『東京24区』最終回12話のあらすじ
アスミに会いに行く、そう決めたRGBの下に、アスミから着信が。アスミは改めて自身を取り巻くトロッコ問題を提示する。システム内部にあるアスミの存在を明らかにし、KANAEシステムを解体させるか、アスミの中にあるバグを修正してKANAEシステムによる統制を受けるか、どちらを選んでもアスミを消すことになる選択だった。3人はそれを認めず、意地でもアスミに会いに行く決意を固めるのであった。
果たしてRGBの3人はどんな未来を選ぶのか――。
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『東京24区』最終回12話の見どころ・ネタバレ
1.アスミに会うため行動するRGB
アスミからの電話がRGBに届く。内容は、今まで散々RGBが揉めていた題材で「アスミとカナエシステムをどうするか?」というトロッコ問題である。
すでに、答えを決めたいたRGBはアスミから提示された2つの提案を無視して「アスミに会いに行くこと」を選択する。
消えることを覚悟していたアスミは、RGBと会うと覚悟が揺らぐとして、RGBがアスミに会いに来ることを妨害するのであった。
RGBとしては何をするにも「アスミの意見を聞きたい」という思いが強いようだ。アスミの声を聞きたいという思いもあるだろうし、シュウタとしては火事の件を謝りたいという思いもある。何より、このままカナエシステムからアスミを取り除くというのは不義理という感覚があるのかもしれない。
対するアスミはカナエシステムが暴走しているからか、常に意識が覚醒している状態になってしまった。自分の意志でシステム下のものを操作できるし、何よりカナエシステムに集められた情報で未来が見えるようになってしまっている。
2.暴走するカナエシステム
カナエシステムは暴走を続けており、次々と何も罪のない人間をテロリスト認定していく。デモ活動は更に過激になっていき、しかも区長の翠堂豪理が対話をする気がないので武力衝突が起こる直前の状態になる。
RGBはというと黒葛川の助けを借りて、コルヌコピアの設計図を入手し、侵入経路を探し出すことに成功する。RGBの3人で協力して、侵入経路をこじ開け、カナエシステムのコアまでたどり着くことに成功する。
3人は朱城ランが改造したクナイのシステムを使って、カナエシステムに入り込み、アスミと対峙する。その映像は、東京24区の全ての人間が見れるように放映されるのであった。
明らかにカナエシステムは暴走しているのに、区長がそれを認めないことから暴動がどんどんエスカレートしていき、危険な状況になる。そんな、2つの勢力の衝突を止めるために、RGBがカナエシステムにアスミという存在がいることを放映し、真実をみんなに知らせようとしたのかもしれない。
実際、区長の翠堂豪理もカナエシステム上にアスミの意識があることは知らなかったので、この情報のオープンはみんなの考え方にかなりの影響を与えることとなる。
3.アスミとの対話
カナエシステムに侵入することに成功したRGBはアスミと対話することになる。アスミは対話を拒否しようとするが、なんとかRGBでアスミとの対話を試みる。
©Team24/東京24区プロジェクト:アスミと対話をしようとするシュウタ
最後は、前回同様、4人で気持ちをぶつけ合うという構図となる。結局、アスミは死亡しており蘇生させることはできず、別れは必然となる。トロッコ問題など色々な要素がある作品だったが、ひとえに「アスミの死と気持ちの面で決着を付ける」話だったように思う。
この作品の多数のキャラクターが「アスミの死」に決着がつけられておらず、宙ぶらりんな状態で皆行動していたと思うが、今回のことで「アスミの死」を乗り越えることができて、みな、それぞれの道を歩み出せたような気がする。
特に、アスミの死から時が止まっていたシュウタは海外でパン作りの修行をしつつも、ヒーロー活動をするという風に、前進ができており、一番変われた人間と言えるだろう。
『東京24区』最終回12話の感想・考察
最初は「トロッコ問題」を題材にして、それをどのように解決していくのか?という作品だと思っていたが、終わってみると「アスミの死を乗り越える」ための話だったように思う。
アスミが死んだ火災の原因は放火魔ではなく、ただの管理不行き届きだったことが明確化された時点で、あの火災が本当に色んな人の行動を変えた重要な事件だったのだとわかる(翠堂豪理と黒葛川は暴走し、シュウタは停滞してしまった)。