※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第298話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が許克に対して自ら手を下す覚悟を示した直後、ラノックの介入によって事態が思わぬ方向へ動き出しました。
中国情報局の楊帆が現れ、許克の行動が中国内部でも問題視されていることが明かされます。
そして今回は、その判断の行き着く先が具体的な形として示される回です。
恭弥の代理として黒川が動く中で、許克の処遇と、その裏にある各国の思惑がはっきりと描かれていきます。
見どころ1:楊帆の友好姿勢に残る違和感
楊帆は、中国がラノックの仲裁案を全面的に受け入れたことを伝え、今後何か問題が起きた場合の連絡先として、大使か自分を窓口にするよう説明します。
その一方で恭弥は、このやり取りの裏側にあるものを冷静に見ています。
自分だけでなく、日本政府の動きまでも含めて、すべてがラノックの想定通りに進んでいるように感じられ、改めて「敵に回したくない人物だ」と実感するのでした。
やがて楊帆は、許克の今後について話題を移します。
恭弥は自分が立ち会うのではなく、代理人を立てたいと申し出ます。この提案はすぐに受け入れられ、恭弥は信頼する黒川に、中国大使館へ向かうよう連絡を入れます。
楊帆が席を立った後、ラノックは今回の件の背景を語り始めます。
許克の動きが明るみに出たのは、他国の情報機関からの協力があったからだと明かし、情報戦の世界には守るべき暗黙のルールが存在すると説明します。
許克の行動は、その一線を越えてしまったものだったのです。
そして、ラノックが中国側に求めた条件は、許克の排除ただ一つでした。
中国国内の厳しい権力争いを踏まえたうえで、できるだけ多くの関係者が納得する形を選んだ結果だと語られます。
ラノック「確かな情報がまだ入ってないから詳細は控えるが近いうちに全てが明らかになるだろう。それまで当面の間、私が君の後見人になってもいいかな?」
©Kakao piccoma Corp.
恭弥はこの申し出を受け入れ、しばらくの間ラノックに身を委ねることを決め、この会談は締めくくられるのでした。
この一連の流れで印象に残るのは、楊帆の言葉そのものよりも、その裏にある含みを恭弥が敏感に感じ取っている点です。
表向きは中国側が大きく譲歩し、話は穏便にまとまったように見えますが、恭弥はその対応を無条件には受け取りません。
特に楊帆の態度や表情から、「これで終わりではない」と察している様子が描かれており、経験に裏打ちされた警戒心が伝わってきます。
一方で、全面的な情報がまだ明かされていないことも、この場面の重要なポイントです。
ラノックはすべてを説明せず、あえて先送りにする姿勢を取っていますが、それは状況がまだ動いていることの裏返しにも見えます。
恭弥がその判断を受け入れ、後見を任せる選択をしたことからも、今回の件が単なる一件落着ではなく、次につながる段階に入ったことが示されていました。
見どころ2:表から消えた許克、その影響
恭弥の代理人として、黒川は中国大使館に到着します。
理由を詳しく聞かされないまま呼び出された黒川は、自分が謝罪役になる可能性も覚悟しつつ、それでも恭弥の代わりを務めることを迷いません。
中国大使館に入った黒川は、案内される通路の雰囲気から、ただ事ではない空気を感じ取ります。
過去の過酷な経験を思い返しながら、どのような事態にも動じない心構えで最奥の部屋へと進みます。
部屋に通された黒川は、そこで楊帆と対面します。さらに奥には、今回の騒動の中心人物である許克の姿がありました。
楊帆は淡々と状況を説明し、許克が権限を逸脱し、日本政府に不当な要求と脅迫を行った事実を告げます。
その直後、楊帆の口から下されたのは死刑判決でした。
許克が理解する間もなく、判決はその場で執行され、黒川は目の前で一連の出来事を見届けることになります。あまりに突然の展開に、黒川は言葉を失います。
楊帆は、この件が中国という国家の正式な行為ではなく、許克個人の未熟な判断によるものだったと説明します。
そして黒川がここに呼ばれた理由が、恭弥の判断による「立会人」であったことも明かされます。
楊帆「死体は我々のほうで処理してもよろしいでしょうか?」
©Kakao piccoma Corp.
すべてが事務的に進められる中で、黒川は自分が果たすべき役割の重さを改めて実感し、中国大使館での出来事は幕を下ろしたのでした。
この場面で気になったのは今後、どのように物語が進んでいくのだろうということです。
許克にはその場で死刑が言い渡され、即座に射殺されるという形で幕が引かれました。
この描写を見る限り、許克が「実は生きていました」という展開はほとんどなく、この人物はここで完全に物語から退場したと受け取れます。
だからこそ、この処理が示しているのは「終わり」ではなく、「次に進むための整理」だったように見えました。
その一方で、許克個人が切り捨てられたことで、彼を後ろ盾にして動いていた日本側の勢力がどうなるのかが気になるところです。
表向きには中国国家とは切り離された問題として処理されましたが、日本国内で彼と関わっていた人物や組織まで消えたわけではありません。
今回の出来事は、そうした存在が今後どう扱われるのかを浮き彫りにする前段階のように感じられます。
さらに、ラノックが語った「まだ明かされていない情報がある」という含みも、この先を意識させる要素でした。
許克の排除によって一件落着とするのではなく、その背景やつながりが後から明らかになっていく流れが用意されているようにも思えました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第298話
- 中国側の友好的な対応の裏に、まだ明かされていない思惑が感じられる展開
- すべてを把握したうえで動くラノックの存在感が強く描かれた回
- 許克の処遇が外交と情報戦のルールに沿って整理されたこと
- 黒川が代理人として中国大使館に赴き、重い役割を背負う流れ
- 許克がその場で排除され、物語から明確に退場した点
- 許克を後ろ盾にしていた日本側勢力の行方が今後の焦点
- 「まだ明かされていない情報」が次の展開を示唆している構成
- 次回記事:299話:一網打尽を選ばなかった首相の政治判断
- 前回記事:297話:中国情報局が下した許克への裁定
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