『悪女は今日も楽しい』19話、20話の見どころ・ネタバレ
1.カシオンの仕事に介入するレイリン
ルーカスと会った後の帰り道で、レイリンは仕事をしているカシオンを見かける。
カシオンは男爵を調査しようと引き止めているのだが、男爵は平民出身のカシオンをまったく相手にしようとしない。
カシオンの仕事を邪魔するわけにはいかないと、その場を立ち去ろうとするレイリンだったが、男爵がカシオンのことを殴り始めた様子を見て、我慢できずにふたりに割って入り、事件を解決するのであった。
©Kakao piccoma Corp.:平民出身というだけで貴族から暴力を振るわれるカシオン
レイリンとしては、カシオン自身に事件を解決してもらうのが一番という考えがあったので、事件に介入した後も少し後悔が残っているようだ。しかし、カシオンは顔には見せないものの、レイリンに感謝しているようだ。
カシオンは獣人のハビエルを助けたことも知っていたので、徐々に彼の中でのレイリンの評価が変わってきていることがわかる。
2.お礼を言いに来たカシオン
カシオン卿のように平民出身の人間に騎士の爵位を与えて働かせる理由は「貴族の相手をさせるため」であった(貴族同士で話すと角が立つ)。
平民出身というだけで格下扱いされるカシオンは怒りに震えるのだが、そんな中、レイリンのことを思い出し、お礼も言わず無礼な態度を取ったと感じたカシオンはレイリンに謝りにいく。
カシオンは、他の貴族とはまったく違う態度を取るレイリンに徐々に惹かれていくのであった。
カシオンは貴族のあまりにも横暴な態度に嫌気が差して、レイリンの顔を見に行きたくなったのかもしれない。この国では、まだ貴族の特権意識が強いらしく、貴族が平民に手を出しても罪には問われないようだ。
カシオンのレイリンへの警戒心は、徐々に解けつつある。しかし、カシオンはアイリスと知り合いらしいので、ルーカス同様、その部分を引き剥がさないと、レイリン側にちゃんと着いてくれるということはなさそうだ(この小説の世界は、やはりアイリスに有利にできている)。
『悪女は今日も楽しい』19話、20話の感想・考察
ルーカスとの話が終わった前回であったが、今回はカシオンに焦点の合った回である。
カシオンは「騎士」という爵位を持ってはいるが、しょせんは平民出身なので、貴族出身からは下賤な存在だと思われている、というのが浮き彫りになった。逆に言うと公爵令嬢であるレイリンはこの国ではかなりの力を持っているとも言える(だからこそ、貴族同士での争いはご法度なのかもしれない)。