※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第271話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が部隊を再編しスペツナズとの交戦に備え、作戦を指揮しました。また、ダエルは移動中にロシア製の地雷を発見し、さらに怪しい洞窟の存在を報告しました。
そして今回は、その洞窟をめぐってダエルが潜入を決断し、部下と共に緊張感の中で行動を開始します。一方で恭弥の班も敵を視認し、狙撃班を用いた先制攻撃に踏み切る展開へと進んでいきます。
見どころ1:恭弥の「誰も死なせるな」の重み
恭弥はダエルからの無線で不審な情報を受け取りました。
前方には多数の兵力が出入りできるほどの大きな洞窟があり、周囲にはトラップも仕掛けられているため、敵が重要拠点として利用している可能性が高いと予想されていました。恭弥は最終的な決断をダエルに委ねますが、「誰も死なせるな」とだけ強く言い残します。
ダエルは部隊全員の志願を受けつつも、全員を連れて行くわけにはいかず、井川と宇野の二人を選んで潜入班を結成しました。
ダエル(実戦経験を積ませるのも重要だが今回は本当に危険かもしれない。ここは少しでも経験のあるヤツをつれていくべきだ)
©Kakao piccoma Corp.
残る隊員には、通信機の叩き方で合図を送ることや音声通信の禁止といった細かいルールを指示し、待機を命じます。応援要請も段階的に行うよう定められ、緊張感のある指揮が徹底されました。
やがて潜入班は洞窟の入口に到着します。周辺に見張りはおらず、ダエルは手榴弾の扱い方などを確認しました。暗視スコープを装着し、ジグザグに進むよう指示を出すと、三人は音を立てずに洞窟の奥へ進んでいきます。内部には人工的に掘られた痕跡があり、かつて採掘や避難所として使われていた可能性がうかがえました。
通路は次第に狭くなり、やがて匍匐前進でしか進めないほどになります。その途中、ダエルはわずかに食べ物の匂いを察知し、先に誰かがいると確信しました。彼は部下に静止を指示し、緊迫した状況に備えるのでした。

このシーンで印象的だったのは、恭弥が「誰も死なせるな」と念を押したことでした。
その一言がダエルの判断基準を明確にし、実力のある井川と宇野を潜入班に選ぶ流れとなりました。恭弥はこの戦いで半数以上が命を落とすと予想していましたが、それでも死の可能性を少しでも減らしたいという思いが感じられました。
また、洞窟内を進む中でダエルが食べ物の匂いを敏感に察知した場面も印象深いです。古い掘削跡や狭い通路の描写からは緊張感が漂い、そんな中でわずかな匂いから「敵がいる」と確信する感覚の鋭さは、歴戦の傭兵らしさがありました。
見どころ2:久住が示した仲間への信頼
森の中を警戒しながら進んでいた恭弥の班は、異変を察知して潜伏します。
恭弥は視線の先に、霧の中で何やら会議をしている敵部隊を確認しました。距離は700〜800メートルほどで、少なくとも二つ以上の分隊が集まっていると判断されます。先に発見できたものの、この距離から射撃をしても命中する前に相手が身を隠す恐れがありました。
久住が近づき、狙撃班による敵指揮官の射殺を提案します。しかし、恭弥は一発で仕留められなければ意味がないと疑念を口にしました。
恭弥「狙撃班の腕は信じられるのか?一発で殺せなければ意味がないぞ」
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それでも狙撃班の技量を信じることにした恭弥は、射撃を許可します。
高地に配置されていた狙撃手は、距離1300メートルを正確に計測し、風や弾道を補正して冷静に照準を定めました。そしてカウントダウンののちに発射された弾丸は、敵の隊長と思われる人物の頭部を正確に撃ち抜きました。
狙撃班から「ターゲット除去完了」と報告が入り、恭弥たちの先制攻撃が上手く決まるのでした。

この場面で印象的だったのは、恭弥が狙撃の成功に懐疑的だったことです。
彼は訓練で主に室内戦を経験しており、狙撃班の実力を直接知る機会がありませんでした。だからこそ確信を持てず、同じ特殊部隊員である久住に確認したのでしょう。
久住は狙撃班の力を理解していたため、任せられると判断しました。その姿勢は仲間の能力を信頼しているからこそ取れるものであり、部隊全体の結束を支える要素になっていました。
そして狙撃班は冷静な計測と判断で標的を一発で仕留め、恭弥の疑念を払拭する成果を示しました。懐疑と信頼、そして実行が結びついたことで、部隊の絆がさらに強まったように感じました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第271話
- 恭弥は洞窟の存在を報告したダエルに最終判断を委ねた
- 「誰も死なせるな」という恭弥の言葉が部隊に重く響いた
- ダエルは全員の志願を受けつつ井川と宇野を選んで潜入班を編成した
- 洞窟内部で人工的な掘削跡や食べ物の匂いを察知し、敵の存在を確信した
- 恭弥の班は敵部隊を先に発見するも距離の問題で即攻撃は困難だった
- 久住は狙撃班に指揮官の排除を提案し、仲間の実力を信頼していた
- 狙撃班は1300メートル先の標的を一発で仕留め、作戦の成功を示した