※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第253話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、西郷が煉谷へ直接連絡を取り、恭弥が「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」であることを知りました。さらに恭弥は訓練の真の目的を明かし、国家への報復を世界に示す意図が語られました。
そして今回は、西郷が隊員たちに恭弥の正体を告げ、沈んでいた空気が一気に変わります。さらに成瀬とのやり取りを通じ、実戦経験の重さが浮き彫りとなる回です。
見どころ1:西郷が告げた恭弥の正体
模擬戦を終えた夕方、恭弥は建物の外で京極や西郷と並び、今回の作戦の目的を語った。内容は「国家への報復を世界に示す」という壮大なものだったため、西郷は胸の高鳴りと同時に不安も抱きます。その場の緊張を和らげるように、京極が食事を提案し、一同は訓練場の外へ移動するのでした。
そこでは隊員たちがバーベキューの準備をしていましたが、敗北の余韻を引きずり、沈んだ空気に包まれていました。その状況を見た西郷は前に出て、全員を集めると、まず敗北を認めさせたうえで、彼らが戦った相手の素性を説明します。
京極や安西たちの名を紹介したあと、西郷は恭弥が「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」であると明かします。隊員たちは驚きに包まれ、やがて拍手とコールが起こり、場の空気は一気に盛り上がりを見せます。
恭弥が照れながら食事を促すと、西郷はさらに言葉を投げかけました。
西郷「そう…お前たちだ!お前たちの中で実力と度胸が認められた者は、ゴッド・オブ・ブラックフィールドと作戦を共にする栄光を手にできる!」
©Kakao piccoma Corp.
その宣言を受けた隊員たちは雄叫びを上げ、沈んだ空気が一気に解消されます。そして西郷の号令で宴が始まり、沈んでいた空気は次第に活気に満ちたものへと変わっていくのでした。

このシーンで印象的なのは、敗北で沈んでいた隊員たちの表情が一気に変化する瞬間です。
西郷が恭弥の正体を明かしたことで、それまで重苦しかった空気が一転し、拍手や歓声へとつながっていきました。模擬戦で味わった悔しさが、憧れの存在と同じ場を共有しているという高揚感に置き換わったのだと感じられます。
また、この場面からは彼らがどれほど「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」をヒーローとして意識していたかも見えてきます。モンゴル作戦での功績を耳にしていた隊員たちにとって、恭弥は遠い存在でした。それが目の前に現れ、同じ食事の場にいるという事実は大きな誇りとなったはずです。
敗北感から士気の高まりへと一瞬で切り替わる様子は、彼らの憧れの高さを垣間見れました。
見どころ2:「殺す覚悟」が生む決定的な差
バーベキューが始まり、恭弥は席に座って食事をしていました。そこへ隊員の成瀬陸(なるせ りく)が現れ、隣に座ると自己紹介をします。彼はユニコーン発表会の際に恭弥の指示を受けた経験を語り、目の前の人物が「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」であることに驚きを隠せませんでした。
続いて成瀬は、模擬戦で自分たちが惨敗した理由を尋ねます。恭弥は細かな戦術を説明する代わりに、本質的な一点を突きました。
恭弥「殺したことのないヤツの覚悟なんてたかが知れてる。それがオマエたちの敗因だ」
©Kakao piccoma Corp.
成瀬は海外での合同訓練や実戦経験を持ち出して反論しようとしますが、恭弥は「人を殺した経験」の有無こそが決定的な差だと断言します。その言葉に成瀬は黙り込み、敵対心を抑えながらもなおプライドを残している様子でした。
最後に恭弥は西郷へ、翌日の訓練を自分に任せるよう依頼し、了承を得ます。そして成瀬に対して、今の彼に足りないものを訓練を通して理解させると告げるのでした。

この場面で印象的なのは、恭弥が敗因を戦術面ではなく「人を殺す覚悟」という一点に絞って突きつけたことです。
模擬戦での力量差を語る上で、経験の有無が決定的だと示す言葉には重みがありました。
一方で、成瀬の顔には納得しきれない様子がにじんでいます。海外での訓練経験を持ち出し、自分たちの実力を主張しようとする姿には、敗北をそのまま受け入れられない若い隊員としてのプライドが残っていました。
恭弥の指摘と成瀬の納得いかない様子が交錯したやり取りは、彼らがまだ「覚悟」の意味を完全には理解していないことを示しています。訓練を通じてその差がどう埋められていくのかが気になる展開でした。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第253話
- 恭弥が語った作戦のスケールに、西郷が揺れる姿が印象的だった
- 沈んでいた空気を京極の軽妙さが和ませた流れがよかった
- バーベキューの場で、西郷が隊員に敗北を受け止めさせたのも大きな一歩
- 京極や安西の正体に続き、ついに恭弥の素性が明かされた瞬間は熱かった
- 「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」の名に、隊員たちが歓声を上げる高揚感が伝わった
- 憧れの存在と同じ場を共有する喜びが、士気を一気に押し上げた
- 成瀬が真っ直ぐに敗因を問いかけたことで場面に緊張感が生まれた
- 恭弥が突きつけた「覚悟」の差が、今後の訓練の伏線になっていた
- 前回記事:252話:西郷が謝罪し訓練理由を聞きたがる
- 総リンク:『ゴッドオブブラックフィールド』全ての感想記事リンク一覧
- 用語記事:登場人物・主要キャラ・用語まとめ