※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第297話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回は、恭弥が黒川から謝罪という選択肢を提示されつつも、許克と佐古田を巡る政治的な圧力の大きさを突きつけられました。表では解決を求められながらも、水面下では別の思惑が動いていることが示されます。
そして今回は、恭弥が覚悟を固めたまま行動を進める中で、許克を巡る状況がすでに別の次元で決着へ向かっていたことが明らかになります。個人の決断と国家の判断が交わる中で、恭弥が置かれた立場がより鮮明になる回です。
見どころ1:すでに決まっていた結論
恭弥とダエルは、夜の車中で今後の動きについて言葉を交わします。
ダエルは、恭弥がすでに許克(シュー・クー)と戦う覚悟を固めていることを見抜いており、翌日に備えて安西たちと待機する段取りを整えていました。
恭弥「オマエの言う通りオレたちのやり方でカタをつけるつもりだ。何をしても八方塞がりなら相手をぶちのめすしかねぇだろ?」
©Kakao piccoma Corp.
その言葉からは、逃げ道のない状況だからこそ、自分のやり方をまっとうしようという姿勢が伝わってきます。
帰宅後、恭弥はベッドに横たわりながら自分の選択について考えを巡らせます。
死ぬ覚悟さえできている恭弥でしたが、周囲の人間を危険に巻き込んでしまうことへの不安が、胸の内に強く残っているのでした。
このシーンで印象的だったのは、恭弥はすでに許克を殺す覚悟を決めていたことです。
黒川からは謝罪で収める方向を示唆され、表向きには衝突を避ける余地も残されていました。
ダエルに対しても、恭弥は「一度会ってから判断する」と話していましたが、それは本心をすべて明かした言葉ではありませんでした。
すでに自分の中では結論が出てていたが、それを周囲に話していなかったのは仲間を巻き込みたくなかったからでしょう。
その後、自宅で一人になった恭弥が考えていたのは、自分の生死ではありませんでした。
自分の選択によって、周囲の人間が危険に晒されるかもしれないという点だけが、心に引っかかっていたようです。
巨大な敵を前にしてもすぐに殺すと判断する暴力性と、仲間を心配するという恭弥の2つの側面が見えたシーンでした。
見どころ2:すでに終わっていた許克
昼、恭弥はラノックに呼ばれ、フランス大使館を訪れます。
そこで紹介されたのは、楊帆(ヤン・ファン)という人物でした。
名前や雰囲気から中国系であることは察せられましたが、彼が中国情報局所属だと明かされ、恭弥は警戒を強めます。
楊帆は許克(シュー・クー)が日本政府に圧力をかけていた事実を前提に話を進め、恭弥に「もし今日許克と会ったらどうするつもりだったのか」と問いかけます。
恭弥「殺すつもりでした」
©Kakao piccoma Corp.
恭弥はその質問に対し、隠すことなく自分の考えを伝えました。すると、予想外の返答が返ってきます。
楊帆は、許克についてはラノックの指示に従い、中国側で処理すると告げたのです。
ラノック「いきなり何の説明もなくすまないね。結論から言うと…許克は今日で終わりだ」
©Kakao piccoma Corp.
楊帆の説明によれば、許克は上層部の許可を得ないまま独断で行動し、情報戦における暗黙のルールすら破っていたとのことでした。
その行為は中国国内でも越権と見なされ、処分は避けられない状況だったと語られます。
さらに、中国内部には許克の失態を強く問題視し、彼の排除を望む人物が多数いるという現実も明かされました。
ラノックは、今回の件に関する謝罪と補償については楊帆が窓口になると淡々と告げます。
恭弥は、自分が知らないところでここまで話が進んでいた事実と、すべてを把握したうえで動いていたラノックの存在に、底知れないものを感じるのでした。
衝撃的だったのは、一連の事件がラノックにとって計算ずくだったことです。
恭弥にとって最大の障害だと思われていた許克の処理は、すでに水面下で決定しており、中国による報復を心配する必要はありませんでした。
さらに恭弥は、その場の説明を聞きながら、ラノックが中国側に拘束された出来事さえも、偶然ではなかったのではないかと察します。
ラノックは「許克が中国国内に敵が多い」ことを知っており、わざと捕まって許克をハメたのかもしれません。
問題が表に出る前から、すべての流れが見据えられていた可能性に気づいたことで、ラノックという人物の怖さを改めて感じ取ったのでしょう。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第297話
- 恭弥は許克と対峙する前から、殺す覚悟をすでに固めていた
- ダエルはその覚悟を見抜き、事前に待機体制を整えていた
- 恭弥は仲間を巻き込みたくない思いから、本心を伏せて行動していた
- 自分の命よりも、周囲が危険に晒されることを気にしていた
- 許克の処理は、恭弥が動く前から決定していた
- 問題は個人間の因縁ではなく、国家レベルの判断で進んでいた
- ラノックは一連の流れを把握したうえで動いていた可能性が高い
- 次回記事:298話:中国が許克を切り捨てた理由
- 前回記事:296話:気に食わなさから浮上した宮下という名前
- 総リンク:『ゴッドオブブラックフィールド』全ての感想記事リンク一覧
- 用語記事:登場人物・主要キャラ・用語まとめ


