※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第226話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、内閣情報官・楠木が恭弥を訪ね、ユニコーン事業の設立委員長就任を要請しました。恭弥はその申し出を断った後、スミセン・神代・ミシェルへ次々と連絡を取ります。
そして今回は、いよいよ残された相手──両親への電話に踏み出す恭弥。その一方で、周防の事件を巡る報道や氷室との会話など、複数の場面が描かれます。
見どころ1:恭弥を支える父と母の言葉
恭弥は仁道病院の病室から、久しぶりに両親へ連絡を取ろうとします。ミシェルとの電話を終えたあと、「さてと残るは両親だ」と口にする恭弥。どこか緊張をにじませながら、母・花恋へ電話をかけます。
一方、自宅では花恋が体調を崩して寝込んでおり、看病する父・誠司と会話を交わしていました。
息子が人を殺すところを見てしまったためか、花恋は「自分の息子を怖いと思ってしまった」と涙を流します。そんな彼女の手を握り、誠司は静かに励ましました。
そこに恭弥から電話が入り、花恋は思わず身を起こします。無事を確認すると、安堵と共に涙をこぼしました。
電話を代わった誠司は、恭弥に向けて「何も言わなくても、重要な仕事を任されていることくらいわかっている」と伝えます。
親として息子がしていることは、無理に問い詰めず、帰ってくる場所を守ることだけなのだという信念が見られた場面です。
電話を終えた恭弥は、心の中でこう噛みしめていました。
恭弥(オレのことを心配し見守ってくれる両親…この人生で一番の幸運は二人の息子になれたことだ。莫大な財産も世界的人脈も二人の存在には敵わない――)
©Kakao piccoma Corp.
どれだけ世界を相手にしても、心の支えとなるのは「家族」であることを実感させられるひと幕でした。

この場面で胸を打たれるのは、母・花恋の告白と、それを支える父・誠司の包容力です。
息子が国家から重大な任務を託されていることを察しながらも、その現実があまりに異質だったため、「自分の息子が怖い」と感じてしまった花恋。
その言葉に込められたのは、母としての愛情と戸惑いの入り混じった複雑な想いでしょう。
そんな花恋を「気が動転していただけだ」と受け止める誠司の言葉は、この家族にはなくてはならない柱なのだと感じました。
そして、電話口の恭弥に向けて「何も言わなくても大丈夫だ」「一日に一回は母さんに連絡してやれ」と語る誠司の声は、どんな言葉よりも安心を与える「居場所」そのものでした。

「莫大な財産も世界的人脈も二人の存在には敵わない――」これは彼の戦いの根底にある「守るべきもの」の正体をはっきりと示す言葉でした。
見どころ2:周防事件の処理と政府の意図
その後、夕食の時間になり、ダエルが弁当を持って病室へ。2人で食事を取りながらテレビをつけると、ニュースでは周防会長の自宅でテロリストとの交戦があったこと、違法武器の押収、そして清水グループ全体のダメージが報道されていました。
その様子を見て、ダエルは恭弥にこう話しかけます。
ダエル「内閣情報調査室が上手く処理したみたいっすね」
©Kakao piccoma Corp.
ほどなくして、DIが製作したドラマ『彼女は僕の女神』が放送スタート。
タイトルのダサさに恭弥がツッコミを入れると、ダエルは報道番組の専門家の言い回しを真似てからかい返します。
2人の何気ないやり取りが、少しだけ緊張をほぐすひとときとなっていました。

このシーンで注目すべきは、ダエルの何気ない一言に込められた「報道の裏側」です。
ダエルの「内閣情報調査室が上手く処理したみたいっすね」というセリフは単なる感想ではなく、周防会長の邸宅で起きた武装集団との交戦、そして違法武器の押収という重大事件を、内閣情報調査室がいかに巧みに処理したかを指しています。
処理の仕方を間違えば、政権を揺るがしかねない大スキャンダル。
しかし、報道では周防個人の問題として位置づけられ、背後にある政官界の闇や政府との繋がりには一切触れていません。

清水グループ全体には確かなダメージを与えつつも、現政権には波及しないよう緻密に「着地点」を整えた情報操作、それこそがこのセリフの示す「上手く処理した」なのでしょう。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第226話
- 恭弥は入院先の病室から久々に両親へ電話をかける
- 自宅では花恋が体調を崩し、誠司が看病していた
- 花恋は「息子が怖い」と本音を漏らし涙を流す
- 誠司は「何も言わなくていい」と恭弥を受け止める
- 恭弥は家族の存在こそが最大の支えだと実感する
- 清水グループへの強制捜査がニュースで報道される
- 内調は事件を巧妙に処理し、政権への火の粉を避けた
- 次回記事:228話:ダエルが学校を辞め戦力強化を提案
- 前回記事:226話:恭弥がユニコーン委員長就任を即拒否
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