※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第281話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥がSBSとの激闘を制し、ゴリラ大尉との決着をつけました。全員が生還し、スイスからの撤収準備が進む中、ダエルとの会話で束の間の安堵が描かれました。
そして今回は、日本への帰還を前に輸送機の中でジェラールが心情を語ります。作戦を終えた隊員たちの敬礼、そしてラノック大使からの緊急連絡へと、次の動きを感じさせる展開でした。
見どころ1:ジェラールの迷いと本音
輸送機の中では、まもなく日本に到着という機長の声を合図に隊員たちが準備を始めていました。
成瀬は荷物の確認を呼びかけ、とくにSBSから奪ったヘルメットを忘れるなと念を押します。仲間たちは浮き立つ様子を見せますが、恭弥はその気持ちを受け止め、黙って見守っていました。
一方、ジェラールは浮かれた空気の中で一人だけ真剣な表情を浮かべ、恭弥に「到着後にしばらく日本に滞在できるか」と相談を持ちかけます。さらに、任期が残り1年で延長か除隊かを悩んでいること、そして「リーダーのいない戦場はあまり面白くない」と本音を語りました。
恭弥(コイツ…責任感に押し潰されそうになってるんだな)
©Kakao piccoma Corp.
ジェラールは、今回の作戦で誰一人犠牲を出さずに勝利へ導いた恭弥に強い憧れを抱いており、自分も満足のいく戦いを終えたいと願っていました。
恭弥は積極的に呼ぶことはできないと前置きしつつも、「孤独を感じた時はいつでも来ていい」と伝えます。ジェラールはその言葉を受け止め、複雑な思いを抱きながらも安堵の表情を見せるのでした。

このシーンで印象的だったのは、ジェラールの言葉の裏にある本音でした。
彼は「リーダーのいない戦場は面白くない」と語り、恭弥のそばで戦うことを望んでいます。しかし、その真剣な表情からは、仲間と再び共に戦いたいという気持ちだけでなく、現在の立場に重くのしかかる責任から逃れたいという迷いも感じ取れます。
恭弥はそんな彼を見て、純粋な憧れや友情の言葉だけではなく、責任感に押し潰されそうになっている姿を感じ取っていました。仲間を守る立場である以上、ジェラールの決断は大きな意味を持ちますが、その気持ちが逃避心からきているのかどうかは簡単に判断できないところです。
それでも、恭弥が「孤独を感じた時は来てもいい」と伝えたのは、相手を否定せず受け止めるための配慮に思えました。ジェラールの願いと迷い、その両方を抱えた複雑な心情がよく伝わるやり取りだったように見えました。
見どころ2:別れの敬礼と次の兆し
日本に到着した恭弥たちは、空港で隊員たちと別れることになりました。
内閣情報調査室の安西が迎えの車を案内しますが、恭弥は隊員たちへ最後に一言挨拶する時間を求めました。
仲間の前に立った恭弥は、作戦終了を告げると同時に、命を落とさず勝利をつかんでくれたことへの感謝を伝えます。次にどんな作戦に臨もうとも、この経験を胸に刻んでほしいと語りかけました。
その言葉を受けて成瀬は号令をかけ、隊員全員が「ゴッド・オブ・ブラックフィールド」に敬礼を捧げます。恭弥も敬礼を返し、互いの健闘を称え合いました。
そこへフランス情報局の人間が近づき、ラノック大使からの緊急連絡を告げます。時刻は午前4時半でしたが、「なるべく早く通話をしたい」と伝えられ、恭弥はスマートフォンを手渡されます。ラノックの声を聞きながらも、恭弥の胸には新たな不安が広がっていきました。
恭弥(それにしても何でこんな急いで連絡を…まさかまた何かあったのか?)
©Kakao piccoma Corp.
こうして、安堵の余韻が漂う中にも、次なる展開の影が差し始めていたのでした。
このシーンで印象的だったのは、作戦を終えた仲間たちに対する恭弥の挨拶でした。命を落とさずに勝利を収めたことへの感謝と、次に直面する作戦でも今回の経験を忘れないでほしいという言葉は、短いながらも強い重みを持っていました。仲間と過ごした時間を区切りとしながらも、その絆が次の戦いに続いていくことを示しているように思えます。
また、全員で敬礼を交わす場面は、仲間同士の信頼と誇りが一体となった象徴的な瞬間でした。解団式を行わずとも、互いの思いが十分に伝わる締めくくりとなり、戦い抜いた者たちの結束を改めて感じさせます。
しかし、その余韻も束の間、フランス情報局からラノック大使の緊急連絡が届きました。安堵の中に新たな不安が差し込む展開は、これまでの作戦が一区切りを迎えた一方で、次なる大きな動きが待ち受けていることを示していました。
静かな別れと不穏な知らせが並ぶ流れは、物語の緩急をうまく表していたように見えました。

この場面で印象的だったのは、作戦を終えた仲間たちへ向けた恭弥の言葉と、その直後に漂い始める新たな展開の気配でした。
彼の挨拶は派手さこそありませんが、「命を落とさず勝利をつかんだことへの感謝」と「この経験を忘れず次へ進め」という思いが込められており、最後まで恭弥らしい落ち着いた締め方に見えました。
しかし、その余韻も束の間に終わります。フランス情報局からの突然の連絡が、次の出来事の始まりを予感させる流れとして挟み込まれました。穏やかな空気の中に再び緊張が戻り、物語が次章へ動き出す準備を整えているように見えました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第281話
- 日本到着前の輸送機内で、隊員たちは勝利の余韻に浸っていた
- 成瀬がSBSのヘルメットを「勝利の証」として大切に扱うよう呼びかけた
- 浮かれる隊員たちの中で、ジェラールだけが真剣な表情を見せていた
- ジェラールは恭弥に除隊後、日本に行く許可を求めた
- 恭弥は彼の言葉の裏に、責任から逃れたい迷いを感じ取った
- 「孤独を感じた時は来ていい」と恭弥が伝え、理解が交わされた
- 空港では恭弥が仲間たちへ感謝と労いの言葉を送った
- フランス情報局からの連絡で、次なる動きの予兆が示された