※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第294話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、ラノックが各国へ指示を出して事態の後始末を進め、西恭弥はその判断と行動の重さを改めて突きつけられました。中国大使館での一件は収束へ向かいましたが、同時に今後への警戒も残されています。
そして今回は、大きな騒動を終えた直後の恭弥が、家族や仲間との日常に戻っていく様子が描かれます。戦いの余韻が残る中で見せる何気ない違和感や、後回しにされてきた日常が少しずつ動き出す回です。
見どころ1:恭弥が気にした「自分の顔」
焼き肉屋では、黒川が今後の報復への警戒を促す中、恭弥はすでに覚悟ができていると応じます。
その後、恭弥とダエルは流れでサウナに立ち寄り、我慢比べの末に無茶が過ぎて店を追い出されることになります。
夜になり、恭弥は自宅へ戻ります。母・西花恋に迎えられ、何気ない日常会話を交わす中で、ふと恭弥の顔について言及されます。
恭弥は、難事件を終えた直後ということもあり、自分でも気づかないうちに険しい表情や殺気が残っているのではないかと身構えます。
恭弥(オレの顔がどうしたって言うんだ?)
©Kakao piccoma Corp.
しかし、花恋が気づいたのは危険な変化ではなく、サウナ帰りによる肌のツヤでした。
そのまま恭弥は両親と一緒にドラマを観る時間を過ごし、束の間ではありますが、穏やかな家庭の一面が描かれます。
この一連の流れで気になったのは、恭弥が自分自身の「表情」を気にするようになっている点です。
この反応は、以前ダエルから表情について指摘された経験が、恭弥の中に残っているからこそだと考えられます。
まだ、同じ戦友であるダエルにしか気づかれていない「殺気立った顔」ですが、無意識のうちに両親や学友たちに気づかれるのではと恐れているのかも知れません。
一方で、花恋が見ていたのは殺気でも緊迫感でもなく、ただの「ツヤ」でした。
そのズレは、恭弥が背負っている世界と、家族が生きている世界の違いを表しているように見えました。
見どころ2:やっと前進する日常パート
翌日、恭弥はミシェルと共に、内覧のためビルを訪れます。
内覧を終えた後、二人は食事をしながら物件について話を進めます。
ビルは地上17階建てで、エレベーターや地下構造の変更が可能なうえ、地下駐車場も余分に確保された柔軟性の高い物件でした。
価格は工事費込みで92億円と高額でしたが、恭弥は迷うことなく決断を下します。
恭弥「オマエが探した中でさっきのビルが最高の物件なんだろ?ならそこにするよ」
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その後、話題は恭弥が通う高校の学園祭へと移ります。
恭弥自身は詳細を把握していないものの、どうやら他校と競い合うらしく、隣の高校では芸能関係者のつながりを生かした企画が予定されているようです。
その話を聞いたミシェルは状況をすぐに理解し、自分に任せるよう言います。
恭弥は高校の行事であることを理由に、派手にしすぎないよう釘を刺しますが、ミシェルはDIファミリーの代表が通う学校である以上、中途半端にはできないと考えます。
さらに学園祭の運営を担当する生徒に会いたいと提案し、恭弥もそれを了承するのでした。
この場面で伝わってくるのは、長く後回しにされてきた日常の話が、ようやく前に進み始めたという感覚です。
スミセン救出や日本特殊部隊訓練、LHC防衛、ラノック救出と続く出来事の中で置き去りになっていた日常パートに、ようやく向き合える状況になったように見えました。
学園祭をミシェルが手伝ってくれるのは心強い一方で、ヒロイン組である白井美紅、姫野リナ、ミシェル、椎名愛子が一堂に会することで、思わぬ修羅場が生まれる可能性も感じさせます。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第294話
- 母・西花恋の一言をきっかけに、恭弥が自分の表情を気にしていることが浮かび上がる
- ビル購入を即断する場面で、後回しにされてきた日常パートが動き出す
- ヒロインたちが関わることで、次回以降の人間関係に波乱を予感させる
- 次回記事:295話:恭弥に突きつけられた許克への謝罪要請
- 前回記事:293話:ラノック救出後に進む各国との外交調整
- 総リンク:『ゴッドオブブラックフィールド』全ての感想記事リンク一覧
- 用語記事:登場人物・主要キャラ・用語まとめ


