アニメ『【推しの子】』6話の見どころ・ネタバレ
引用画像は『©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会』
1.方向性が決まる「今からガチ恋始めます」
鷲見ゆきは『今ガチ』をやめたいと言い出して、番組の山場を作り出す。ゆきは嘘は言っていないものの、番組を盛り上げるために話を盛って演じていた。実際に、これを気に番組は人気となり、ゆきはこの番組の中心人物になっていく。
番組が進むに連れて『目立つやつ、目立たないやつ』の差がくっきりし始める。中心になるのは鷲見ゆきと熊野ノブユキの二人であり、それ以外の演者はそこまで目立たなくなる。
アクアは『今ガチ』の番組作りを冷静に評価しており、過剰な演出やヤラセは少ないと言う。しかし、その一方でアクアは『嘘は身を守る最大の手段』と思っており、あまりに本当のことを映し続ける危うさも感じていた。
・ネット上のデータや反応の重要性を説く有馬かな
売れるために嘘はつかないが誇張はするというスタイルはほとんどの芸能人や人気商売の人たちはやっていそうである。周りの人間より1つ抜きに出たり、演出の期待に応えるためには必要な行為か。
この『嘘』に関してはアクアとルビーに明確な差がある。お互いアイの明確な信者であるがアクアは『嘘をつくことも必要』と考え、ルビーは『なるべく嘘はつかずにガチでやりたい』と考えている。
2.焦る黒川あかね
『今ガチ』は鷲見ゆきと熊野ノブユキのカップリングが出来上がり、その話が中心になる。出番の少なかった森本ケンゴはその二人の関係に嫉妬するという役回りで三角関係を作り出し、出番が増える。
アクアは安全圏でやり過ごすスタンスを取り、MEMちょも無理に活躍しようとはせず自分の配信に導線さえ引ければいいと割り切る。唯一、活躍したいと思いながらもそれが出来ていない黒川あかねだけが焦りを見せていた。
劇団に所属する黒川あかねだが、あまりに『今ガチ』の出演時間が短いことでマネージャーが社長から怒られる。その話を聞いていたあかねは更に焦り始めて、なんとしても爪痕を残さなければと思い始める。
・『私は私が目立つように戦う』というスタンスを見せる鷲見ゆき
有馬かなの9割のアイドルがエゴサしてる説は面白い。もはや、人間の業というべきか。漫画やアニメの設定でたまに出てくる『ガチガチの監視社会』は現実世界でもネットとSNSの登場で実現した感じはある。
黒川あかねに関しては、彼女の真面目な性格は見ればすぐにわかるのだから、この番組にあってなさそうというのはマネージャーがわかりそうなものである。もし、もっと番組で活躍して欲しいのだったら、他の適任者を出演させるべきであった。
3.SNSの攻撃対象になり疲弊する黒川あかね
焦る黒川あかねは目立つために鷲見ゆきと熊野ノブユキの間に割って入る。鷲見ゆきはあかねの売れたいという思いを尊重しつつも『私は私が目立つように戦う』と自分の立場を明確にする。
もっと目立ちたいあかねはスタッフなどに質問して、悪女ムーヴなどを進められる。無理に目立とうとしたあかねはノブユキをゆきに取られそうになると焦って手を出してしまい、ゆきの顔に傷をつけてしまう。
その場は二人の和解で収束したのだが、その様子が放映されたことで黒川あかねはSNS上で総叩きにあう。表向きは平静を装っていたあかねだが、エゴサーチは止められず徐々に追い詰められていく。自殺を考えるほどになってしまったあかねであったが、そこでアクアが現れて彼女の自殺を直前で止めるのであった。
・SNSの炎上によって精神的に追い詰められていく黒川あかね
今回はアクアが中心の話ではなく、黒川あかね視点が多く語られる。嘘が上手い天才的なアイドルや大人びた子供たちばかり出てきた作品なので、ここまでバカ真面目なキャラが登場すると振れ幅が凄い。
途中からは完全に黒川あかねの話で進んでいくが、最後の最後でアクアに主役が帰ってくるあたり、素晴らしい構成であった。
アニメ『【推しの子】』6話の感想・考察。
お互いが目立つように立ち回ったらどういう結果が待ち受けているのだろうか。現実だとMCという役割がいて、そういうことはさせないようになっている。番組側としては当然チームワーク良く番組作りをして欲しいはずだ。
SNSの闇については現実のリアリティーショーでも自殺者が出ているほどなので、それを漫画やアニメにリアルに落とし込んでいるあたり、社会への警鐘とも取れる話になっていた。アクアが先回ってあかねの自殺を止めることが出来たのは、前世医者だったゆえの勘の良さか?
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