※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第261話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥がフランス大使館でラノックと会談し、イギリスの特殊部隊SBSがすでに現地に到着していることや、フランス側の出遅れによる不利な状況が明らかになりました。さらに、成瀬に隊員選抜を任せ、作戦に向けて準備を進める姿が描かれました。
そして今回は、出遅れを挽回するために恭弥が日本の特殊部隊を率いて単独で動こうと決意します。ラノックや黒川とのやり取りを通じて、作戦の重みと彼の覚悟が描かれる一話です。
見どころ1:ラノックの心配と恭弥の決断
フランス大使館での会談は、260話から続く緊迫した空気を引き継いでいました。
すでにイギリスの特殊部隊SBSは現地に到着している一方、フランスの外人部隊は招集が一日遅れており、出発しても現場に到着するまで二十時間近くかかるという厳しい状況が明らかになります。
SBSが先に動けば、フランス側は後手に回るしかありません。ラノックも「彼らを防ぐ手立ては現状ない」と認めざるを得ませんでした。
そうした劣勢を受け、恭弥は自ら日本の特殊部隊と動く覚悟を固めていきます。ラノックに輸送機の準備を問えば、すでに待機させていると告げられ、あらかじめ彼の行動を読んでいたかのような用意周到さに苦笑するのでした。
恭弥(何だ?まるで待ってましたと言わんばかりに・・・いや実際に待ってたんだろう)
©Kakao piccoma Corp.
別れ際、ラノックは「君を失ってしまったら…」と本音を覗かせるように恭弥を案じます。仮面のように冷徹な外交官の姿を見慣れていた恭弥にとって、その言葉はかえって不思議に響きました。
しかし彼はただ小さく笑みを浮かべ、「ご心配には及びません」と答えて席を立つのでした。

このシーンで印象的だったのは、ラノックの言葉に迷いを感じながらも、恭弥が自分の進むべき方向を見失わなかった点です。
外交官としての顔を崩してまで気遣う姿は、仮面を外した本音のようにも見えますし、逆に計算された演出かもしれません。その真意がどちらであっても、恭弥の決意を揺らすことはありませんでした。
このやり取りから見えるのは、恭弥がすでに腹をくくっているということです。相手がどんな表情を見せても、「戦うしかない」という判断は揺るがず、むしろ状況を受け入れる強さを示していました。
外交的な駆け引きよりも、自分の行動で事態を動かすという意思がはっきり表れています。
見どころ2:日本単独作戦への転換
夜の黒川のオフィスに恭弥から電話が入りました。黒川が応答すると、恭弥は今回の件を日本の単独作戦として進めたいと真剣に訴えます。
相手がイギリス海兵隊の特殊部隊SBSであることを知った黒川は驚きましたが、その強い意志を無視することはできませんでした。
このとき恭弥は、隊員選抜の準備が進んでいることを説明します。
恭弥「はい、隊員8名の選抜は成瀬ってヤツに任せてあるので、狙撃手2名を含めあと12名手配していただけますか?」
©Kakao piccoma Corp.
この発言には、厳しい戦況を覚悟しながら自ら指揮を執る決意が込められていました。
黒川は前例のない要請に戸惑いを見せましたが、最終的には上層部に掛け合うと約束します。電話を切った後、彼が深いため息をついたのは、作戦の重みを改めて実感したからでした。

このシーンで際立っていたのは、作戦の立ち位置が大きく変化した点です。
当初、恭弥は指揮を執るものの、日本の特殊部隊はあくまで後方支援という想定でした。しかし、状況が進むにつれて流れは変わり、必要な戦力をすべて日本人隊員で構成し、前線に出る形へと転じています。
このやり取りから伝わってきたのは、恭弥の覚悟の強さです。彼はフランス、つまりラノックを助けたいという思いを抱きながらも、このままでは間に合わないと判断し、日本の特殊部隊を引き連れて即座に出撃する決意を固めました。
この場面で浮かび上がるのは、非常に高いリスクを承知の上で踏み出す姿勢です。もし作戦を成功させることができれば、成瀬だけでなく他の特殊部隊員たちも、これまで欠けていた実戦経験という大きな財産を得ることができます。
しかし同時に、それは死と隣り合わせの道でもありました。隊員の半数が帰還できないかもしれないという危険をはらみつつも、それでも恭弥は進むことを選んだのです。その決断の重みと、関わる者たちの覚悟の強さが印象に残りました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第261話
- フランス大使館でSBSの先行到着と外人部隊の遅れが判明
- ラノックが輸送機をすでに用意していたことが明かされる
- 恭弥は不利を承知で日本の特殊部隊と出撃する覚悟を固める
- ラノックが「君を失ってしまったら」と本音を漏らす場面が描かれる
- 黒川に対し、日本の単独作戦として進めるよう強く訴える恭弥
- 恭弥は成瀬を中心とした隊員選抜に加え増員を要請する
- 黒川は前例のない要請に戸惑いながらも最終的に協力を約束する
- 次回記事:262話:首相官邸でフランス作戦の是非を巡る激論
- 前回記事:260話:成瀬が隊員選抜を一任され覚悟を決める
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