※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第264話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、沢村首相が単独作戦を承認し、西郷が追加隊員の選抜を任されました。恭弥は出発前に両親へ言葉を残し、再び危険な任務へ向かう決意を固めます。
そして今回は、恭弥が仲間たちと合流し、作戦前夜の緊張を共有します。さらに空港では予想外の人物が姿を現し、隊員たちの士気を大きく高める展開となりました。
見どころ1:早すぎる集合に隠された理由
エレベーターで1階へと降りた恭弥は、もし無事に帰還できたら家族旅行に行こうと胸の内で誓います。
喫茶店に到着すると、すでに安西たち黒川の部下が待っており、恭弥は不思議に思いながらも席に着きました。約束の時間まで2時間もあるにもかかわらず、皆が早めに集まっていたのは同じ理由からでした。
ほどなくしてダエルも合流します。彼は妻から止められたと愚痴をこぼしつつも、止められても行く覚悟は揺るがない様子でした。
さらに、恭弥の胸にある不安を感じ取り、たとえ不吉な予感があったとしても乗り越えてみせると気合を入れます。
恭弥(そうは言っても…これまでで一番過酷な戦いになるだろう。相手はあのSBSだ。昔の体で…昔の仲間と一緒でも勝利を確信できない。今のオレの体は万全じゃないうえ、一緒に行く隊員も実力者ではあるが、長年共に死線を乗り越えてきた外人部隊のヤツらとは違う)
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重苦しい空気が漂う中でも、互いの士気を確かめ合うように言葉を交わし、緊張の時を過ごす一同。やがて喫茶店の外に迎えの黒いワゴンが到着し、いよいよ決戦の地へ向かう時が来たのでした。

このシーンで際立っていたのは、全員が約束の時間より早く喫茶店に到着していた理由です。
ただの心配性や準備のためではなく、もっと個人的で複雑な事情があったように思えます。
大切な人と挨拶を交わしたい気持ちはあるものの、本当の作戦内容を伝えることはできません。引き止められるような言葉をかけられることもあるでしょう。
そこで、嘘を重ねて取り繕い、最終的には気まずさから逃げるように家を出てしまった。その結果、自然と早めの到着につながったのだと考えられます。
このやり取りから、彼らが抱える葛藤と不安が強く伝わりました。
見どころ2:空港での予想外の激励
黒いワゴンに乗り込んだ恭弥たちは、深夜の空港へと到着しました。
フランス人運転手に見送られた後、政府関係者の指示で一度足を止めます。ここで待機するよう求められた彼らは、状況を把握できないまま緊張を募らせました。
やがて黒いセダンが三台並び、そこから沢村首相が姿を現しました。国のトップの登場に、恭弥は思わず驚きます。
直後に現れた西郷准尉と共に、首相は隊員たちが待機するバスへと向かいました。隊員一人ひとりに直接声をかけ、激励を行うその姿は異例であり、現場の空気を引き締めるものでした。
見送りを終えて首相が去った後、西郷は恭弥の前に戻り、彼を抱きしめます。仲間を託すという思いを言葉にしたその姿に、恭弥は強く応じました。そして、彼は隊員たちを前に立たせ、決戦へ向けて力強く声を上げます。
ダエル「ひよこにしてはいい面構えしてんじゃねえか」
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バスから降り立った若い隊員たちは、互いに気持ちを高め合うように言葉を交わしました。こうして一同は、いよいよ決戦へと踏み出す準備を整えたのでした。

この場面で注目したいのは、空港に到着した直後の恭弥の心境です。
政府関係者に待機を命じられた彼は、時間が惜しい状況で足止めを食らい、内心では苛立ちを覚えていました。作戦前の緊張が高まる中で、こうした小さな待ち時間が余計に重く感じられたのだと思います。
このタイミングで姿を現したのが沢村首相でした。予想外の人物の登場に、恭弥だけでなくその場の全員が驚かされます。国のトップが直々に駆けつけたという事実は、作戦の重大さを示すだけでなく、彼らの戦いが国家そのものに託されていることを改めて意識させるものでした。
この一連の流れを経て、隊員たちの士気は大きく高まります。首相の激励を受け、西郷が仲間を託す言葉を投げかけたことで、緊張と不安を抱えながらも決戦に向かう強い覚悟が伝わってきました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第264話
- 恭弥は出発前に家族旅行を心に誓う
- 喫茶店に早く集まった隊員たちは大切な人との別れを避ける思いがあった
- ダエルは妻に止められながらも参加を貫く覚悟を示す
- 恭弥は今回の戦いが最も過酷になると内心で自覚する
- 仲間同士で不安を打ち消し合い、士気を高め合う
- 空港で政府関係者に止められ、恭弥は苛立ちを感じる
- 沢村首相が登場し、隊員一人ひとりに激励を行う
- 西郷が恭弥に仲間を託し、若い隊員たちが決意を固める
- 次回記事:265話:怪我を負いながら案内役を務めるジェラール
- 前回記事:263話:父の抱擁を受けた恭弥が家を後にする
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