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『ゴッドオブブラックフィールド』第292話ネタバレ感想|衝突を避けつつラノック救出を成功させた判断

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『ゴッドオブブラックフィールド』第292話ネタバレ感想|衝突を避けつつラノック救出を成功させた判断

※本記事には『ゴッド・オブ・ブラックフィールド』第292話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。

前回は、西恭弥が拉致されたラノック大使の居場所を突き止め、中国大使館へ向かう決断を下しました。許克との通話や各国の思惑が絡み合い、事態は国家間の問題へと発展していきます。

そして今回は、恭弥が実際に中国大使館へ乗り込み、日本政府もまた大きな判断を迫られることになります。個人の行動と国家の選択が重なり合う回です。

目次

見どころ1:責任を引き受けた総理の選択

首相官邸では、事態の深刻さを前に緊迫した空気が漂っていました。

内閣情報調査室次長は、アメリカと中国を同時に敵に回す危険性を指摘し、軍を動かす判断に強く反対します。

加えて、西恭弥がまだ高校生である点を挙げ、国家として背負うにはあまりにも重い選択だと訴えました。

一方の沢村首相は、年齢ではなくこれまでの功績を基準に恭弥を見つめ、国家として彼を守る責任が自分にあると覚悟を固めます。

そして自ら内線電話を取り、部隊の出動を指示しました。

沢村首相「・・・では出動してください。ちなみに今回の責任は全て総理であるこの私にあります」

©Kakao piccoma Corp.

その後も次長は交渉という選択肢を示しますが、沢村首相は西恭弥を失うことが国家に与える影響を語り、これまで彼一人に背負わせてきた重荷を大人たちが引き受けるべきだと述べます。

やがて次長もその判断を受け入れ、沢村首相は奇跡を願う言葉で場を締めくくるのでした。

なかやす

この場面で印象に残るのは、沢村首相が「決断する側」として完全に腹を括っている点です。

次長の主張は、国家の安全保障を考えれば極めて現実的であり、間違ってはいません。それでもなお、沢村首相は危険性を理解したうえで前に進む選択をします。

その姿からは、逃げ道を残さず責任を背負う覚悟がはっきりと伝わってきました。

また、このやり取りは「高校生だから守る」のではなく、「ここまで背負わせてきたからこそ大人が応える」という逆転した構図になっています。

これまで西恭弥が担ってきた役割の重さを、国家側がようやく正面から受け止めた瞬間にも見えました。彼を切り捨てるのではなく、共に背負う選択をした点が重要だったと思います。

見どころ2:中国大使館を戦場として見る視点

中国大使館に到着した恭弥たちは、周囲の視線を気にすることなく行動を開始します。

特殊部隊の展開位置を即座に指示し、事態を「外交問題」ではなく「戦争」として捉えている姿勢を明確にしました。

恭弥「安西、これは中国との戦争だ。人目なんか気にしている場合か」

恭弥「安西、これは中国との戦争だ。人目なんか気にしている場合か」

©Kakao piccoma Corp.

その後、恭弥たちは大使館職員の案内で内部へ進みますが、恭弥は途中で案内された不自然な扉に違和感を覚えます。

逃げ場のない通路構造や鉄扉の配置から、閉じ込めや狙撃の危険性を瞬時に見抜き、ジェスチャーだけでダエルに後続部隊の配置を指示しました。

自らはあえて単独で進み、相手の出方を見極める選択を取ります。

いくつもの扉を抜けた先で、恭弥は拉致されていたラノックと対面します。

同時に、中国側の許克も姿を現し、両者は緊張感のある対峙に入ります。許克は中国領土への武力展開を強く非難しますが、恭弥は一切引かず、フランス大使拉致という事実を突きつけます。

最終的に、表立った衝突は避けられ、ラノックの身柄は恭弥の管理下に置かれる形で事態は収束するのでした。

なかやす

このやり取りは、安西と恭弥の状況認識の差がはっきり表れた場面でした。

安西はあくまで「外交問題」の延長として事態を捉え、周囲の視線や体裁を意識して特殊部隊を隠す判断を示します。

一方で恭弥は、すでに段階はその先へ進んでいると考えており、これは交渉以前に始まっている戦争だと認識していました。

恭弥の「戦闘は始まっている」という警戒心は大使館に入っても描かれています。

不自然な扉や通路構造から危険を察知し、言葉ではなく最小限の合図でダエルに指示を出す流れは、長年の実戦経験が身に染みついていることを感じさせます。

さらに、許克との対峙では、立場や言い分の違いが真正面からぶつかります。

それでも恭弥は相手の主張に飲み込まれることなく、目的を明確にしたまま話を進めていました。

最終的に衝突を避けつつ結果を持ち帰った展開からは、力を見せつけるだけでなく、引き際も含めて計算している様子がうかがえます。

まとめ:ゴッドオブブラックフィールド:第292話

  • 沢村首相が全責任を引き受ける覚悟で出動を決断
  • 「守られる側」から「共に背負う側」へ移った大人たちの選択
  • 恭弥が外交ではなく戦争として事態を捉えていた点
  • 中国大使館内部で常に警戒を崩さない恭弥の判断力
  • 許克との対峙で主導権を渡さなかった姿勢
  • 衝突を避けつつ目的を達成する引き際の判断
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