『リターン~ある外科医の逆襲~』53話、54話の見どころ・ネタバレ
1.重病患者を任せられる
今までの研修、そして救急センターでの完璧な治療をみた同期の研修医たちは徹を頼り始める。研修医でありながらチーフのような立ち回りを徹はすることになる。
忙しい救急センターで徹がチーフの役割をしてくれることから、先輩医師からも「助かっている」とお礼を言われる。そんな順風な徹のもとに、上層部からの圧力で回復する見込みのない患者を押し付けられる。
患者は身元不明で、意識もなく、肝臓がんにかかっているというものであった。
順調に実績と周りの信頼を勝ち取っていく徹だが、それを良しと思わない上層部から「回復する見込みがない患者」を押し付けられる。目的は患者が亡くなったときに、そのときの責任を徹に取らせようということなのだろう。
前世でも大日病院の派閥争いに巻き込まれていた徹だったが、今回も同じことになりそうである。そういう意味では前世と同じ大日病院に入るべきではなかったのだろうが、それよりも形成外科になることの方が重要だったのかもしれない。
2.自腹で治療する徹
任せられた患者の血液検査をしたところ、肝臓がほとんど機能しておらず、いつ亡くなってもおかしくない危険な状況だとわかる。そこで患者が目を覚まし、患者の名前が加納さんだとわかる。
徹は加納さんに包み隠さず死期が近いことを知らせる。本人は事業が失敗して、借金で全財産を失ったこと、家族と疎遠になり酒に逃げたことを語る。そして、最後に息子に会いたいと徹に願いを話す。
前世の自分と加納を重ねた徹はなんとか患者を治療したいと思うが、医事課長からお金を払えない患者は治療できないと言われる。頭にきた徹は今まで貯めてきた貯金2億円を使って、自腹で治療すると言うのであった。
©Kakao piccoma Corp.:患者の治療費を自腹で払うという徹
前世の徹と同じ境遇の患者に徹は感情移入する。前世の徹も「上府の婢」に助けられていなければ、この患者と同じ結末になっていただろう。
徹としては前世の自分を助けるという思いもあって、自腹で治療をしようと思ったのかもしれない。普段は、金のことばかり考えている徹だが、患者に対する姿勢はれっきとした医者である。
『リターン~ある外科医の逆襲~』53話、54話の感想・考察
大日病院でも着実に仕事をこなし、高い評価を得る徹。学生時代と同様に、敵対する存在が現れるが、今回は「大日病院上層部」という今までとは比べ物にならない相手である。
はっきりって、警察でも介入してこない限り、徹が相手を倒すというのは不可能に近いだろう。これだけ目をつけられているのなら、いっそ早々にクビにしてくれた方が良さそうである(才能は認められているので引く手あまた)。