※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第300話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、中国大使館で許克の処理が進められる一方、黒川が中国側の提案を政府に持ち帰り、佐古田崇は誤った情報を信じたまま動き出しました。
首相官邸では楠木と沢村首相が対応を協議し、中国の思惑にどう向き合うかが問われる流れとなっていました。
そして今回は、恭弥が黒川の事務所に呼ばれ、中国の提案に対する政府の判断と、その裏にある考えを知ることになります。さらに恭弥自身の身体や、佐古田崇の立場にも目を向けた話が描かれていく回です。
見どころ1:主導権を渡さない恭弥
恭弥とダエルが黒川の事務所に行くと、そこには黒川だけでなく煉谷と楠木も同席していました。
そこで明かされたのは、中国側が許克を処理した後に持ちかけてきた、ある「提案」でした。
中国は、許克と同様に権力を乱用していた人物たちを一掃する計画を進めており、その中には佐古田とその側近、さらには内通していた中国高官まで含まれていました。
佐古田が軍事機密を国外に流していた疑いがある以上、日本側にとっても無視できない人物でしたが、最終的に総理はこの提案を拒否します。
その判断を聞いた恭弥は、意外にも肯定的な反応を示します。
佐古田を排除できる可能性があったにもかかわらず、中国主導で物事が進むこと自体に強い違和感を覚えていたためでした。
恭弥「それはそうなんですが、なんか中国の思惑に振り回されてるみたいで癪だったんですよね。多分オレでも断っていたと思います」
©Kakao piccoma Corp.
この発言から、恭弥が単に敵を排除できるかどうかではなく、「誰の都合で動かされるのか」を重視していることがはっきりします。
その後、内閣情報調査室としては「佐古田の不正を裏付ける確実な証拠が必要である」ことが語られ、恭弥には中国との情報の窓口役が持ちかけられますが、この場では結論を出さず、持ち帰って検討する形となりました。
この場面で印象に残るのは、恭弥が「得か損か」よりも先に、主導権の所在を気にしている点です。
佐古田を排除できる可能性があったにもかかわらず、中国の筋書きに乗ること自体を良しとしない恭弥の姿勢は一貫しています。
結果として総理の判断を肯定していますが、それは立場への追随ではなく、自身の感覚と一致していたからに見えます。
このやり取りからは、恭弥が状況の有利不利だけで判断しない人物だということが伝わってきます。
ラノックが中国に拉致された際も、外部の都合に押し流されることを避け、自分の手で流れを取り戻そうとしていました。
今回も同様に、相手が国家であっても主導権を渡さないという態度が変わっていません。恭弥が常に流れの中心に立とうとする人物であることが、改めて伝わりました。
見どころ2:異常なしという違和感
夕方、恭弥が自宅に戻ると一本の電話が入ります。相手は仁道病院の氷室院長で、以前行われた検査結果についての連絡でした。
恭弥自身は、また何か厄介な話ではないかと身構えますが、氷室から伝えられた内容は意外なものでした。
氷室「それがなんと特に何の異常も見当たらなかったんですよ」
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これまで幾度となく重傷を負い、常識外れの回復を見せてきた恭弥の身体に、医学的な異常が一切見つからなかったという結果でした。
氷室自身も首をかしげる内容でありながら、再検査を求めるほどの根拠もなく、結果をそのまま伝える形となります。
場面は変わり、東京・麻布十番の豪邸では佐古田崇と楠木が向かい合っていました。佐古田は強い不満をあらわにし、官房長官の交代を要求します。
もし要求が通らなければ、中国が何らかの対応に出る可能性があることを、遠回しに示唆する姿勢も見せていました。
さらに話題は恭弥へと向きます。謝罪もせずに事を終わらせた恭弥に対し、佐古田は苛立ちを募らせ、若造一人に振り回されている現状への不満を吐き出すのでした。
このシーンで気になるのは、「異常なし」という結果が、そのまま安心材料にはなっていない点です。
これまでの経緯を踏まえると、何も見つからないこと自体が不自然に映ります。
検査を担当したのはアメリカの施設であり、その情報がすべて正直に開示されているのかどうかは分かりません。
医学的に説明できない存在である可能性に加え、意図的に何かを伏せられているのではないかという疑念も浮かびました。
一方で、佐古田崇の場面では、佐古田が優位に立っているかのように状況が進みます。
掴まされている情報が正しいと信じ込んだまま動いており、事態の全体像を把握できていません。そのことに気づかないまま苛立ちを募らせている姿は、滑稽に写りました。
この一連の流れは、恭弥が「分からない側」に置かれつつある一方で、佐古田が「分かったつもり」で操られている構図を浮かび上がらせていました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第300話
- 中国の提案を前に、恭弥が「主導権」を最優先に考える姿勢が示された
- 佐古田を排除できる状況でも、中国主導の流れを拒む判断が印象に残る
- 氷室から伝えられた「異常なし」という検査結果が、かえって不安を残した
- 佐古田崇が誤った情報を信じたまま、優位に立っているつもりで動いている構図が描かれた
- 前回記事:299話:一網打尽を選ばなかった首相の政治判断
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