※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第220話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が周防を徹底的に叩きのめし、挑発に乗った煉谷が全面戦闘の構えを見せました。虎太郎は会長の命を賭け、勝負を持ちかけてきます。
そして今回は、恭弥が「戦うなら周防を殺してからだ」と言い放ち、交渉を一蹴。巨額の金による命乞いも空しく、周防の人生に幕が下ろされます。
見どころ1:巨悪・周防、呆気ない最期
煉谷は敵からの挑発を受けて激昂し、交戦を主張します。
国家の敵を見逃すことはできないという信念に加え、隊の誇りにも訴えかけられた恭弥は、ついに戦闘を受ける決断を下しました。
ただし、使用武器はナイフのみ、銃の使用は禁止という条件を提示し、さらに戦闘に入る前に周防を始末すると宣言します。
動揺した虎太郎は、恭弥に「千億円」を提示して取引を持ちかけます。さらに周防も「二千億円を払う」と命乞いを始め、即座の支払いや今後一切姿を見せないことまで申し出ました。
その提案を受けた恭弥は相手のやり口を冷ややかに見下ろし、こう言い放ちます。
恭弥「次はないぞ」
©Kakao piccoma Corp.
周防はこの言葉を許しと受け取ったのか、頭を下げて感謝の言葉を述べます。しかしその表情には、金で全てを丸く収めたという慢心がにじんでいました。
その刹那、恭弥は無言のまま彼の頭を掴み、首を180度へし折って即死させます。巨額の金も懇願も通じず、あまりにも呆気ない結末に、現場にいた面々は言葉を失いました。

ついに迎えた周防の最期は、金と権力にまみれた彼の人生そのものを象徴するような幕引きでした。
印象的だったのは、「次はないぞ」という一言に対する周防の反応です。表向きには感謝を示しつつ、内心では勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

この瞬間にこそ、彼の本質が凝縮されていたように思えます。金で人間の命も感情も支配できると信じて疑わなかった結果が、あの無慈悲な死でした。
恭弥の行動には一切の躊躇がなく、まさに「私刑」ともいえる断罪が下されます。正義とは何か――その定義は人によって異なりますが、少なくともこの場においては、彼の手でしか果たし得ない清算だったのではないでしょうか。
見どころ2:「誰も死なせねぇ」覚悟の采配
周防の死に激昂した虎太郎は、恭弥に向かって怒声を上げます。恭弥は冷静に応じ、戦う意思があるのかを問いかけました。
虎太郎が殺意をあらわにすると、恭弥はあらためて「銃を使わない」という取り決めを確認し、正面からの勝負を受けて立つ姿勢を示します。
両陣営とも武器を地面に置き、恭弥の指示で安西と宇野が銃を回収。周囲を警戒しながら、いよいよ戦いの準備が整えられていきます。
この局面で、恭弥の胸中には大きな葛藤がありました。
すでに目的は果たし、これからの戦いは不必要なものであり、この判断は本当に良かったのだろうかという迷いが浮かびます。しかし煉谷は、たとえ敗れてもこの戦いが自分たちの誇りになると背中を押しました。
その言葉を受け、恭弥は覚悟を固めます。
恭弥「何が何でも絶対に勝ちます」
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恭弥にとって、この戦いは本来であれば避けられるはずのものでした。
周防を始末した時点で目的は達成されており、それ以上の衝突は命を賭けるだけの「余計な代償」でもあったはずです。にもかかわらず彼が刃を交える道を選んだのは、煉谷の言葉にある「誇り」という価値を、真正面から受け止めたからではないでしょうか。
銃を捨て、刃物だけで戦うという条件は、単なる意地のぶつかり合いではありませんでした。むしろそれは、恭弥なりの現実的な配慮だったと言えます。

開けた場所で銃撃戦になれば、敵味方問わず死者が出るのは避けられない。だからこそ彼は、味方の被害を最小限に抑えるために、あえて近接戦闘を選んだのでしょう。
そして何より印象的なのは、「誰も死なせねぇ」という彼の強い意志です。
ただ勝つのではなく、生きて帰すことにこだわるその姿勢には、冷静な判断だけでなく、仲間への深い責任感がにじんでいました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第220話
- 煉谷が挑発を受けて激昂し、即時交戦を主張
- 武器制限を設け、ナイフのみで戦うことを決定
- 戦闘開始前に恭弥が周防の処刑を明言
- 虎太郎と周防が巨額の金で取引を試みた
- 周防の「金ですべて解決できる」という慢心が浮き彫りに
- 恭弥が「次はないぞ」と最後通告を与える
- 油断した周防を即座に殺害、場を完全に制圧
- 銃撃戦による犠牲を避けるため、恭弥は近接戦を選んだ
- 「誰も死なせねぇ」という意志が恭弥の本質を示す
- 誇りと現実の両立を貫いたリーダーとしての覚悟が際立った
- 次回記事:221話:煉谷と虎太郎が真っ向勝負で激突
- 前回記事:219話:恭弥が周防を殴打し怒りを叩きつける
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