※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第199話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
前回(第198話)では、恭弥がラノックから紅茶を出された瞬間に、体の奥から「何かが起こる」という感覚を受け取りました。
そして、今回(第199話)では、いよいよ発表会の本番が始まります。
恭弥はラノックの護衛として会場入りしますが、会場の空気、要人の動き、そして自らの勘が、かつてないほど鋭く反応します。
恭弥が導き出した「最悪のシナリオ」とは何なのか。彼の思考と決断が、物語の行方を左右する非常に緊迫した回となりました。
見どころ1:命を懸けた約束──恭弥とラノックの強い信頼
ユニコーン事業の発表会が始まる前、ラノック大使は恭弥に大切なことを言いました。
ラノック『ムッシュ西、私は君を信じている。だが万が一私の身に何かあった時は・・・アンヌのことをよろしく頼むよ』
この言葉は「もし自分が死んだら娘をお願いする」という意味です。ラノックはもう自分の命が危ないことをわかっていて、それでも発表会に出る決意をしていました。
しかし、恭弥の返事は少し意外でした。
恭弥『お断りします』
普通なら「わかりました」と言いそうなところですが、恭弥ははっきりと断ります。
その後、恭弥はこう続けます。
恭弥『勝つのはオレたちです。万が一も億が一もありません。だから…アンヌの面倒は最後まで大使がみてください』
これはただの励ましではありません。
恭弥にとっては「勝つ」ことが大前提で、「負けるかもしれない」と考えること自体があってはならないのです。

それに、大切な人のことを「他人に預ける」のではなく、「最後まで自分で守り切ってほしい」と思ったのかもしれません。
私はこの場面から、「本当に誰かを守るというのは、気持ちだけでなく覚悟が必要だ」ということを感じました。
ラノックの震える手を見たとき、恭弥は彼を勇気づけるのではなく、背中を押すような強い言葉を選びました。それは、ふたりの間にある深い信頼があったからこそできたやりとりだったと思います。
見どころ2:恭弥の「感覚」がとらえた攻撃の形
ラノックが壇上で挨拶を始めたとき、恭弥の心にある異変が起こりました。
恭弥(オレの本能が警告してる。今すぐここから出なければ…死ぬと)
この場面で、恭弥はまだ何も起きていないのに、「何かがおかしい」と感じています。それは今までの経験で身につけた感覚のようなもので、普通の人にはわからないことかもしれません。
恭弥は、テロの方法を一つひとつ考えていきます。拳銃、狙撃、自爆テロ――どれも警備が厳しいので不可能に思えます。
そして最後に、恭弥はとても危険な方法に気づきます。
恭弥(オレだったらテレビ中継でタイミングを計り携帯型ミサイルで攻撃する!)
今、発表会は生中継されていて、会場の様子が世界中に見られています。それを利用すれば、外にいる犯人でもタイミングを合わせて攻撃することができる。
このことに恭弥が気づいたとき、すぐに無線で仲間に連絡を入れます。

この場面では、恭弥がただ頭がいいというよりも、経験からくる「気づきの速さ」が際立っていました。
そしてもう一つ思ったのは、「便利なもの(中継)」が、逆に攻撃のチャンスになることがあるということです。
私たちが普段使っているものでも、使い方によっては「テロリストの武器」になってしまうという現実が、少し怖く感じました。
まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第199話
今回の話では、恭弥の感覚がひとつの答えにたどりつきました。
それは「ミサイルによるテロの可能性」です。
これは、テレビ中継という「情報」が、攻撃のタイミングを決める手がかりになるという、非常に現代的な考え方でした。
また、ラノックと恭弥の会話からは、「この人を守りたい」という強い気持ちと、「絶対に諦めない」という覚悟が伝わってきました。
次回、どのような行動が起こるのかによって、物語の方向が大きく変わっていくように思えます。
- 次回記事:200話:ミサイルと爆弾が会場を襲う
- 前回記事:198話:総理と官房長官が同時に狙われる理由
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