弟子たちが語る“片田舎の剣聖”の実力とは?
2025年4月より放送開始されたTVアニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』。
本作は「小説家になろう」発の人気ファンタジー作品で、以下の2人が担当しています。
- 原作:佐賀崎しげる先生
- イラスト:鍋島テツヒロ氏
なお、アニメーション制作はパッショーネが担当しています。
- ひぐらしのなく頃に 業/卒
- 狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF
- 異修羅
ユニークな印象を受けるタイトルですが、実際に第1話を視聴してみると、“おっさん主人公”であるベリルの魅力と弟子たちとの関係性が丁寧に描かれており、自然と引き込まれました。
この記事では、第1話を視聴して感じた見どころ・感想・考察をお届けします。
※原作未読、アニメ視聴者目線でのレビューです。
見どころ①:アリューシアとベリルの“特別な関係”
首都への道中、アリューシアとベリルの会話の中で、二人の関係性の深さが垣間見える場面がありました。
アリューシアがベリルから道場を卒業するときにもらった剣を今でも使い続けているという描写です。
ベリル「大事にしてくれてるのは嬉しいけど、村の鍛冶屋で売っているような代物じゃ、騎士団長にはふさわしくないだろう」
アシューシア「──いえ、これこそが私の剣です」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会
このやり取りから感じられるのは、アリューシアがただの弟子というだけではない、特別な想いをベリルに抱いているということです。
- アリューシアは剣士として成長しても、師への想いを忘れていない
- ベリルに対して、尊敬と淡い好意が同居している
- だからこそ、この剣を手放せない
ベリルの人柄がよく伝わると同時に、アリューシアの一途なところや、可愛らしい一面も見える、素敵な場面でした。
見どころ②:ベリル vs ヘンブリッツの模擬戦
首都に到着し、騎士団に紹介されたベリル。
アリューシアから「私など相手にならぬほど強い」と紹介されるものの、周囲の反応はどこか半信半疑。
特に副団長のヘンブリッツ・ドラウトは露骨に不信感をあらわにし、ベリルの指南初日に即座に模擬戦を申し出ます。
しかし、模擬戦が始まるとヘンブリッツの力強い攻撃、そして彼の必殺技「轟剣」をも全て受け流してベリルが勝利します。
ヘンブリッツの轟剣を避けて、背後を取るベリル
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会
- 技の見せ方は地味ですが、老練な剣術が表現されていた
- 派手なエフェクトよりも、剣士の呼吸やタイミングの妙を感じられる演出だった
- 戦いのあと、ヘンブリッツがベリルを敬意を示す描写も印象的
戦いを“見せ場”にしつつ、ベリルの実力を過度に誇張せず、「技術」で魅せた演出が秀逸で、アニメとしてのバランスの良さも光る場面だったと言えるでしょう。
「この人は本物だ」と思わせる、静かながら説得力のある戦闘シーンでした。
見どころ③:弟子たちが語るベリルの“真の強さ”
第1話のラストでは、ベリルがいないビデン村での父・モルデアと元弟子・ランドリドの会話シーン。
ここで語られるベリル像が、印象的でした。
モルデア「あいつはこの村で終わっちゃいけねぇんだ」
ランドリド「冒険者として色んな土地に行きましたが、先生を上回る剣士は見たことがないです」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会
これは、ベリルという人物の「外からの評価」がいかに高いか、そして周囲がどれだけ信頼しているかを表すシーンです。
- ベリルは自分の実力を過小評価している
- しかし、弟子たちは彼の実力を“剣聖”と認めている
- この内外のギャップが、ベリルというキャラを深く魅力的にしています
戦闘でなく、言葉で「強さ」を見せるラストシーンとして、印象に残る場面でした。
こうした周囲からの声は、彼が“剣聖”と呼ばれるに至った背景として説得力があり、次回以降ベリルがどんな活躍を見せてくれるのか期待させてくれます。
まとめ:第1話の総評と今後への期待
『片田舎のおっさん、剣聖になる』第1話は、派手さを抑えつつも、主人公・ベリルの人間性と“隠された実力”を丁寧に描いた静かな立ち上がりでした。
- アリューシアとの関係に見える、師弟+αの感情
- 模擬戦での技術重視の演出
- 周囲からの尊敬の声によるベリルへの期待
どれもが丁寧に描かれており、次回以降の展開に向けた土台として完成度の高い導入回でした。
ベリルが物語の中心に立つ以上、今後は彼自身が戦いに関わる理由が描かれ、その実力を実戦で見せる展開が待っているはずです。
騎士団の任務に同行する流れや、魔物・敵国との衝突、あるいはかつての弟子との再会といった形で、ベリルが剣を抜かざるを得ない状況が用意されていくのではないでしょうか。
“片田舎の剣聖”がどのようにして歴史の表舞台に立つのか──その過程を見届けたくなる、そんな第1話でした。