※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第260話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥がラノックからイギリス奇襲の情報を受け取り、フランス外人部隊の指揮を任されることになりました。そして、隊員の中から八名を選抜し作戦に同行させる決断を下します。
そして今回は、成瀬への突然の任命をきっかけに選抜の準備が進み、さらにラノックからLHCを巡る衝撃の情報が明かされました。任務の規模と危険性が一層際立つ展開となっています。
見どころ1:成瀬に託された選抜の重責
午前中、兵舎前のグラウンドでは、恭弥が任務に連れていく人選について仲間たちと話し合っていました。
彼は、すでに一人は決めていると告げたうえで、残りの選抜もその人物に一任すると宣言します。この発言を受けて、西郷も了承し、最終的な指揮は恭弥が執ることが確認されました。
昼食の時間になると、食堂に集まった隊員たちの前で西郷が訓練の中止を告げ、恭弥に場を譲ります。そこで恭弥は、「明後日、狙撃手を含む八名に休暇が与えられる」と発表しました。
しかし彼は続けて、その「休暇」が特別な意味を持つことを強調し、危険を伴う実戦に近いものであると暗示します。その説明により、隊員たちの間には緊張感が走り、特に成瀬は、これはただの休暇ではないと直感しました。
この場面で、恭弥は成瀬を名指しして大きな役割を与えます。
恭弥「オマエにはメンバーのリストアップを任せる」
©Kakao piccoma Corp.
突然の指名に驚きつつも、成瀬は覚悟を決めて応じます。さらに恭弥は、今回の任務を「後方支援にあたる実戦訓練」と位置づけ、隊員たちに準備を促しました。
こうして場は解散となり、部隊は次なる作戦に向けて動き出す流れが整ったのでした。

このシーンで印象的だったのは、恭弥が成瀬に大きな役割を一任した点です。
まだ若い隊員の一人である彼に任せるという判断は、恭弥がその実力と可能性をしっかりと認めている証だと感じました。単なる指示ではなく、信頼を込めて託したように見えます。
また、この任命は物語の流れを考えると象徴的です。裏を返せば、成瀬が今後ただの脇役ではなく、恭弥たちの側で行動を共にする存在へと成長していく布石のようにも思えました。実戦に挑む中で彼がどう変化していくのか、その姿に期待が高まります。
見どころ2:ラノックの説明に感じる空白
午後、恭弥はフランス大使館でラノックから情勢の説明を受けました。
話題となったのは「LHC(大型ハドロン衝突型加速器)」です。これはフランスとスイスの国境にまたがる世界最大規模の実験施設で、理論的には地震を引き起こせる可能性があるとされていました。
しかし現実的には不可能であり、さらに国際的な合同プロジェクトであるため、フランスが独自に改造を進める余地はありません。
本来であれば、イギリスもこの事実を理解しているはずです。それにもかかわらず、フランスによる軍事利用の可能性を理由にLHCの破壊を試みていることには、大きな矛盾がありました。
恭弥(イギリスも馬鹿じゃない限りそのことはわかってるはず・・・ ならどうして?…まだ何か隠してやがるな。まぁいい、これは一旦置いておこう)
©Kakao piccoma Corp.
つまり、ラノックがまだ何かを伏せているのではないかという疑念が、恭弥の中に生まれていたのです。こうして場面は、表向きの説明だけでは収まりきらない不安を残す形で進んでいきました。

この場面で印象的なのは、恭弥がラノックの説明を受けつつも、すべてが語られていないと悟っていた点です。
LHCの性質を理解しているからこそ、イギリスの行動には矛盾があり、背後に別の要素があることに気づいたのでしょう。
ただし、この気づきはラノックに対する不信感ではありません。むしろ恭弥は彼を信頼しており「今は語られない」という事実そのものを受け入れていました。つまり、ラノックがあえて伏せているのなら、それは現時点では必要のない情報だと理解しているのです。
この一連のやり取りから、恭弥の冷静さと判断力、そしてラノックとの信頼関係の深さが伝わりました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第260話
- 成瀬が選抜リスト作成を任される場面が描かれた
- 恭弥が隊員たちに「休暇」という名の実戦任務を告げた
- 成瀬がただの休暇ではないと直感した描写がある
- フランス大使館でラノックからLHCの説明がなされた
- イギリスの行動とLHCの性質に矛盾があることが浮かんだ
- 恭弥がラノックの説明に空白を感じつつも信頼を保った
- 次回記事:261話:恭弥が黒川に日本単独での作戦決行を要請
- 前回記事:259話:特殊部隊を同行させたいと恭弥が条件提示
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