1.警察官になったことを後悔する川合麻衣
主人公の川合麻衣は学生時代に安定した収入が欲しいという1点で、公務員試験を受けまくり、結果、受かったのが警察官だった。
しかし、収入は間違いなく安定しているが、激務な上に嫌われ者という警察官に嫌気がさしており、警察官を辞めようとしたいた。そこに、元刑事課のエース・藤聖子が交番勤務にやってくるというのが、この作品の始まりである。
『ハコヅメ』作者の泰三子(やす みこ)さんは、女性警察官として10年間の勤務経験があるという異色の経歴となっている。交番勤務を題材とした作品というと『亀有公園前派出所』が有名であるが、女性警官となると初めて見るジャンルとなる。
2.いきなり手柄を立てる藤部長
新人警察官・川合は、指導員となった藤聖子と一緒にさっそくパトロールに出るが、いきなり藤の優れた着眼点により、連続空き巣犯を捕まえることに成功する。
©泰 三子・講談社/ハコヅメ製作委員会:パトロールする川合と藤
パワハラで左遷されたと噂されている藤だが、有能な警察官ということはこの一件からでもわかる。
しかも、藤部長は、ここまでの大物空き巣犯は珍しいということで、新人の川合に取り調べをさせる。結果として、川合は取り調べの勉強になるし、新人の相手をする空き巣犯も気を良くするという一石二鳥の状態になる。
空き巣犯を迎えに来た刑事課も藤部長を恐れていたことから、実際にパワハラはあったかわからないが、相当強く当たられてたっぽい。
3.大泥棒が泥棒する街
連続空き巣犯が、どうやって泥棒する街を決めるかの判断基準は『自転車の二人乗りが多い街』『悪いことを許す街』だと言う。小さな犯罪を許していけば、大きな犯罪が起こりやすくなり、小さな犯罪を許さなければ大きな犯罪も起こりづらくなる。
川合が空き巣犯の取り調べをおえて「勉強になりました」と頭を下げていたのは、こういう話を聞いていたからなのだろう。(ここで話が繋がるというわけである)
女性警察官だからといって、子ども好きとは限らないというあたりは、作者が実際に警察官だったという部分がでていて面白いシーンであった。基本、笑顔で対応しているけど、裏では闇を抱えているというのも面白い。
1話目ではあったが、コメディ色の強い笑える要素、ブラックなギャグ要素、真面目な要素など色々なシーンが見れた面白い回であった。今後もかなり面白そうな話が見れそうな予感をさせてくれた。