『悪女は今日も楽しい』1話、2話の見どころ・ネタバレ
1.本作の主人公と、作中小説の主人公
この作品の主人公は30歳の女性・奈々美である。だが、彼女は読んでいた小説の悪女である「レイリン・シャーン・カンドミオン」に転生してしまうのであった。
©Kakao piccoma Corp.:小説内の悪女レイリン・シャーン・カンドミオン
小説内の悪女・レイリンは財力、権力、家柄、そして美貌を持ちながらも「浮気をしているフレードリヒ皇太子に泣きつき」「主人公のアイリスをいじめようとした結果、大金を失う」という、まさに主人公に負けるために出てきたキャラクターであった。
しかし、中身が奈々美となったレイリンは、早々にフレードリヒ皇太子との婚約を破棄して、アイリスへのいじめも程々にして「次なるイケメン探しと財力を有効的に使う」ことに全力を注ごうとするのであった。
転生した奈々美は、小説内ではドジを踏むばかりのレイリンに変わって、本来の物語からは外れて悠々自適に暮らすつもりのようだ。
しかも、転生前の奈々美同様、レイリンも「彼氏を浮気で奪われている」ので感情移入するところも大きいのだろう(レイリンには成功してもらいたいという願望がある)。
2.転生するまでの経緯
転生前、奈々美はまる8年付き合った彼氏を横取りした女・まどかに、結婚の招待状を渡されるのであった。
彼氏を横取りした挙げ句、その元カノを結婚式に呼ぼうという所業に奈々美は呆れ返るのであった。ひとしきり言い合ってまどかに絶交を突きつけた奈々美は、このイライラをなんとかしようと、小説を読み始めるのであった。
しかし、境遇が似ている悪女の方に感情移入してしまった奈々美は、その悪女のドジっぷりにイライラしてしまうのであった(自分ならもっとうまくやれる)。イライラを抑えるために、ふて寝した奈々美は起きるとレイリンとして転生しているのであった。
転生理由は、まったく不明ではあるが、「私ならもっとうまくやれる」という思いがあるので、その願望をどうぞ叶えてくださいという、お膳立ては揃った形である。
『悪女は今日も楽しい』1話、2話の感想・考察
「ピッコマ」の得意ジャンルである「悪女」と「小説の世界に転生」が合わさった作品である。内容は「決められた死や悲劇を回避」や「いじめられる立場だったのを見返す」など色々あるが、この作品は「私だったらもっと上手く立ち回れる!」というものらしい。
明確な死や悲劇を回避するものではなく、「とにかくこの財力と美貌を使って幸せに生きる」という大まかな目標がある感じだ。転生モノでいうと「レベルマックスの主人公が静かに平穏に暮らしたい」というジャンルに近いのかもしれない(この作品の場合は財力・権力・家柄・美貌がレベルマックス)。