※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第284話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が沖縄で家族と穏やかな時間を過ごし、束の間の休息を満喫しました。その後、ラノックや黒川からの連絡を受け、再び国家レベルの任務に向けて動き始めます。
そして今回は、ラノックとの会談から始まり、ロシア大統領の訪日や石油開発権など、国際的な交渉の話題が飛び交います。恭弥の戦いが、ついに外交や経済の領域にまで影響を及ぼし始める回となりました。
見どころ1:一度の作戦が国を動かす
ラノックはまず、ロシア大統領が日本を訪問するという驚きの事実を伝えます。当初は非公開だったはずの訪問が、直前になって公開に切り替わり、さらにロシア側からラノックに仲裁を求めてきたというのです。
ラノックは、今回の交渉で日本側がどんな要求を出すかを慎重に考えるべきだと助言します。まずはロシアから「漁獲量の増加」を提案されるだろうと予測し、それは受け入れた上で、次の交渉でより大きな利益を得るようにと促しました。
恭弥が「ロシアにあってこの国にないものとは何か」と尋ねると、ラノックはまず「核」を例示します。核兵器の供与そのものはロシア次第で技術的には可能でも、国際社会が日本を核保有国として認めるかは別問題で、現実的なハードルが高いと示唆します。
そこで彼はより実務的な選択肢として「ロシアの石油開発権」を持ち出し、日本が資源確保で主導権を得る道を提案します。産油インフラや権益の獲得は長期的な国益に結びつき、外交カードとしても機能するという見立てでした。
ラノック「ああ、上手くいけばこの国は産油国になるだろう」
©Kakao piccoma Corp.
さらにラノックは、イギリスの情報局も恭弥との面会を望んでいると明かしました。今回の作戦で恭弥がロシアとイギリス双方に強い影響を与えたことを示唆し、彼の存在が国家間の均衡を左右するほどになっていることを示しています。
最後に恭弥が現地の部下たちの安否を尋ねると、ラノックは「最高の医療を受け順調に回復している」と告げ、恭弥は安堵の表情を浮かべるのでした。

このシーンで印象的なのは、一度の作戦が国家の運命を左右するほどの成果を生み出している点です。
ラノックが語った「核」や「石油開発権」という言葉には、もはや個人や部隊の範囲を超えた、国益そのものへの影響が感じられます。恭弥の戦いが、外交やエネルギー政策にまで波及していることに、物語のスケールの大きさを感じます。
ラノックの提案は一見すると大げさに思えますが、同時にとても現実味のある内容でもあります。日本が産油国になるという話は突飛に聞こえるものの、それを「実現できるかもしれない」と語ることで、ラノックは恭弥の働きを国全体の利益に結びつけました。
また、恭弥があくまで謙虚な姿勢を崩さず、仲間の安否を気にかける場面も印象的でした。どれだけ国が動くほどの成果を挙げても、彼の関心は個々の命に向けられており、そのブレない姿勢が人としての深みを感じさせます。
見どころ2:黒川の一報が変える国の行方
午後、恭弥は黒川の事務所を訪れ、そこにはダエルの姿もありました。黒川は笑顔で迎え入れ、椅子を勧めると、ラノック大使との会談について切り出します。
彼の口から語られたのは、日本にとって信じられないほどの好転した国際情勢でした。ロシアとイギリスが日本に対して「白旗」を上げ、さらにフランスとは相互協力の取り決めが進行中。黒川自身も「夢のようだ」と語り、この成果が恭弥の尽力によるものだと感謝を述べます。
恭弥は続けて、ラノックから聞いた「交渉条件」の話を持ち出しました。核兵器、そして石油開発権、そのスケールの大きさに黒川は思わず声を上げます。
現実的に核保有は難しいとしながらも、もし石油開発権をロシアから獲得できれば、日本が産油国になる可能性があると試算しました。その影響は国内経済にも及び、物価が30%以上下がる可能性があるとまで語ります。
黒川は考え込んだ末、フランスを介さず日本側から直接要求する道を探るべきだと提案します。恭弥は「多分できる」と冷静に答え、それを聞いた黒川はすぐに上層部への報告を決意しました。スマートフォンを取り出し、緊迫した口調で通話を始めます。
黒川「この国が核保有国または産油国になる可能性がある——ひとまず、そうお伝えください」
©Kakao piccoma Corp.
その言葉には、国の未来を左右しかねない大きな決意と緊張が込められていました。

この場面で印象的なのは、夢のように聞こえていた提案が、現実味を帯びて動き出す瞬間です。
ラノックが口にした「核」や「石油開発権」という壮大な話題は、最初こそ冗談のようにも思えるものでした。しかし、黒川がその話を受け止め、すぐさま現実的な試算を始めることで、空想だった提案が次第に「実現し得る構想」へと変わっていきます。
驚きながらも冷静に数字を導き出し、上層部への報告を決断する黒川の姿からは、場の緊張感と同時に、国の行方を左右する瞬間の重さが伝わってきました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第284話
- ラノックがロシア大統領の訪日を明かし、国際的な緊張の変化を示す
- 日本が交渉で得られる利益を考え、ラノックが「核」と「石油開発権」を提案
- 石油開発によって日本が産油国になる可能性が浮上
- イギリスの情報局までもが恭弥に接触を求め、影響力の拡大が描かれる
- 黒川がロシアとイギリスの「白旗」を報告し、外交の大きな転換点となる
- 石油開発権の獲得による経済効果が具体的に語られる
- 黒川が上層部へ緊急報告を行い、物語は「国を動かす決断」へと進展する