手を打ち出しました。
アメリカ側の影響力に対抗するため、フランス大使ラノックと直接話すようフランクに要求します。フランクは渋々それに従い、黒川のサポートも受けながらラノックへと連絡を取ります。
やがて電話がつながり、恭弥はラノックと直接会話を交わします。交渉の内容までは明かされていませんが、ラノックの返答が状況の転換を予感させました。

この場面で勝負を分けたのは、恭弥とダエルが一気に銃を構え、力で場を制圧した瞬間です。これがなければそもそもラノックに力を借りるというフェーズが来ないまま終わっていたかもしれません。
そんな緊迫した状況の中、ラノックが電話越しに語ったのが、あの含みのある一言でした。
ラノック「方法があるにはあるが・・・後で面倒なことになるかもしれないよ?」
©Kakao piccoma Corp.
この一言が示していたのは、何らかの見返りやリスクと引き換えに交渉が成立しているという事実です。
交渉の詳細は明かされていませんが、ラノックか恭弥が何かしらの「負担」を背負った可能性は高く、それが後のストーリーにどう影響するのかが気になるところです。
見どころ3:周防、アメリカ国籍を剥奪される
ラノックとの電話を終えた恭弥は、再びスマホをフランクへ返します。フランクはラノックと何やら会話を交わし、その内容は周囲には聞こえてきませんでした。
やがて電話を切ったフランクは、これまでの態度を一変させます。周防に親しげに肩を叩かれた瞬間、その手を振り払い、冷淡な口調で通告を始めました。
フランク「…周防裕三、あなたのアメリカ国籍を剥奪します」
©Kakao piccoma Corp.
その宣言は、周防にとって想定外の一撃でした。
フランクは周防の二重国籍とテロへの加担を理由に挙げ、これまでの立場を公式に否定したのです。続けて恭弥への感謝を述べ、「正当防衛として証言する」と明言。
さらには、必要であればアメリカ側の要員も支援するとまで申し出ました。
驚愕する周防は、ラノックにいくら払ったのかと詰め寄り、倍額を提示して買収を試みます。
しかしフランクは相手にせず、アメリカ要員3人を連れて静かにその場を去るのでした。

この場面で衝撃的だったのは、やはりフランクの態度が一変し、周防のアメリカ国籍をその場で剥奪したことです。
つい先ほどまで「アメリカ市民を脅迫している」と威圧していた立場から、わずか数分で真逆の行動に出たことには、あっけにとられるほどの転換がありました。
周防にとってアメリカ国籍は「力の象徴」として周囲を黙らせるための最大の防具だったはずです。

しかし、それがラノックの介入によってたった一言で無効化されてしまったことで、周防の持つ影響力や自信の根拠がいかに脆いものだったかが浮き彫りになります。
あれだけ「権力とはこういうものだ」と得意げに語り、恭弥のことを子ども扱いしていたにもかかわらず、事態はあっけなく逆転しました。
自らの地位と後ろ盾に絶対の自信を持っていたはずの周防が、恭弥の持つ「信頼のネットワーク」とラノックの一声によって一瞬で立場を失ったのです。
虚勢を張っていた周防が、自分の言葉どおり「世の中の仕組み」を見誤っていたという皮肉な結果にも思えます。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第218話
- 周防がアメリカ大使館員フランクを「盾」として登場させる
- フランクが恭弥たちにアメリカ市民への脅迫を警告する
- 恭弥とダエルが先に銃を構えて主導権を奪う
- 恭弥がフランス大使ラノックへの連絡を要求する
- 恭弥とラノックが電話で交渉を行う
- フランクが態度を一変させ周防のアメリカ国籍を剥奪する
- 次回記事:219話:恭弥が周防を殴打し怒りを叩きつける
- 前回記事:217話:因縁の恭弥と周防がついに対面する
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