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トカゲとヤモリの違いとは?足・目・体表から見分け方を解説

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壁に張り付くヤモリと地面にいるトカゲを比較した「トカゲとヤモリの違い」のアイキャッチ画像

家の壁や庭で小さな爬虫類を見かけて、「これはトカゲ?それともヤモリ?」と迷ったことはないでしょうか。

トカゲとヤモリは見た目が似ていますが、足・指の形や目、体表、活動する時間などに違いがあります。特に、実際に見分けるときは足・指が重要な手掛かりになります。

ただし、「壁にいたらヤモリ」「ヤモリには吸盤がある」「夜ならヤモリ」といった1つの特徴だけで判断するのは正確ではありません。

この記事では、身近なヤモリの代表例としてニホンヤモリを、身近なトカゲ類の代表例としてニホントカゲ・ヒガシニホントカゲを中心に比較します。

地域によっては別種のヤモリやトカゲ類も見られるため、複数の特徴を組み合わせて見分けることが大切です。

目次

トカゲとヤモリの違いを簡単にいうと

ニホンヤモリもニホントカゲ類も、爬虫類の有鱗目に属します。

ただし、ニホンヤモリはヤモリ科、ニホントカゲ・ヒガシニホントカゲはトカゲ科に分類されます。

日本にはニホンヤモリ以外にも複数のヤモリ類が分布しているため、この記事ではニホンヤモリを代表例として比較します。

この記事では分かりやすくするため、ニホントカゲ・ヒガシニホントカゲをまとめて「ニホントカゲ類」と表記します。

出典:日本爬虫両棲類学会「日本産爬虫両生類標準和名リスト」

主な違いを先に整理すると、次のとおりです。

比較ポイントニホンヤモリニホントカゲ類
分類ヤモリ科トカゲ科
足・指指先が幅広く、指下板が発達指先は細く、爪がある
動かせるまぶたがない動かせるまぶたがある
体表細かな粒状の鱗滑らかで光沢のある鱗
活動時間主に夜主に昼
見かけやすい場所家の壁、窓、明かりの周辺など地面、庭、石垣、日なたなど

