※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第231話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が氷室に願い出て、小林梓に面会する許可を得ようとしました。彼は過去の自分と重ねながら、「意識がなくても言葉は届く」と語り、梓に声をかけたいと申し出ます。
そして今回は、恭弥がついに集中治療室へと入り、昏睡状態の梓に向けて真っ直ぐな言葉を投げかけます。彼の祈りのような訴えが、思わぬ変化を引き起こすことになります。
見どころ1:恭弥の言葉が届けた奇跡
小林梓が運ばれた集中治療室の前で、恭弥は氷室院長と共に中へ入ります。
意識を失ったままの梓の手を取り、自分もかつていじめられていたこと、そして仲間たちが変わり始めていることを語りかけました。
恭弥「オマエが目を覚ましたら、アイツらから謝罪が聞けるはずだ・・・だからどうか目を覚ましてくれ」
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話し終えた直後、梓の心拍数が上昇し、氷室がすぐに応援を要請。駆けつけた両親の前で、彼女は「お母さん…」と声を発し、意識を取り戻します。
喜ぶ母親の姿とは対照的に、氷室はあくまでも慎重な態度を崩しません。「中治り現象」の可能性を指摘し、今夜が峠だと説明します。
エレベーターでの移動中、恭弥は「自分は何の役にも立てなかったのでは」と落ち込みますが、氷室は「心は救われたはず」と言葉をかけました。
そして翌朝、氷室が病室に現れ、梓の容態は安定し、峠を越えたと伝えます。

この場面で印象的だったのは、やはり恭弥が意識不明の梓に語りかける場面です。
彼は、自らの過去や仲間たちの変化(イジメた側、イジメられた側)を通じて「生きること」にもう一度目を向けるよう、梓の心に訴えかけます。
ただ励ますのではなく、自分もかつて同じように苦しんだことを明かし「一緒にここから変わろう」という対等な目線で語っているのが印象深いです。
恭弥は、根本や門倉といった過去にいじめられていた後輩たちが、今では楽しく学校に通っていることに触れます。
そして、自分が更生させた鬼塚や姫野までもが変わろうとしていると語り、梓が目を覚ませば謝罪の言葉を聞けるだろうと続けました。

「もう安心してもいいんだ」という希望がこもったこの訴えが、奇跡のように梓の意識を呼び戻すきっかけになったのかもしれません。
見どころ2:ヴァシリの名を告げるラノックの電話
氷室院長は梓の病体の話を終えると、まずは恭弥の手の状態を確認します。
幸いにも回復は順調で、もし日常動作に支障が出るようならすぐ報告するようにと指示されます。続けてダエルの右肩の傷もチェックされ、こちらも深刻な問題は見られませんでした。
恭弥は、自分の回復具合について「正確にはどうなのか」と尋ねますが、氷室は「一般人とは違うので判断が難しい」と答え、安易な退院は許可できないと強調します。
それでも、2人がすぐに退院したいことを見越して「今日一日の様子を見てから判断する」と柔らかく伝えて病室を後にしました。
その後、ダエルは「教師の仕事を1年間休む」と語ります。佐古田の問題がまだくすぶっている中、軽々しく職場に戻ることはできないと判断したようです。
そして場面が切り替わり、恭弥の携帯にラノックからの着信が入ります。
恭弥は応答し、退院の予定を伝えると、ラノックはロシア大使ヴァシリから連絡があったと告げます。
恭弥(ヴァシリって…あのイカついロシアの担当者?アイツがどうして…)
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突如名前が出てきた人物に、恭弥は疑念を抱きながら電話越しの会話を続けていきます。

展開の転機となるのは「当分は予定もない」と語っていた直後に、ラノックからの連絡が入る展開です。
恭弥とダエルが治療を終え、ようやく少し落ち着けるかと思われた矢先に、再び新たな火種が舞い込んできます。
特に注目したいのは、ラノックが名前を出した人物がヴァシリだった点です。
過去の描写からもわかる通り、ヴァシリは只者ではなく、国際的な権力や情報網を握る存在です。

その彼がこのタイミングで接触を図ってきたということは、単なる挨拶では済まない何かが背後にある可能性を示唆しています。
恭弥自身も「ヴァシリって…」と即座に警戒心を抱いており、彼の勘の鋭さと経験値が読み取れる瞬間でもありました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第231話
- 恭弥は意識不明の梓に自身の過去と仲間たちの変化を語りかけた
- 「謝罪を聞ける」と伝える言葉が梓の覚醒のきっかけとなった
- 氷室は「中治り現象」の可能性に触れつつも回復を見守る姿勢を見せた
- 翌朝には梓の容態が安定し、峠を越えたと報告される
- ダエルは教師職を1年間休職する意向を明かし、慎重な姿勢を見せた
- ラノックからの電話でヴァシリの名が挙がり、新たな展開の予感が生まれた