※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第252話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥たちが圧倒的な力で模擬戦を制し、その状況に耐えきれなくなった西郷が訓練の打ち切りを決断しました。プライドをかけた攻防は唐突な幕切れを迎えます。
そして今回は、西郷が恭弥の正体を知り、部隊の憧れである「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」と結びつけます。さらに極秘作戦の目的が語られ、隊員たちの士気にも影響を与える重要な回となっています。
見どころ1:謝罪しつつも西郷の真剣な問いかけ
模擬戦が終わり、恭弥と京極が外へ出ると、西郷とその部下たちが姿を現しました。京極は、敬礼すべき相手は自分ではなく指揮官である恭弥だと告げます。
すると部下たちは恭弥に向かって敬礼し、恭弥もそれに応じました。両者の間には緊張感を含んだやり取りが続いていきます。
西郷は、部下たちに武器を片付けさせるために先に兵舎へ返します。その後、西郷は恭弥たちの前に深く頭を下げ、今朝の隊員たちの無礼を謝罪するのでした。
そして、今回の訓練に関する核心的な問いを投げかけました。
西郷「国家機密だとは聞いています。ですが少なくとも指揮する立場としてうちの隊員たちがどうしてこのような訓練を受けるのか知っておきたいのです」
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この言葉からは、西郷が部下を守ろうとする強い責任感と真摯な姿勢が伝わってきます。京極は、自分には答える立場がないとして煉谷に連絡するよう指示しました。
すると西郷はその場で電話をかけ、やがて会話は恭弥へと引き継がれます。こうして、訓練の目的をめぐるやり取りが始まろうとしていたのです。

このシーンで印象的なのは、西郷が誠実に謝罪をしつつも、この訓練の理由を教えて欲しいと願い出た部分です。
彼はまず部下の無礼を謝罪し、場の緊張を和らげました。そのうえで「何も知らないまま訓練を受けさせるわけにはいかない」と問いかけ、指揮官としての立場を示します。この姿勢は、勝敗のいかん関係なく、部下を思いやるリーダーの資質が垣間見えました。
国家機密である以上、詳細を明かすことは難しい状況でした。しかし、隊員たちが理由を知らずに敗北すれば、その努力は正しく評価されず、士気の低下を招く恐れがあります。だからこそ西郷が「最低限の情報だけでも」と求めた行為は、現場を指揮する者として当然の判断でした。
このやり取りは、恭弥と京極が抱える機密の重さを明らかにすると同時に、西郷の葛藤を示しています。最終的に煉谷へ直接確認する流れになったことで、西郷のすぐにでも知りたいという真剣さがよく伝わりました。
見どころ2:ヒーローとして語られていたゴッド・オブ・ブラックフィールド
恭弥が西郷にスマホを返すと、西郷は煉谷から「恭弥は何者なのか」を教えられます。すると、西郷は表情を変えて恭弥を見ました。驚きと戸惑いをにじませながら、彼は恭弥の正体に気づきます。
やがて「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」という名を口にし、モンゴル作戦での伝説的な活躍と結びつけるのでした。
西郷「先輩もご存じなかったのですか?黒川先輩を救出した要員のコードネームが『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』なんですよ!うちの隊員たちが一番会いたがっているスーパーヒーロー!」
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京極もまた、過去に恭弥を見送った夜を思い出し、自分が黒川救出の作戦から外されていたことを知ります。彼は悔しさをにじませつつも冗談を交え、戦友を思う気持ちを口にしながら恭弥への不満をぶつけました。
その後、西郷は部下たちの士気を立て直すため、恭弥との交流を望みます。隊員たちが憧れの存在と会えば気持ちも変わると考え、BBQでの席を提案しました。
やがて話題は訓練の本当の目的へと移ります。恭弥は煉谷との約束を踏まえ、語り始めます。それは、テロを起こした「敵国」に制裁を加えるための極秘作戦であり、第一の標的は中国となる可能性が高いという内容でした。

この場面で面白いのは「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」という名がただの符号ではなく、隊員たちの間で伝説的な存在として語られていた点です。
西郷がその名を口にした瞬間、恭弥の正体が明かされるだけでなく、部隊全体の士気を立て直すきっかけが生まれました。
これまでの模擬戦で恭弥が圧倒的な力を示したことは、普通なら隊員たちの自信を大きく傷つけかねません。しかし「相手がただの人間ではなく、憧れのヒーローだった」と理解できれば、敗北も屈辱ではなく誇りに変わります。
そうした意味で、西郷が恭弥の正体を知り、部下たちへ伝える展開は今後隊員たちと恭弥がコミニケションを取るうえで良い方向に向かいそうです。

結果として、恭弥は今回の訓練で力を誇示しながらも反感を買うことなく、むしろ隊員たちから敬意を集める道を作り出しました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第252話
- 模擬戦が終わり、外に出た恭弥と京極の前に西郷たちが登場
- 西郷は部下を兵舎へ返し、まずはしっかり謝罪
- そのあと訓練の理由を問いかけ、指揮官らしい姿勢を見せる
- 機密ゆえ答えは出せなかったが、西郷の真剣さは本物だった
- 煉谷との通話で、西郷は恭弥の正体を知って驚く展開に
- 「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」が隊員たちのヒーローだと判明
- 圧倒的な力もヒーロー像と重なり、敗北がむしろ誇りに変わった
- 前回記事:251話:西郷が敗北を認め模擬戦の終了を決断する
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