この表はあくまで身近な代表種を比べた目安です。

実際に見かけた個体を判断するときは、まず足・指を確認し、必要に応じて体表や目、見かけた状況も合わせて見ていきましょう。

トカゲとヤモリを見分けるなら、まず足・指を見る

トカゲとヤモリを見分けるとき、最初に確認したいのが足、とくに指先の形です。

ニホンヤモリは指先が幅広く、裏側には「指下板(しかばん)」と呼ばれる構造があります。

資料によっては「指下薄板」とも表記されます。

一方、ニホントカゲ類では指先が細く、爪が確認できます。

ヤモリとトカゲ類の足・指、目、体表の違いを比較した図

出典:
貝塚市立自然遊学館「貝塚市の爬虫類」
神奈川県「野外施設でみられる爬虫類」

ヤモリは指先が幅広く、壁やガラスに張り付ける

ニホンヤモリの指の裏側にある指下板には、肉眼では分からないほど細かな毛状構造があります。

この構造によって、ガラスや壁などの滑らかな面にも付着できます。

そのため、滑らかな垂直面に張り付いていて、幅広い指先が確認できる場合は、ニホンヤモリを考える有力な手掛かりになります。

出典:神奈川県「野外施設でみられる爬虫類」

ヤモリの足に「吸盤」があるわけではない

ヤモリの幅広い指先は吸盤のようにも見えますが、実際に吸盤で壁へ吸い付いているわけではありません。

ヤモリ類では、指下板にある非常に細かな毛状構造と接触面との間に働くファンデルワールス力と呼ばれる分子レベルの弱い引力が、多数集まることで付着力を生み出します。

つまり、

「吸盤で吸い付く」のではなく、特殊な指の微細構造によって表面へ付着している

という仕組みです。

「吸盤のような足」と表現することはできますが、「ヤモリには吸盤がある」と説明すると正確ではありません。

出典:
貝塚市立自然遊学館「貝塚市の爬虫類」
東京動物園協会「両生爬虫類鑑 あし―はりつく」

壁にいたというだけではヤモリと断定しない

壁や高い場所にいたことは手掛かりになりますが、それだけでヤモリとは断定できません。

たとえばニホンカナヘビも登る能力が高く、草などの上で日光浴することがあります。

そのため、見かけた場所よりも指先そのものの形を優先して確認するのがポイントです。

出典:環境省「ニホンカナヘビ」

目と体表にも見分けやすい違いがある

足がよく見えない場合は、目や体表の質感も手掛かりになります。

ニホンヤモリには動くまぶたがない

ニホンヤモリには、開いたり閉じたりするまぶたがありません。

目の表面は透明な鱗で覆われており、人間のようにまばたきをして目を閉じることはありません。

ただし、「ヤモリの仲間にはすべてまぶたがない」と覚えるのは正確ではありません。

ヤモリの仲間であるトカゲモドキ類には、動かせるまぶたを持つ種類があります。たとえばヒョウモントカゲモドキにもまぶたがあります。

したがって、まぶたの有無はニホンヤモリと身近なニホントカゲ類を見分けるポイントとして使うのが適切です。

出典:
熊本市動植物園「ニホンヤモリ」
札幌市円山動物園「ヒョウモントカゲモドキ」

ヤモリは粒状の鱗、ニホントカゲ類は滑らかで光沢がある

ニホンヤモリの背中や四肢は、細かな粒状の鱗に覆われています。

一方、ニホントカゲ類では、鱗の表面が滑らかで光沢があるのが特徴です。

また、ニホントカゲ類の幼体では尾が鮮やかな青色をしていることがあります。

青い尾がはっきり確認できれば手掛かりになりますが、成長段階によって変化するため、すべての個体に使える特徴ではありません。

出典:
国立環境研究所「ニホンヤモリ」
神奈川県「野外施設でみられる爬虫類」

活動する時間と見かける場所にも違いがある

活動する時間や見かけた場所も参考になりますが、身体的な特徴ほど確実な判別材料ではありません。

ニホンヤモリは夜の家の壁や明かり周辺で見かけやすい

ニホンヤモリは夜行性です。

建造物を生活場所とし、昆虫を捕食するために灯火の近くで見かけることが多いとされています。

夜に家の壁や窓、玄関灯などの近くで見つけた場合は、ニホンヤモリを考える手掛かりになります。

出典:国立環境研究所「ニホンヤモリ」

ニホントカゲ類は昼の日なたや地面で見かけやすい

ニホントカゲは昼行性で、日当たりのよい場所で日光浴をして体温を上げ、主に地上で活動します。

ヒガシニホントカゲについても、晴れた日の午前中に日なたへ出てくる姿が観察されています。

ただし、「夜ならヤモリ、昼ならトカゲ」と時間帯だけで判断するのは避けましょう。

時間や場所は、足・体表・目を確認したうえで使う補助材料と考えるのが適切です。

出典:
国立環境研究所「ニホントカゲ」
神奈川県「野外施設でみられる爬虫類」

カナヘビやイモリとは何が違う?

トカゲやヤモリと混同されやすい生き物として、カナヘビとイモリがあります。

カナヘビはヘビではなくトカゲに近い爬虫類

ニホンカナヘビは名前に「ヘビ」と付いていますが、ヘビではありません。

ニホンヤモリやニホントカゲと同じ有鱗目に属する爬虫類で、カナヘビ科に分類されます。

ニホンカナヘビは細身で尾が長く、体表がザラザラして見えるのが特徴です。

一方、ニホントカゲ類は鱗の表面が滑らかで光沢があります。

庭や草むらで細長い茶色の個体を見かけた場合は、ニホンカナヘビの可能性も考えてみましょう。

出典:
環境省「ニホンカナヘビ」
神奈川県「野外施設でみられる爬虫類」

イモリはトカゲやヤモリとは違う両生類

イモリはヤモリと名前がよく似ていますが、分類上は大きく異なります。

ヤモリ・トカゲ・カナヘビは爬虫類、イモリは両生類です。

名前が似ているため混同しやすいですが、まず爬虫類か両生類かという大きな違いがあります。

出典:東京動物園協会「イモリ」

トカゲかヤモリか迷ったときの見分け方

実際に見かけた個体を判断するときは、

足・指 → 体表 → 目 → 見かけた場所・時間

の順に確認すると分かりやすくなります。

特に、幅広い指先で滑らかな壁や窓ガラスに張り付いている場合は、ニホンヤモリを考える有力な手掛かりです。

一方、指が細く、体表が滑らかで光沢がある場合はニホントカゲ類を考えます。

場所や時間は最後の補助材料として使い、1つの特徴だけではなく複数の特徴を組み合わせて判断するのがポイントです。

まとめ

ニホンヤモリとニホントカゲ類を見分けるときは、まず足・指を確認するのがおすすめです。

ニホンヤモリは幅広い指先と指下板を持ち、滑らかな壁や窓ガラスにも付着できます。

ただし、本当の吸盤が付いているわけではありません。

足だけで分からない場合は、体表や目を確認し、活動時間や場所は補助材料として使いましょう。

「壁にいた」「夜に見た」といった1つの特徴だけで決めず、複数の特徴を見ることが、身近なトカゲとヤモリを見分けるポイントです。

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